数学B 2項間漸化式 問題 1 解説

方針・初手
漸化式を関数
$$ f(x)=rx(1-x) $$
で表すと、$x_{n+1}=f(x_n)$ である。
(1) は $a$ が $f$ の不動点である条件、(2) は $f(f(a))=a$ であるが $f(a)\neq a$ である条件、(3) は区間 $[0,1]$ が $f$ によって自分自身に移される条件を調べればよい。
解法1
(1) すべての $n$ について $x_n=a$ となるには、特に $x_2=a$ でなければならない。
$$ x_2=ra(1-a) $$
より、
$$ ra(1-a)=a $$
である。これを整理すると、
$$ a{r(1-a)-1}=0 $$
となる。
したがって、
$$ a=0 $$
または
$$ r(1-a)-1=0 $$
である。
後者は $r\neq 0$ のとき
$$ a=1-\frac{1}{r} $$
となる。
よって、$r=0$ のときは $a=0$ のみであり、$r\neq 0$ のときは
$$ a=0,\quad 1-\frac{1}{r} $$
である。
(2) 条件 $x_3=a$ は
$$ f(f(a))=a $$
である。一方、$x_2\neq a$ より、$a$ は不動点ではない。
まず
$$ f(x)=rx(1-x) $$
として、$f(f(a))-a=0$ を計算する。
$$ \begin{aligned} f(f(a))-a &=r{ra(1-a)}{1-ra(1-a)}-a \\ &=-a(ra-r+1){r^2a^2-r(r+1)a+r+1} \end{aligned} $$
である。
ここで、
$$ a=0 $$
または
$$ ra-r+1=0 $$
は $f(a)=a$ を表す不動点であるから、条件 $x_2\neq a$ により除外する。
したがって、求める $a$ は
$$ r^2a^2-r(r+1)a+r+1=0 $$
の実数解のうち、不動点でないものである。
この二次方程式の判別式を $D$ とすると、
$$ \begin{aligned} D &={-r(r+1)}^2-4r^2(r+1) \\ &=r^2(r+1)(r-3) \end{aligned} $$
である。
$r=0$ のとき、この二次式は $1=0$ となり解をもたない。
$r\neq 0$ のとき、実数解をもつ条件は
$$ (r+1)(r-3)\geq 0 $$
すなわち
$$ r\leq -1,\quad r\geq 3 $$
である。
ただし、端点では重解が不動点と一致する。
実際、$r=-1$ のとき二次式は
$$ a^2=0 $$
となり、解 $a=0$ は不動点である。
また、$r=3$ のとき二次式は
$$ 9a^2-12a+4=0 $$
すなわち
$$ (3a-2)^2=0 $$
となり、解 $a=\dfrac{2}{3}$ は不動点
$$ 1-\frac{1}{3}=\frac{2}{3} $$
である。
よって、条件 $x_2\neq a,\ x_3=a$ を満たす $a$ の個数は、
$$ r<-1,\quad r>3 $$
のとき $2$ 個であり、それ以外のとき $0$ 個である。
(3)
$0\leq a\leq 1$ であるすべての $a$ について、すべての $n$ で
$$ 0\leq x_n\leq 1 $$
が成り立つためには、少なくとも $x_2$ が常に $[0,1]$ に入る必要がある。
つまり、すべての $a\in[0,1]$ に対して
$$ 0\leq ra(1-a)\leq 1 $$
が必要である。
ここで、$a\in[0,1]$ のとき
$$ 0\leq a(1-a)\leq \frac{1}{4} $$
であり、最大値 $\dfrac{1}{4}$ は $a=\dfrac{1}{2}$ でとる。
したがって、すべての $a\in[0,1]$ に対して $ra(1-a)\geq 0$ となるには
$$ r\geq 0 $$
が必要である。
また、最大値が $1$ 以下であるためには
$$ \frac{r}{4}\leq 1 $$
すなわち
$$ r\leq 4 $$
が必要である。
よって必要条件は
$$ 0\leq r\leq 4 $$
である。
逆に、$0\leq r\leq 4$ ならば、$0\leq x\leq 1$ に対して
$$ 0\leq x(1-x)\leq \frac{1}{4} $$
より
$$ 0\leq rx(1-x)\leq 1 $$
が成り立つ。
したがって、$x_n\in[0,1]$ ならば $x_{n+1}\in[0,1]$ である。初めに $x_1=a\in[0,1]$ だから、数学的帰納法により、すべての $n$ について
$$ 0\leq x_n\leq 1 $$
が成り立つ。
よって求める $r$ の範囲は
$$ 0\leq r\leq 4 $$
である。
解説
この問題の中心は、漸化式を写像 $f(x)=rx(1-x)$ の反復として見ることである。
(1) は不動点の問題であり、$f(a)=a$ を解けばよい。
(2) は $2$ 回反復して元に戻る点の問題である。ただし $x_2\neq a$ があるため、不動点を除外する必要がある。ここを見落とすと、$r=-1$ や $r=3$ の端点で個数を誤る。
(3) は「すべての初期値 $a\in[0,1]$」に対する条件であるから、$f$ が区間 $[0,1]$ を $[0,1]$ に写すかどうかを調べる。$a(1-a)$ の最大値が $\dfrac{1}{4}$ であることから、$0\leq r\leq 4$ が得られる。
答え
(1)
$r=0$ のとき
$$ a=0 $$
$r\neq 0$ のとき
$$ a=0,\quad 1-\frac{1}{r} $$
(2)
$$ \begin{cases} 2個 & (r<-1,\ r>3)\\ 0個 & (-1\leq r\leq 3) \end{cases} $$
(3)
$$ 0\leq r\leq 4 $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





