数学B 数列・確率 問題 38 解説

方針・初手
点 $P$ が次に頂点 $A$ にいるためには、直前に $A$ 以外の頂点、すなわち $B$ または $C$ にいて、そのうち $A$ に向かう向きが出る必要がある。
したがって、$n-1$ 回後に $A$ にいない確率 $1-a_{n-1}$ を用いて漸化式を立てる。
解法1
$n-1$ 回硬貨を投げた後、点 $P$ が頂点 $A$ にいる確率は $a_{n-1}$ であるから、頂点 $B$ または $C$ にいる確率は
$$ 1-a_{n-1} $$
である。
点 $P$ が $B$ または $C$ にいるとき、次の1回で $A$ に移動する確率は、それぞれちょうど片方の面が出る場合なので
$$ \frac{1}{2} $$
である。
よって、$n \geqq 2$ に対して
$$ a_n=\frac{1}{2}(1-a_{n-1}) $$
となる。
次に、この漸化式を解く。
$$ a_n=\frac{1}{2}-\frac{1}{2}a_{n-1} $$
である。この漸化式の定常値を $\alpha$ とおくと、
$$ \alpha=\frac{1}{2}-\frac{1}{2}\alpha $$
より、
$$ \frac{3}{2}\alpha=\frac{1}{2} $$
したがって、
$$ \alpha=\frac{1}{3} $$
である。
そこで、両辺から $\dfrac{1}{3}$ を引くと、
$$ \begin{aligned} a_n-\frac{1}{3} &= -\frac{1}{2}\left(a_{n-1}-\frac{1}{3}\right) \end{aligned} $$
となる。
最初、点 $P$ は頂点 $A$ にいるので
$$ a_0=1 $$
である。よって、
$$ \begin{aligned} a_n-\frac{1}{3} &= \left(-\frac{1}{2}\right)^n \left(a_0-\frac{1}{3}\right) \end{aligned} $$
となる。
ここで、
$$ \begin{aligned} a_0-\frac{1}{3} &= 1-\frac{1}{3} \\ \frac{2}{3} \end{aligned} $$
だから、
$$ \begin{aligned} a_n-\frac{1}{3} &= \frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n \end{aligned} $$
したがって、
$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n \end{aligned} $$
を得る。
解説
この問題では、$B$ と $C$ を区別して考える必要はない。次に $A$ に戻るかどうかだけを考えればよい。
頂点 $A$ にいるとき、次の1回では必ず $A$ 以外へ移動する。一方、$A$ 以外にいるときは、次の1回で確率 $\dfrac{1}{2}$ で $A$ に移動する。この構造から
$$ a_n=\frac{1}{2}(1-a_{n-1}) $$
という1次漸化式が得られる。
また、漸化式を解くときは、定常値 $\dfrac{1}{3}$ を引いて等比数列に直すのが標準的である。
答え
(1)
$$ a_n=\frac{1}{2}(1-a_{n-1}) $$
(2)
$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\left(-\frac{1}{2}\right)^n \end{aligned} $$
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