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数学B 数列・確率 問題 9 解説

数学B 数列・確率 問題 9 解説

方針・初手

試合が途中で終わるため、$n$ 回目に誰が投げるかは「それ以前に $6$ が出ていないこと」も含めた確率として扱う。

$A$ が $n$ 回目に投げる確率を $a_n$、$B$ が $n$ 回目に投げる確率を $b_n$ とおき、和 $a_n+b_n$ と差 $a_n-b_n$ に注目すると、漸化式が簡単になる。

解法1

$n$ 回目に $A$ が投げる確率を $a_n$、$B$ が投げる確率を $b_n$ とする。

$A$ が $n+1$ 回目に投げるのは、次の2通りである。

したがって

$$ a_{n+1}=\frac{3}{6}a_n+\frac{2}{6}b_n =\frac12 a_n+\frac13 b_n $$

である。同様に

$$ b_{n+1}=\frac13 a_n+\frac12 b_n $$

である。また、1回目は $A$ が投げるので

$$ a_1=1,\qquad b_1=0 $$

である。

ここで、和と差を考える。

まず和について、

$$ \begin{aligned} a_{n+1}+b_{n+1} &=\left(\frac12 a_n+\frac13 b_n\right)+\left(\frac13 a_n+\frac12 b_n\right)\\ &=\frac56(a_n+b_n) \end{aligned} $$

である。よって

$$ a_n+b_n=\left(\frac56\right)^{n-1} $$

である。

次に差について、

$$ \begin{aligned} a_{n+1}-b_{n+1} &=\left(\frac12 a_n+\frac13 b_n\right)-\left(\frac13 a_n+\frac12 b_n\right)\\ &=\frac16(a_n-b_n) \end{aligned} $$

である。よって

$$ a_n-b_n=\left(\frac16\right)^{n-1} $$

である。

以上より、

$$ 2a_n=(a_n+b_n)+(a_n-b_n) $$

だから、

$$ a_n=\frac12\left\{\left(\frac56\right)^{n-1}+\left(\frac16\right)^{n-1}\right\} $$

となる。これが (1) の答えである。

次に、$A$ がちょうど $n$ 回目に勝つには、$n$ 回目に $A$ が投げ、その目が $6$ であればよい。したがって

$$ p_n=\frac16 a_n $$

であるから、

$$ p_n=\frac1{12}\left\{\left(\frac56\right)^{n-1}+\left(\frac16\right)^{n-1}\right\} $$

となる。

最後に、$n$ 回以内に $A$ が勝つ確率 $q_n$ は、ちょうど $k$ 回目に $A$ が勝つ確率を $k=1$ から $n$ まで足せばよい。したがって

$$ q_n=\sum_{k=1}^{n}p_k $$

である。これに $p_k$ の式を代入すると、

$$ \begin{aligned} q_n &=\frac1{12}\sum_{k=1}^{n}\left\{\left(\frac56\right)^{k-1}+\left(\frac16\right)^{k-1}\right\}\\ &=\frac1{12}\left\{\frac{1-\left(\frac56\right)^n}{1-\frac56} +\frac{1-\left(\frac16\right)^n}{1-\frac16}\right\}\\ &=\frac1{12}\left\{6\left(1-\left(\frac56\right)^n\right) +\frac65\left(1-\left(\frac16\right)^n\right)\right\}\\ &=\frac12\left(1-\left(\frac56\right)^n\right) +\frac1{10}\left(1-\left(\frac16\right)^n\right) \end{aligned} $$

である。整理して

$$ q_n=\frac35-\frac12\left(\frac56\right)^n-\frac1{10}\left(\frac16\right)^n $$

となる。

解説

この問題では、「次に誰が投げるか」だけでなく、「すでに勝者が決まっていないか」も確率に含める必要がある。そのため、単に $A$ と $B$ の番が移る確率だけを見るのではなく、$6$ が出たら以後の試行が存在しないことを漸化式に反映させる。

$a_n,b_n$ を直接それぞれ解こうとするとやや煩雑になるが、和 $a_n+b_n$ は「$n$ 回目の投げが存在する確率」、差 $a_n-b_n$ は「どちらが投げる側として優勢か」を表す量になり、それぞれ等比数列として処理できる。

(2) は $n$ 回目に $A$ が投げる確率に、そこで $6$ を出す確率 $\frac16$ を掛けるだけでよい。(3) は「ちょうど $1$ 回目、ちょうど $2$ 回目、……、ちょうど $n$ 回目」の排反な事象の和として求める。

答え

(1)

$$ a_n=\frac12\left\{\left(\frac56\right)^{n-1}+\left(\frac16\right)^{n-1}\right\} $$

(2)

$$ p_n=\frac1{12}\left\{\left(\frac56\right)^{n-1}+\left(\frac16\right)^{n-1}\right\} $$

(3)

$$ q_n=\frac35-\frac12\left(\frac56\right)^n-\frac1{10}\left(\frac16\right)^n $$

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