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大阪大学 1967年 文系 第1問 解説

数学A/場合の数数学2/指数対数数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域
大阪大学 1967年 文系 第1問 解説

方針・初手

点 $(x, y)$ が図形 $F$ の内部にある条件を立式し、そこに $x = 2^m$, $y = 2^n$ を代入して $m, n$ に関する不等式を導きます。底が $2$ で統一されているため、指数の不等式に帰着させることができます。その後は、整数 $m, n$ の組の数を数え上げる格子点の典型問題として処理します。

解法1

直線 $y=x$ と放物線 $y=2^{-100}x^2$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $x = 2^{-100}x^2$ を解いて、

$$ x(2^{-100}x - 1) = 0 $$

より、$x = 0, 2^{100}$ である。

図形 $F$ の内部にある点 $(x, y)$ の満たす条件は、境界を含まないため、

$$ 0 < x < 2^{100} \quad \text{かつ} \quad 2^{-100}x^2 < y < x $$

となる。ここに $x = 2^m, y = 2^n$ を代入すると、

$$ 0 < 2^m < 2^{100} \quad \text{かつ} \quad 2^{-100}(2^m)^2 < 2^n < 2^m $$

を得る。$m, n$ は正の整数である。 第一の条件より $m < 100$ となり、$m$ は $1 \le m \le 99$ を満たす整数である。 第二の条件を整理すると、

$$ 2^{2m-100} < 2^n < 2^m $$

底 $2$ は $1$ より大きいため、指数を比較して、

$$ 2m-100 < n < m $$

となる。$n$ は正の整数($n \ge 1$)であるため、$m$ の値による左辺 $2m-100$ の正負で場合分けをして、$n$ の個数を数え上げる。

(i) $1 \le m \le 49$ のとき

$2m-100 < 0$ となる。$n$ は正の整数であるため、満たすべき条件は実質的に $1 \le n < m$ となる。 これを満たす整数 $n$ の範囲は $1 \le n \le m-1$ であり、その個数は $m-1$ 個である。($m=1$ のときは $0$ 個となり矛盾しない) この範囲の $m$ についての総和 $S_1$ は、

$$ S_1 = \sum_{m=1}^{49} (m-1) = \sum_{k=1}^{48} k = \frac{48 \cdot 49}{2} = 1176 $$

(ii) $50 \le m \le 99$ のとき

$2m-100 \ge 0$ となるため、条件 $2m-100 < n < m$ を満たす整数 $n$ の範囲は $2m-99 \le n \le m-1$ となる。 これを満たす整数 $n$ の個数は、

$$ (m-1) - (2m-99) + 1 = 99 - m $$

この範囲の $m$ についての総和 $S_2$ は、

$$ S_2 = \sum_{m=50}^{99} (99-m) $$

$m$ が $50$ から $99$ まで変化するとき、$99-m$ は $49$ から $0$ まで変化するため、

$$ S_2 = \sum_{k=0}^{49} k = \frac{49 \cdot 50}{2} = 1225 $$

以上より、求める点の総数は、

$$ S_1 + S_2 = 1176 + 1225 = 2401 $$

解法2

指数の不等式 $2m-100 < n < m$ を導くところまでは解法1と同様である。 ここでは $n$ の値を基準にして $m$ の個数を数え上げる。

不等式を $m$ について解くと、

$$ n < m < \frac{n}{2} + 50 $$

$n$ は正の整数であり、この不等式を満たす整数 $m$ が存在するためには、$n < \frac{n}{2} + 50$、すなわち $n < 100$ が必要である。 よって $1 \le n \le 99$ の範囲で、$n$ が奇数か偶数かによって場合分けを行う。

(i) $n = 2k-1$ ($1 \le k \le 50$)のとき

不等式は、

$$ 2k-1 < m < k + 49.5 $$

$m$ は整数であるため、満たすべき範囲は、

$$ 2k \le m \le k + 49 $$

これを満たす $m$ の個数は、$(k+49) - 2k + 1 = 50 - k$ 個である。 この範囲の $k$ についての総和 $T_1$ は、

$$ T_1 = \sum_{k=1}^{50} (50-k) = \sum_{j=0}^{49} j = \frac{49 \cdot 50}{2} = 1225 $$

(ii) $n = 2k$ ($1 \le k \le 49$)のとき

不等式は、

$$ 2k < m < k + 50 $$

$m$ は整数であるため、満たすべき範囲は、

$$ 2k+1 \le m \le k + 49 $$

これを満たす $m$ の個数は、$(k+49) - (2k+1) + 1 = 49 - k$ 個である。 この範囲の $k$ についての総和 $T_2$ は、

$$ T_2 = \sum_{k=1}^{49} (49-k) = \sum_{j=0}^{48} j = \frac{48 \cdot 49}{2} = 1176 $$

以上より、求める点の総数は、

$$ T_1 + T_2 = 1225 + 1176 = 2401 $$

解説

領域内の点 $(2^m, 2^n)$ の個数を数える問題ですが、対数(底 $2$)を考えることで、放物線と直線で囲まれた領域を、「直線で囲まれた領域内の格子点」を数える問題へと帰着させることができます。 格子点の数え上げでは、変数のどちらを固定して和をとるかで解法が分かれます。$m$ を固定する解法1は、立式された不等式の左辺 $2m-100$ が負になる場合と非負になる場合での場合分けが生じます。一方、$n$ を固定する解法2では、右辺の $\frac{n}{2} + 50$ が整数にならないことによる端数処理のため、偶奇による場合分けが生じます。 いずれの解法も自然な発想であり、場合分けの境界における不等号の等号の有無や、$n \ge 1$ などの隠れた条件を見落とさないように、丁寧に処理することが求められます。

答え

2401 個

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