数学2 線形計画法 問題 16 解説

方針・初手
$x,y,z$ の満たすべき条件式のうち、等式 $x+2y+z=1$ を用いて文字を消去する。 今回は $y$ のとり得る値の範囲を求めたいので、$y$ を定数とみなし、$x$ または $z$ のどちらかを消去して、残った文字が存在するような $y$ の条件に帰着させる。 あるいは、$y$ を固定したうえで、$xz$ 平面上での図形的な共有点条件として視覚的に捉える方法も有効である。
解法1
与えられた条件は以下の通りである。
$$0 \leqq x \leqq y \leqq z \leqq \frac{4}{5} \quad \cdots \text{①}$$
$$x + 2y + z = 1 \quad \cdots \text{②}$$
②より $z = 1 - x - 2y$ であるから、これを①のうち $z$ を含む部分 $y \leqq z \leqq \frac{4}{5}$ に代入する。
$$y \leqq 1 - x - 2y \leqq \frac{4}{5}$$
各辺に $2y - 1$ を加える。
$$3y - 1 \leqq -x \leqq 2y - \frac{1}{5}$$
各辺に $-1$ を掛けると、不等号の向きが反転する。
$$\frac{1}{5} - 2y \leqq x \leqq 1 - 3y \quad \cdots \text{③}$$
また、①より $x$ 自身の条件は以下の通りである。
$$0 \leqq x \leqq y \quad \cdots \text{④}$$
条件を満たす実数 $x, z$ が存在するためには、不等式③と④を同時に満たす実数 $x$ が存在すればよい。 すなわち、2つの区間 $\left[ \frac{1}{5} - 2y, 1 - 3y \right]$ と $[0, y]$ が共通部分を持つことが条件である。 この条件は、(一区間の下端) $\leqq$ (他区間の上端) が互いに成り立つことなので、以下の連立不等式で表される。
$$\begin{cases} \frac{1}{5} - 2y \leqq 1 - 3y \\ 0 \leqq y \\ \frac{1}{5} - 2y \leqq y \\ 0 \leqq 1 - 3y \end{cases}$$
それぞれの不等式を解く。
1つ目の式から:
$$y \leqq \frac{4}{5} \quad \cdots \text{⑤}$$
2つ目の式から:
$$y \geqq 0 \quad \cdots \text{⑥}$$
3つ目の式から:
$$3y \geqq \frac{1}{5} \iff y \geqq \frac{1}{15} \quad \cdots \text{⑦}$$
4つ目の式から:
$$3y \leqq 1 \iff y \leqq \frac{1}{3} \quad \cdots \text{⑧}$$
⑤, ⑥, ⑦, ⑧ の共通範囲を求めると、
$$\frac{1}{15} \leqq y \leqq \frac{1}{3}$$
したがって、$y$ の最小値は $\frac{1}{15}$、最大値は $\frac{1}{3}$ である。
解法2
$y$ を定数とみなして、$xz$ 平面における図形的な共有点の存在条件として考える。
条件①より、$y$ は $0 \leqq y \leqq \frac{4}{5}$ を満たす実数である。この定数 $y$ のもとで、$x, z$ は以下の不等式を満たす。
$$\begin{cases} 0 \leqq x \leqq y \\ y \leqq z \leqq \frac{4}{5} \end{cases}$$
これは $xz$ 平面において、4点 $(0, y), (y, y), \left(y, \frac{4}{5}\right), \left(0, \frac{4}{5}\right)$ を頂点とする長方形の周および内部を表す(これを領域 $D$ とする)。
一方で、条件②を変形すると以下の直線の方程式となる。
$$x + z = 1 - 2y$$
これを直線 $l$ とおく。 条件を満たす $x, z$ が存在するためには、直線 $l$ と領域 $D$ が共有点を持てばよい。 直線 $l$ は傾き $-1$、 $z$ 切片 $1-2y$ の直線である。
領域 $D$ 内の点 $(x, z)$ において、$x+z$ の値は、 点 $(0, y)$ を通るとき最小値 $y$ をとり、 点 $\left(y, \frac{4}{5}\right)$ を通るとき最大値 $y + \frac{4}{5}$ をとる。
したがって、直線 $l$ と領域 $D$ が共有点を持つための条件は、直線の表す値 $1-2y$ がこの最小値と最大値の間に収まることである。
$$y \leqq 1 - 2y \leqq y + \frac{4}{5}$$
左側の不等式 $y \leqq 1 - 2y$ より、
$$3y \leqq 1 \iff y \leqq \frac{1}{3}$$
右側の不等式 $1 - 2y \leqq y + \frac{4}{5}$ より、
$$3y \geqq \frac{1}{5} \iff y \geqq \frac{1}{15}$$
これらは前提である $0 \leqq y \leqq \frac{4}{5}$ を満たしている。 よって、$y$ のとり得る値の範囲は $\frac{1}{15} \leqq y \leqq \frac{1}{3}$ となる。
解説
複数の変数(本問では $x,y,z$)が絡む等式と不等式が与えられたときの定石は、「1文字固定」あるいは「変数の消去」である。 特定の文字のとり得る範囲を問われた場合は、その文字を定数扱いし、他の文字が存在するための条件(実数解条件や領域の共有点条件)に帰着させるのが基本となる。 解法1のように数式のみで処理する場合は、複数の区間が共通部分を持つ条件を漏れなく正確に立てられるかが問われる。解法2のように図示すると、直感的に最小・最大の状況が把握しやすく、計算ミスを防ぎやすい。
答え
最小値: $\frac{1}{15}$
最大値: $\frac{1}{3}$
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