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北海道大学 1989年 文系 第1問 解説

数学1/二次関数数学2/複素数と方程式テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
北海道大学 1989年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) 2次方程式の解の公式、または解と係数の関係を用いて2交点の $x$ 座標の差(距離)を $a$ の式で表し、その最大値を平方完成により求める。

(2) 2次方程式の解の配置問題として考える。関数 $y=f(x)$ のグラフ(下に凸の放物線)が $x$ 軸の $0 < x < 1$ の部分と異なる2点で交わるための条件を、判別式、軸の位置、区間の端点における関数の値の符号から立式する。

解法1

(1)

2次方程式 $f(x)=0$ の判別式を $D$ とすると、放物線が $x$ 軸と2点で交わるための条件は $D>0$ である。

$$ \frac{D}{4} = (a+1)^2 - 3a^2 = -2a^2 + 2a + 1 > 0 $$

交点の $x$ 座標は $f(x)=0$ の解であるから、解の公式より

$$ x = \frac{a+1 \pm \sqrt{-2a^2+2a+1}}{3} $$

2交点間の距離を $L$ とおくと、

$$ L = \frac{a+1 + \sqrt{-2a^2+2a+1}}{3} - \frac{a+1 - \sqrt{-2a^2+2a+1}}{3} = \frac{2}{3}\sqrt{-2a^2+2a+1} $$

根号の中身について平方完成すると、

$$ -2a^2+2a+1 = -2\left(a^2 - a\right) + 1 = -2\left(a - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{3}{2} $$

根号の中身は $a = \frac{1}{2}$ のとき最大値 $\frac{3}{2}$ をとる。このとき $-2a^2+2a+1 > 0$ を満たしているため、交点は存在する。

したがって、$L$ も $a = \frac{1}{2}$ のとき最大となり、そのときの距離は

$$ L = \frac{2}{3}\sqrt{\frac{3}{2}} = \frac{2}{3}\frac{\sqrt{6}}{2} = \frac{\sqrt{6}}{3} $$

(2)

$f(x) = 0$ が $0 < x < 1$ に相異なる2つの実数解をもつためには、下に凸の放物線 $y=f(x)$ について以下の4つの条件が同時に成り立つことが必要十分である。

(i) $x$ 軸と異なる2点で交わる。

(ii) 放物線の軸が $0 < x < 1$ の範囲にある。

(iii) $f(0) > 0$

(iv) $f(1) > 0$

(i) (1)より、$-2a^2+2a+1 > 0$

$$ 2a^2 - 2a - 1 < 0 $$

これを解いて、

$$ \frac{1-\sqrt{3}}{2} < a < \frac{1+\sqrt{3}}{2} $$

(ii) $f(x)$ を平方完成すると、

$$ f(x) = 3\left(x - \frac{a+1}{3}\right)^2 - \frac{(a+1)^2}{3} + a^2 $$

軸は直線 $x = \frac{a+1}{3}$ であるから、

$$ 0 < \frac{a+1}{3} < 1 $$

$$ 0 < a+1 < 3 $$

$$ -1 < a < 2 $$

(iii) $f(0) = a^2 > 0$ より、

$$ a \neq 0 $$

(iv) $f(1) = 3 - 2(a+1) + a^2 = a^2 - 2a + 1 = (a-1)^2 > 0$ より、

$$ a \neq 1 $$

(i)〜**(iv)を同時に満たす $a$ の範囲を求める。$-1 < \frac{1-\sqrt{3}}{2}$ および $\frac{1+\sqrt{3}}{2} < 2$ であるため、(i)(ii)**の共通範囲は (i) の $\frac{1-\sqrt{3}}{2} < a < \frac{1+\sqrt{3}}{2}$ となる。

この範囲には $a=0$ と $a=1$ が含まれているので、**(iii)(iv)**の条件からこれらを除外する。

以上より、求める $a$ の値の範囲は

$$ \frac{1-\sqrt{3}}{2} < a < 0, \quad 0 < a < 1, \quad 1 < a < \frac{1+\sqrt{3}}{2} $$

解説

(1)は2次方程式の解の公式を利用して交点間の距離を直接計算するのが簡明である。解と係数の関係を利用して交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおき、$(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta$ と計算して距離の2乗の最大値を求めても同じ結果が得られる。

(2)は典型的な「解の配置」問題である。グラフの形状、判別式、軸の位置、指定された区間の端点における関数の値の符号に着目して条件を立式する。端点での値が $0$ にならないように $a \neq 0$ や $a \neq 1$ といった除外条件を忘れないことが重要である。

答え

(1) $a = \frac{1}{2}$ のとき、距離 $\frac{\sqrt{6}}{3}$

(2) $\frac{1-\sqrt{3}}{2} < a < 0, \quad 0 < a < 1, \quad 1 < a < \frac{1+\sqrt{3}}{2}$

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