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東北大学 2022年 理系 第4問 解説

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東北大学 2022年 理系 第4問 解説

方針・初手

直線 $y=mx$ と $x$ 軸がつくる角の内部で,この2直線に接する円の中心はその角の二等分線上にある。したがって,円 $C$ の中心を通る直線 $y=tx$ は,実はこの角の二等分線である。

また,半径 $r$ の円が $x$ 軸と $y=tx$ の両方に接するなら,その中心は $(r/t,\ r)$ と表せる。これを用いると,円 $C$ と半径 $b$ の円の接触条件を座標で処理できる。

解法1

円 $C$ の中心を $O=(x,\ a)$ とおく。$C$ は $x$ 軸に接するので,中心の $y$ 座標は $a$ である。

さらに,$O$ は直線 $y=mx$ にも接するから,点 $O$ と直線 $mx-y=0$ との距離は $a$ である。よって

$$ \frac{mx-a}{\sqrt{m^2+1}}=a $$

となる。これを解くと

$$ mx=a\bigl(\sqrt{m^2+1}+1\bigr) $$

$$ x=\frac{a\bigl(\sqrt{m^2+1}+1\bigr)}{m} $$

である。

一方,$O$ は直線 $y=tx$ 上にあるから

$$ a=tx $$

であり,これに上の $x$ を代入すると

$$ a=t\cdot \frac{a\bigl(\sqrt{m^2+1}+1\bigr)}{m} $$

より

$$ t=\frac{m}{\sqrt{m^2+1}+1} $$

したがって,有理化して

$$ t=\frac{\sqrt{m^2+1}-1}{m} $$

を得る。これが (1) の答えである。

次に,直線 $y=mx$,$x$ 軸,円 $C$ のすべてに接する半径 $b$ の円の中心を $O'$ とする。この円も $x$ 軸と $y=mx$ の両方に接するので,その中心も二等分線 $y=tx$ 上にある。したがって

$$ O'=\left(\frac{b}{t},\ b\right) $$

である。

よって,$O$ と $O'$ の距離は

$$ OO'=\sqrt{\left(\frac{b-a}{t}\right)^2+(b-a)^2} =(b-a)\frac{\sqrt{1+t^2}}{t} $$

となる。

2つの円は外接するので,中心間距離は半径の和に等しい。したがって

$$ (b-a)\frac{\sqrt{1+t^2}}{t}=a+b $$

である。ここで

$$ r=\frac{b}{a} $$

とおくと

$$ (r-1)\frac{\sqrt{1+t^2}}{t}=r+1 $$

となるから,

$$ (r-1)\sqrt{1+t^2}=t(r+1) $$

$$ r\bigl(\sqrt{1+t^2}-t\bigr)=\sqrt{1+t^2}+t $$

よって

$$ r=\frac{\sqrt{1+t^2}+t}{\sqrt{1+t^2}-t} $$

すなわち

$$ \frac{b}{a}=\frac{\sqrt{1+t^2}+t}{\sqrt{1+t^2}-t} $$

である。これが (2) の答えである。

最後に (3) を求める。

上式より

$$ \frac{b}{a}-1 ============= # \frac{\sqrt{1+t^2}+t}{\sqrt{1+t^2}-t}-1 \frac{2t}{\sqrt{1+t^2}-t} $$

であるから,

$$ \frac{1}{m}\left(\frac{b}{a}-1\right) ===================================== \frac{2}{m}\cdot \frac{t}{\sqrt{1+t^2}-t} $$

となる。

ここで (1) より

$$ \frac{t}{m}=\frac{1}{\sqrt{m^2+1}+1} $$

であるから,$m\to +0$ のとき

$$ t\to 0,\qquad \frac{t}{m}\to \frac12 $$

である。したがって

$$ \lim_{m\to +0}\frac{1}{m}\left(\frac{b}{a}-1\right) =================================================== 2\cdot \frac12 \cdot \frac{1}{1} =1 $$

となる。

解説

この問題の本質は,2直線に接する円の中心が角の二等分線上に並ぶことである。したがって,まず円 $C$ の中心を座標で表し,そこから二等分線の傾き $t$ を求めるのが自然な初手である。

その後は,半径 $a$ と半径 $b$ の円の中心が同一直線 $y=tx$ 上にあることを使えば,中心間距離が簡単に書ける。円同士の接触条件を「中心間距離 = 半径の和」に直せば,$\dfrac{b}{a}$ が求まる。

極限では,$m\to 0$ に対して $t\to 0$ かつ $t\sim \dfrac{m}{2}$ を見抜けると計算が整理しやすい。

答え

$$ \text{(1)}\quad t=\frac{m}{\sqrt{m^2+1}+1} =\frac{\sqrt{m^2+1}-1}{m} $$

$$ \text{(2)}\quad \frac{b}{a} =========== \frac{\sqrt{1+t^2}+t}{\sqrt{1+t^2}-t} $$

$$ \text{(3)}\quad \lim_{m\to +0}\frac{1}{m}\left(\frac{b}{a}-1\right)=1 $$

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