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数学2 線形計画法 問題 15 解説

数学2 線形計画法 問題 15 解説

方針・初手

指数関数の底が $4, 2$ および $9, 3$ であることに着目し、$X = 2^x$, $Y = 3^y$ と置き換える。実数 $x, y$ の条件から $X > 0, Y > 0$ となることに注意し、$X + Y$ のとりうる値の範囲を座標平面上の領域と直線の共有点条件(線形計画法)に帰着させて解く。

解法1

$2^x = X$, $3^y = Y$ とおく。$x, y$ は実数であるから、$X > 0$, $Y > 0$ である。

与えられた不等式は、

$$X^2 - 4X + Y^2 - 2Y \leqq -1$$

と変形できる。これを平方完成すると、

$$(X - 2)^2 + (Y - 1)^2 \leqq 4$$

となる。これは $XY$ 平面において、中心が $(2, 1)$、半径が $2$ の円の周および内部を表す。

求める値 $2^x + 3^y$ は $X + Y$ である。

$X + Y = k$ とおくと、$Y = -X + k$ となり、これは傾き $-1$、 $Y$ 切片 $k$ の直線 $l$ を表す。 直線 $l$ が、領域 $D: (X - 2)^2 + (Y - 1)^2 \leqq 4$ かつ $X > 0, Y > 0$ と共有点をもつような $k$ の範囲を求める。

まず、$X, Y$ の符号の条件を外して、直線 $l$ が円 $(X - 2)^2 + (Y - 1)^2 \leqq 4$ と共有点をもつ条件を考える。 円の中心 $(2, 1)$ と直線 $X + Y - k = 0$ の距離が半径 $2$ 以下であればよいので、点と直線の距離の公式より、

$$\frac{|2 + 1 - k|}{\sqrt{1^2 + 1^2}} \leqq 2$$

$$|3 - k| \leqq 2\sqrt{2}$$

$$3 - 2\sqrt{2} \leqq k \leqq 3 + 2\sqrt{2}$$

このとき、$k$ の最大値の候補は $3 + 2\sqrt{2}$ である。 直線が円に接し、 $k = 3 + 2\sqrt{2}$ となる接点の座標を求める。 円の中心 $(2, 1)$ を通り、直線 $l$ に垂直な直線は $Y - 1 = 1 \cdot (X - 2)$ より $Y = X - 1$ である。 これを $X + Y = 3 + 2\sqrt{2}$ に代入して、

$$X + (X - 1) = 3 + 2\sqrt{2}$$

$$2X = 4 + 2\sqrt{2}$$

$$X = 2 + \sqrt{2}$$

このとき $Y = 1 + \sqrt{2}$ となる。 接点 $(2 + \sqrt{2}, 1 + \sqrt{2})$ は $X > 0, Y > 0$ を満たし領域 $D$ に含まれるため、$k$ の最大値は $3 + 2\sqrt{2}$ である。

次に、$k$ の下限について考える。 $k = 3 - 2\sqrt{2}$ となる接点の座標は同様にして $(2 - \sqrt{2}, 1 - \sqrt{2})$ となるが、$1 - \sqrt{2} < 0$ より $Y > 0$ を満たさず、領域 $D$ には含まれない。 そこで、円 $(X - 2)^2 + (Y - 1)^2 \leqq 4$ と座標軸の位置関係を調べる。

円の方程式に $X = 0$ を代入すると、

$$(-2)^2 + (Y - 1)^2 = 4 \implies (Y - 1)^2 = 0 \implies Y = 1$$

となり、円は $Y$ 軸と点 $(0, 1)$ で接している。

また、円の方程式に $Y = 0$ を代入すると、

$$(X - 2)^2 + (-1)^2 = 4 \implies (X - 2)^2 = 3 \implies X = 2 \pm \sqrt{3}$$

となり、円は $X$ 軸と点 $(2 - \sqrt{3}, 0), (2 + \sqrt{3}, 0)$ で交わる。

円の中心の $X$ 座標が $2$ で半径が $2$ であることから、円全体は $X \geqq 0$ の範囲にある。 したがって、円の内部および周のうち $Y \geqq 0$ を満たす部分は、上側の円弧と $X$ 軸上の線分 $2 - \sqrt{3} \leqq X \leqq 2 + \sqrt{3}$ で囲まれた領域となる。

直線 $X + Y = k$ を $k$ が小さい方から平行移動していくとき、この領域と最初に共有点をもつのは、直線が点 $(2 - \sqrt{3}, 0)$ を通るときである。 (点 $(0, 1)$ を通るときは $k = 1$ であり、$1 > 2 - \sqrt{3}$ であるため、これより前に点 $(2 - \sqrt{3}, 0)$ を通る)

このとき $k = 2 - \sqrt{3}$ となる。 領域 $D$ の条件は $X > 0, Y > 0$ であるため、点 $(2 - \sqrt{3}, 0)$ 自体は領域 $D$ に含まれない。しかし、この点の近傍にある円の内部の点は領域 $D$ に含まれるため、$k$ の値は $2 - \sqrt{3}$ より大きく、かつ $2 - \sqrt{3}$ にいくらでも近づくことができる。 よって、$k$ の下限は $2 - \sqrt{3}$ であり、等号は含まれない。

以上より、求める範囲は

$$2 - \sqrt{3} < 2^x + 3^y \leqq 3 + 2\sqrt{2}$$

解説

線形計画法の典型的な問題であるが、変数変換に伴う定義域の条件($X > 0, Y > 0$)を正確に処理できるかが問われている。 円と直線の位置関係を考える際、単純に接する条件だけで最大・最小を決めてしまうと、接点が定義域外にある場合に誤答となる。領域の境界と直線の関係を図形的に捉え、交点や接点の座標を具体的に求めて確認することが重要である。特に本問では、最小値の候補となる境界点が含まれない(開境界である)ため、不等号に等号がつくかどうかの判定に注意が必要である。

答え

$2 - \sqrt{3} < 2^x + 3^y \leqq 3 + 2\sqrt{2}$

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