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東北大学 1966年 文系 第1問 解説

数学A/場合の数数学2/指数対数数学1/方程式不等式
東北大学 1966年 文系 第1問 解説

方針・初手

正しい $\log 7$ の値を用いた場合の $7^{30}$ と $7^{60}$ のけた数をそれぞれ計算する。次に、誤った対数値を $a$ とおき、計算されたけた数が本来のけた数と $1$ だけ異なるという条件から、 $a$ の満たすべき値の範囲を不等式で表す。最後に、$0.8451$ と $1$ 箇所だけ数字が異なるという条件を当てはめて $a$ を特定する。

解法1

問題文の $\log 7$ は、底を $10$ とする常用対数 $\log_{10} 7$ を表すものとする。正しい値 $\log 7 = 0.8451$ を用いて $7^{30}$ のけた数を求めると、

$$\log 7^{30} = 30 \log 7 = 30 \times 0.8451 = 25.353$$

となり、 $25 \leqq \log 7^{30} < 26$ であるから、 $7^{30}$ は $26$ けたの数である。

同様に、 $7^{60}$ のけた数を求めると、

$$\log 7^{60} = 60 \log 7 = 60 \times 0.8451 = 50.706$$

となり、 $50 \leqq \log 7^{60} < 51$ であるから、 $7^{60}$ は $51$ けたの数である。

誤ってかいた $\log 7$ の値を $a$ とおく。 $a$ を用いて求めた $7^{30}$ のけた数は、本来の $26$ けたと $1$ だけ異なるため、 $25$ けた または $27$ けたである。 すなわち、

$$24 \leqq 30a < 25 \quad \text{または} \quad 26 \leqq 30a < 27$$

これを解くと、

$$\frac{24}{30} \leqq a < \frac{25}{30} \quad \text{または} \quad \frac{26}{30} \leqq a < \frac{27}{30}$$

$$0.8 \leqq a < 0.8333\dots \quad \text{または} \quad 0.8666\dots \leqq a < 0.9 \quad \cdots \text{①}$$

また、 $a$ を用いて求めた $7^{60}$ のけた数も、本来の $51$ けたと $1$ だけ異なるため、 $50$ けた または $52$ けたである。 すなわち、

$$49 \leqq 60a < 50 \quad \text{または} \quad 51 \leqq 60a < 52$$

これを解くと、

$$\frac{49}{60} \leqq a < \frac{50}{60} \quad \text{または} \quad \frac{51}{60} \leqq a < \frac{52}{60}$$

$$0.8166\dots \leqq a < 0.8333\dots \quad \text{または} \quad 0.85 \leqq a < 0.8666\dots \quad \cdots \text{②}$$

誤った値 $a$ は①と②を同時に満たさなければならない。①と②の共通範囲を求めると、

$$\frac{49}{60} \leqq a < \frac{25}{30}$$

すなわち、

$$0.8166\dots \leqq a < 0.8333\dots \quad \cdots \text{③}$$

となる。

ここで、 $a$ は $0.8451$ のうちの $1$ つの数字を誤ってかいたものである。 ③の範囲にあるためには、一の位や小数第 $1$ 位を誤ったとすると $a \geqq 0.9451$ や $a \leqq 0.7451$ となり不適である。 また、小数第 $3$ 位や第 $4$ 位を誤ったとすると、$0.8401 \leqq a \leqq 0.8491$ となり、これも③の範囲に含まれない。 したがって、誤った数字は小数第 $2$ 位である。 $a = 0.8x51$ ( $x$ は $0$ から $9$ の整数で、 $x \neq 4$)とおくと、 $0.8166\dots \leqq 0.8x51 < 0.8333\dots$ を満たす $x$ は $x = 2$ のみである。 ( $x = 1$ のとき $0.8151$ は範囲外であり、 $x = 3$ のとき $0.8351$ も範囲外である)

よって、求める誤ってかいた値は $0.8251$ である。

解説

常用対数を用いたけた数の決定という基本事項と、不等式の評価を組み合わせた論理的な思考力を問う問題である。 「けた数が $1$ 異なる」という条件を正しく不等式に翻訳できるかがポイントとなる。ある自然数 $N$ が $n$ けたの数であるための条件は、常用対数の値が $n-1$ 以上 $n$ 未満となることである。 求まった不等式の共通範囲から $a$ を絞り込み、「$1$ つの数字を誤った」という条件から最終的な値を決定する。

答え

$0.8251$

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