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北海道大学 1981年 文系 第1問 解説

数学1/二次関数テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
北海道大学 1981年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) 与えられた2次式を $x$ について平方完成し、頂点の座標を求める。全区間での最小値 $A$ は頂点の $y$ 座標となる。区間つきの最小値 $B$ については、放物線の軸の位置と定義域 $x \geqq a$ の位置関係を比較して考える。

(2) 与えられた式は(1)の式において $a$ を $y$ に置き換えたものである。$x$ を動かしたときの最小値が(1)の $A$ の $a$ を $y$ に変えた式であり、さらにそれを $y$ について最小化すればよい。このように、2つの変数が独立に動く関数の最小値を求める際、まず1つの変数(ここでは $x$)を固定して最小化し、次にもう1つの変数($y$)を動かして最小値を求める「1文字固定法(予選決勝法)」を用いる。

解法1

(1)

与えられた $x$ の2次関数を $f(x)$ とおく。

$$ f(x) = x^2 - 2(a-3)x + (1+b)a^2 - 12a + 1 $$

$x$ について平方完成する。

$$ \begin{aligned} f(x) &= \{x - (a-3)\}^2 - (a-3)^2 + (1+b)a^2 - 12a + 1 \\ &= \{x - (a-3)\}^2 - (a^2 - 6a + 9) + a^2 + ba^2 - 12a + 1 \\ &= \{x - (a-3)\}^2 + ba^2 - 6a - 8 \end{aligned} $$

$x$ はすべての実数をとるので、$f(x)$ は $x = a-3$ のとき最小値をとる。したがって、最小値 $A$ は

$$ A = ba^2 - 6a - 8 $$

次に、$a \leqq x$ における最小値 $B$ を求める。 放物線 $y = f(x)$ の軸は直線 $x = a-3$ である。 軸 $x = a-3$ と定義域の左端 $x = a$ の大小を比較すると、常に $a-3 < a$ が成り立つ。 したがって、軸は定義域の左側に外れており、区間 $a \leqq x$ において関数 $f(x)$ は単調に増加する。 よって、$f(x)$ は $x = a$ のとき最小となるので、最小値 $B$ は

$$ \begin{aligned} B &= f(a) \\ &= \{a - (a-3)\}^2 + ba^2 - 6a - 8 \\ &= 3^2 + ba^2 - 6a - 8 \\ &= ba^2 - 6a + 1 \end{aligned} $$

(2)

与えられた式を $g(x, y)$ とおく。

$$ g(x, y) = x^2 - 2(y-3)x + (1+b)y^2 - 12y + 1 $$

$y$ を定数とみなして $x$ の関数と考えたときの最小値は、(1)の $A$ において $a$ を $y$ に置き換えた式になる。これを $h(y)$ とおく。

$$ h(y) = by^2 - 6y - 8 $$

$x, y$ が実数全体を自由に動くときの $g(x, y)$ の最小値は、$y$ が実数全体を動くときの $h(y)$ の最小値に等しい。 $h(y)$ が最小値をもつための条件を $b$ の値によって場合分けして考える。

(i) $b < 0$ のとき

$h(y)$ は $y^2$ の係数が負の2次式となり、上に凸の放物線を表すため、最小値を持たない。したがって不適である。

(ii) $b = 0$ のとき

$h(y) = -6y - 8$ となり、右下がりの直線を表すため、最小値を持たない。したがって不適である。

(iii) $b > 0$ のとき

$h(y)$ は $y^2$ の係数が正の2次式となり、下に凸の放物線を表す。平方完成すると

$$ \begin{aligned} h(y) &= b \left(y^2 - \frac{6}{b}y \right) - 8 \\ &= b \left( y - \frac{3}{b} \right)^2 - b \left( \frac{3}{b} \right)^2 - 8 \\ &= b \left( y - \frac{3}{b} \right)^2 - \frac{9}{b} - 8 \end{aligned} $$

よって、$h(y)$ は $y = \frac{3}{b}$ のとき最小値 $- \frac{9}{b} - 8$ をとる。 条件よりこの最小値が $-b$ となるから

$$ - \frac{9}{b} - 8 = -b $$

$b > 0$ より両辺に $b$ をかけて整理する。

$$ \begin{aligned} -9 - 8b &= -b^2 \\ b^2 - 8b - 9 &= 0 \\ (b-9)(b+1) &= 0 \end{aligned} $$

$b > 0$ であるから、これを満たすのは $b = 9$ である。

(i)〜(iii) より、求める $b$ の値は $b=9$ となる。

解説

(1) は2次関数の最大・最小の基本問題である。全区間での最小値は頂点を調べ、定義域が制限された場合の最小値は、軸と定義域の位置関係を把握することで求まる。本問では軸 $x = a-3$ が定義域の左端 $x = a$ よりも常に左側にあることがポイントであり、文字定数を含んでいても場合分けが発生しない。

(2) は2変数関数の最小値問題であり、一方の文字を定数とみて他方の文字について最小値を求める「1文字固定法(予選決勝法)」を用いる。ここでは $x$ についての2次式とみて最小値を求め、次に残った $y$ の関数として最小値を考える。また、$y$ の関数が最小値を持つための条件として、最高次数の係数 $b$ の符号による場合分けが必要となる。最高次数の係数が文字である場合は、$0$ になる場合や負になる場合を検討から漏らさないように注意が必要である。

答え

(1) $A = ba^2 - 6a - 8$ $B = ba^2 - 6a + 1$

(2) $b = 9$

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