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数学1 方程式 問題 8 解説

数学1 方程式 問題 8 解説

方針・初手

連立1次方程式がただ1つの解をもつ条件について考える問題です。

未知数が $x, y$ の2元1次連立方程式 $$ \begin{cases} px + qy = r \\ sx + ty = u \end{cases} $$ がただ1つの解をもつための必要十分条件は、$x, y$ の係数から作られる行列式が $0$ でないこと、すなわち $pt - qs \neq 0$ となることです。これを知識として用いるか、あるいは実際に加減法を用いて $x$ または $y$ を消去する過程で係数が $0$ にならない条件を求めるかのいずれかでアプローチします。

解法1

(1) $a=4$ のとき、与えられた連立方程式は次のようになる。

$$ \begin{cases} 6x + 3y = 4 \quad \cdots ① \\ 7x + 4y = 3 \quad \cdots ② \end{cases} $$

①の両辺を4倍、②の両辺を3倍して辺々引くと $y$ を消去できる。

$$ \begin{aligned} 24x + 12y &= 16 \\ -) \quad 21x + 12y &= 9 \\ \hline 3x &= 7 \end{aligned} $$

よって、$x = \frac{7}{3}$ である。

これを①に代入して $y$ を求める。

$$ \begin{aligned} 6 \cdot \frac{7}{3} + 3y &= 4 \\ 14 + 3y &= 4 \\ 3y &= -10 \\ y &= -\frac{10}{3} \end{aligned} $$

(2) 与えられた連立方程式を再掲する。

$$ \begin{cases} (a+2)x + 3y = a \quad \cdots ③ \\ (2a-1)x + ay = 3 \quad \cdots ④ \end{cases} $$

③の両辺を $a$ 倍、④の両辺を $3$ 倍して辺々引くと $y$ を消去できる。

$$ \begin{aligned} a(a+2)x + 3ay &= a^2 \\ -) \quad 3(2a-1)x + 3ay &= 9 \\ \hline \{a(a+2) - 3(2a-1)\}x &= a^2 - 9 \end{aligned} $$

左辺の $x$ の係数を整理する。

$$ \begin{aligned} a^2 + 2a - 6a + 3 &= a^2 - 4a + 3 \\ &= (a-1)(a-3) \end{aligned} $$

したがって、$x$ についての方程式は次のようになる。

$$ (a-1)(a-3)x = a^2 - 9 \quad \cdots ⑤ $$

連立方程式がただ1つの解をもつためには、⑤がただ1つの解をもてばよく、それは $x$ の係数が $0$ でないことと同値である。

よって、$(a-1)(a-3) \neq 0$ すなわち $a \neq 1$ かつ $a \neq 3$ である。

問題文の形より、$a \neq 3$ かつ $a \neq 1$ であるから、ウに当てはまる数は $1$ である。

(3) (2)より、$a \neq 1$ かつ $a \neq 3$ であるから、⑤の両辺を $(a-1)(a-3)$ で割ることができる。右辺も因数分解して整理する。

$$ \begin{aligned} x &= \frac{a^2 - 9}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{(a+3)(a-3)}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{a+3}{a-1} \end{aligned} $$

求めた $x$ を③に代入して $y$ を求める。

$$ \begin{aligned} (a+2) \cdot \frac{a+3}{a-1} + 3y &= a \\ 3y &= a - \frac{(a+2)(a+3)}{a-1} \\ 3y &= \frac{a(a-1) - (a^2+5a+6)}{a-1} \\ 3y &= \frac{a^2-a-a^2-5a-6}{a-1} \\ 3y &= \frac{-6a-6}{a-1} \\ y &= \frac{-2(a+1)}{a-1} \end{aligned} $$

解法2

行列式とクラメルの公式を利用した解法を示す。

与えられた連立方程式について、係数行列の行列式 $D$ は次のようになる。

$$ \begin{aligned} D &= \begin{vmatrix} a+2 & 3 \\ 2a-1 & a \end{vmatrix} \\ &= (a+2)a - 3(2a-1) \\ &= a^2 - 4a + 3 \\ &= (a-1)(a-3) \end{aligned} $$

連立方程式がただ1つの解をもつための条件は $D \neq 0$ であるから、$(a-1)(a-3) \neq 0$ より $a \neq 1$ かつ $a \neq 3$ である。 したがって、ウは $1$ である。

このとき、クラメルの公式により $x, y$ は次のように求められる。

$$ \begin{aligned} x &= \frac{1}{D} \begin{vmatrix} a & 3 \\ 3 & a \end{vmatrix} \\ &= \frac{a^2 - 9}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{(a+3)(a-3)}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{a+3}{a-1} \end{aligned} $$

$$ \begin{aligned} y &= \frac{1}{D} \begin{vmatrix} a+2 & a \\ 2a-1 & 3 \end{vmatrix} \\ &= \frac{3(a+2) - a(2a-1)}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{-2a^2 + 4a + 6}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{-2(a^2 - 2a - 3)}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{-2(a+1)(a-3)}{(a-1)(a-3)} \\ &= \frac{-2(a+1)}{a-1} \end{aligned} $$

(1) は求めた式に $a=4$ を代入することで得られる。

$$ \begin{aligned} x &= \frac{4+3}{4-1} = \frac{7}{3} \\ y &= \frac{-2(4+1)}{4-1} = -\frac{10}{3} \end{aligned} $$

解説

連立方程式の解の存在に関する基本問題です。 文字定数を含む連立方程式を解く際、変数を消去した後の式(本問では $(a-1)(a-3)x = a^2-9$)において、直ちに両辺を文字式で割ってはいけません。割る式が $0$ になる場合とそうでない場合で場合分けを行うか、本問のように「ただ1つの解をもつ」という条件から割る式が $0$ でないことを確定させる必要があります。 解法2で示したクラメルの公式を知っていると、連立方程式の解の公式として直接的に計算を進められるため、見通しが良くなります。

答え

[ア] $\frac{7}{3}$ [イ] $-\frac{10}{3}$ [ウ] $1$ [エ] $\frac{a+3}{a-1}$ [オ] $\frac{-2(a+1)}{a-1}$ または $\frac{-2a-2}{a-1}$

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