北海道大学 1987年 理系 第1問 解説

方針・初手
2次関数の最小値 $m$ を求めるために、まずは軸の位置 $x=a$ と定義域 $x \leqq 1$ の位置関係によって場合分けを行う。 求めた $m$ は文字 $a$ と $b$ を含む式になるため、与えられた不等式条件 $a - 2b \geqq 3$ を用いて $b$ を消去し、$m$ の取りうる値の範囲から最大値を考える。
解法1
$f(x) = x^2 - 2ax + b$ とおく。平方完成すると
$$ f(x) = (x - a)^2 - a^2 + b $$
となる。この関数のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $x = a$ である。 定義域 $x \leqq 1$ における最小値 $m$ を求めるために、軸と定義域の位置関係で場合分けをする。
(i) $a \leqq 1$ のとき
軸 $x = a$ は定義域に含まれるため、$f(x)$ は $x = a$ で最小となる。
$$ m = f(a) = -a^2 + b $$
条件 $a - 2b \geqq 3$ より $b \leqq \frac{1}{2}a - \frac{3}{2}$ であるから、
$$ \begin{aligned} m &\leqq -a^2 + \frac{1}{2}a - \frac{3}{2} \\ &= -\left( a - \frac{1}{4} \right)^2 + \frac{1}{16} - \frac{3}{2} \\ &= -\left( a - \frac{1}{4} \right)^2 - \frac{23}{16} \end{aligned} $$
$a \leqq 1$ の範囲において、関数 $-\left( a - \frac{1}{4} \right)^2 - \frac{23}{16}$ は $a = \frac{1}{4}$ のとき最大値 $-\frac{23}{16}$ をとる。 このとき、等号を成立させる $b$ の値は $b = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{4} - \frac{3}{2} = -\frac{11}{8}$ であり、実数として存在する。
(ii) $a > 1$ のとき
軸 $x = a$ は定義域の右側にあるため、$f(x)$ は定義域 $x \leqq 1$ において単調に減少する。したがって、$x = 1$ で最小となる。
$$ m = f(1) = 1 - 2a + b $$
同様に $b \leqq \frac{1}{2}a - \frac{3}{2}$ を用いると、
$$ \begin{aligned} m &\leqq 1 - 2a + \left( \frac{1}{2}a - \frac{3}{2} \right) \\ &= -\frac{3}{2}a - \frac{1}{2} \end{aligned} $$
$a > 1$ であるから、
$$ -\frac{3}{2}a - \frac{1}{2} < -\frac{3}{2} \cdot 1 - \frac{1}{2} = -2 $$
よって、$m < -2$ となる。
(i)、(ii) より、$-\frac{23}{16} > -2$ であるから、$m$ の最大値は $-\frac{23}{16}$ となる。
解説
文字定数を含む2次関数の最大・最小問題と、条件付きの最大・最小問題が組み合わさった標準的な問題である。 前半は「関数の最小値を $m$ とする」という指示に従って、軸の位置による場合分けを正確に行う。後半は、得られた $m$ の式に対して不等式条件を適用し、1変数の関数の最大値問題に帰着させる。不等式の向きに注意して文字を消去し、等号成立条件(最大値をとるような $a$ と $b$ が存在するかどうか)を確認することがポイントとなる。
答え
$-\frac{23}{16}$
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