数学1 因数分解 問題 6 解説

方針・初手
与えられた式は $x$ については2次式、$a$ と $b$ については1次式である。 複数の文字が含まれる多項式の因数分解では、以下の2つのアプローチが基本となる。
- 最も次数の低い文字について整理する この問題では $a$ または $b$ について整理することで、共通因数が見つけやすくなる。
- 特定の文字(ここでは $x$)についての2次式とみて、たすき掛けを用いる $x^2$ の係数や定数項を因数分解し、たすき掛けの形を作る。
どちらの方針でもスムーズに解くことができる。
解法1
最も次数の低い文字である $b$ について式を整理する。($a$ について整理しても同様に解ける)
与式を $b$ について整理すると、
$$ (a+b)x^2 - 2ax + a - b = b(x^2 - 1) + a(x^2 - 2x + 1) $$
それぞれの項を因数分解すると、
$$ b(x-1)(x+1) + a(x-1)^2 $$
共通因数 $(x-1)$ でくくると、
$$ \begin{aligned} (x-1) \{ b(x+1) + a(x-1) \} &= (x-1) (bx + b + ax - a) \\ &= (x-1) \{ (a+b)x - a + b \} \end{aligned} $$
解法2
与式を $x$ についての2次式とみて、たすき掛けを利用する。
$x^2$ の係数は $a+b$、定数項は $a-b$ である。 掛けて $a+b$ になる2つの式と、掛けて $a-b$ になる2つの式を組み合わせ、クロスして掛けた和が $x$ の係数 $-2a$ になるものを探す。
$x^2$ の係数 $a+b$ を $1$ と $a+b$ に分ける。 定数項 $a-b$ を $-1$ と $-(a-b)$ に分ける。
たすき掛けを行うと、以下のようになる。
$$ \begin{matrix} 1 & & -1 & \longrightarrow & -a-b \\ a+b & & -(a-b) & \longrightarrow & -a+b \\ \hline & & & & -2a \end{matrix} $$
和が $-2a$ となり、$x$ の係数と一致する。 したがって、次のように因数分解できる。
$$ \begin{aligned} (a+b)x^2 - 2ax + a - b &= (x - 1) \{ (a+b)x - (a-b) \} \\ &= (x-1) \{ (a+b)x - a + b \} \end{aligned} $$
解説
複数の文字を含む多項式の因数分解における鉄則「最も次数の低い文字について整理する」を用いる解法1が、最も確実で思考の負担が少ない方法である。特定の文字に注目して整理することで、隠れていた共通因数が明確に現れる。
一方で、解法2のように $x$ の2次式としてとらえ、たすき掛けを行う方法も有効である。係数が文字式になっているため最初は難しく感じるかもしれないが、定数項の $a-b$ をうまく分割して $-2a$ を作り出す組み合わせを見つけられれば、計算量は少なく済む。
答え
$$ (x-1) \{ (a+b)x - a + b \} $$
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