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大阪大学 2015年 理系 第3問 解説

数学1/数と式数学A/整数問題数学1/命題と集合テーマ/整数の証明
大阪大学 2015年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1)は平方根、立方根が無理数であることの証明である。有理数であると仮定し、互いに素な整数を用いて分数で表すことで矛盾を導く、背理法の定石を用いる。

(2)は、有理数と無理数の和が絡む命題である。与式を $r$ (有理数)とおき、方程式を整理する。$\sqrt{2}$ と $\sqrt[3]{3}$ が混在しているため、一方を分離して累乗し、無理数が片方だけになるように工夫する。(1)の結果を用いて背理法で示す。

解法1

(1)

$\sqrt{2}$ が有理数であると仮定する。 このとき、$\sqrt{2} > 0$ であるから、互いに素な自然数 $a, b$ を用いて、

$$ \sqrt{2} = \frac{a}{b} $$

と表すことができる。両辺を2乗して分母を払うと、

$$ 2b^2 = a^2 $$

となる。左辺は偶数であるから、右辺 $a^2$ も偶数であり、したがって $a$ も偶数である。 $a = 2k$ ($k$ は自然数)とおき、元の式に代入すると、

$$ 2b^2 = (2k)^2 = 4k^2 $$

両辺を2で割ると、

$$ b^2 = 2k^2 $$

となる。同様に右辺は偶数であるから $b^2$ も偶数となり、$b$ も偶数である。 これは $a, b$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt{2}$ は無理数である。

次に、$\sqrt[3]{3}$ が有理数であると仮定する。 このとき、$\sqrt[3]{3} > 0$ であるから、互いに素な自然数 $c, d$ を用いて、

$$ \sqrt[3]{3} = \frac{c}{d} $$

と表すことができる。両辺を3乗して分母を払うと、

$$ 3d^3 = c^3 $$

となる。左辺は3の倍数であるから、右辺 $c^3$ も3の倍数であり、素数3の性質から $c$ も3の倍数である。 $c = 3m$ ($m$ は自然数)とおき、元の式に代入すると、

$$ 3d^3 = (3m)^3 = 27m^3 $$

両辺を3で割ると、

$$ d^3 = 9m^3 = 3(3m^3) $$

となる。右辺は3の倍数であるから $d^3$ も3の倍数となり、したがって $d$ も3の倍数である。 これは $c, d$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt[3]{3}$ は無理数である。

(2)

$r = \sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q$ とおく。仮定より、$p, q, r$ はすべて有理数である。 この式を変形して、$\sqrt[3]{3}$ を分離すると、

$$ \sqrt[3]{3}q = r - \sqrt{2}p $$

となる。両辺を3乗すると、

$$ 3q^3 = r^3 - 3r^2(\sqrt{2}p) + 3r(\sqrt{2}p)^2 - (\sqrt{2}p)^3 $$

$$ 3q^3 = r^3 - 3\sqrt{2}pr^2 + 6p^2r - 2\sqrt{2}p^3 $$

有理数の項と無理数 $\sqrt{2}$ を含む項で整理すると、

$$ 3q^3 = (r^3 + 6p^2r) - \sqrt{2}p(3r^2 + 2p^2) $$

$$ \sqrt{2}p(3r^2 + 2p^2) = r^3 + 6p^2r - 3q^3 $$

ここで、$p \neq 0$ と仮定する。 $p$ は実数であるから $p^2 > 0$ であり、$r$ も実数であるから $r^2 \geqq 0$ である。 これより、$3r^2 + 2p^2 > 0$ となるため、$p(3r^2 + 2p^2) \neq 0$ である。 したがって、両辺を $p(3r^2 + 2p^2)$ で割ることができ、

$$ \sqrt{2} = \frac{r^3 + 6p^2r - 3q^3}{p(3r^2 + 2p^2)} $$

となる。$p, q, r$ は有理数であるから、右辺の分母と分子はともに有理数であり、右辺全体も有理数となる。 しかし、これは (1) で示した「$\sqrt{2}$ は無理数である」という事実に矛盾する。 したがって、$p = 0$ でなければならない。

$p = 0$ のとき、元の関係式 $r = \sqrt{2}p + \sqrt[3]{3}q$ に代入すると、

$$ r = \sqrt[3]{3}q $$

となる。ここで、$q \neq 0$ と仮定すると、両辺を $q$ で割ることができ、

$$ \sqrt[3]{3} = \frac{r}{q} $$

となる。$r, q$ は有理数であるから、右辺全体も有理数となる。 しかし、これも (1) で示した「$\sqrt[3]{3}$ は無理数である」という事実に矛盾する。 したがって、$q = 0$ でなければならない。

以上より、$p = q = 0$ であることが示された。

解説

有理数と無理数が混在した等式から係数の条件を導く、典型的な背理法の応用問題である。 (2) においては、$\sqrt{2}$ と $\sqrt[3]{3}$ のままでは処理が難しいため、片方を孤立させて累乗し、一方の無理数を消去する(あるいは一方のみにする)のがポイントである。 ここでは、3乗根である $\sqrt[3]{3}$ を孤立させて3乗することで、残る無理数を $\sqrt{2}$ のみに絞ることができる。 また、文字式で割り算を行う際に「割る数が $0$ でないこと」を明記する点に注意が必要である。本問では $p(3r^2 + 2p^2) \neq 0$ の確認が論理の要となっている。

答え

(1)

$\sqrt{2}$ と $\sqrt[3]{3}$ をそれぞれ既約分数で表せると仮定し、背理法により矛盾を導くことで無理数であることを示した。

(2)

与式を $r$ (有理数) とおき、$\sqrt[3]{3}q = r - \sqrt{2}p$ として両辺を3乗することで $\sqrt{2}$ に関する等式を導き、背理法を用いて $p = q = 0$ であることを示した。

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