数学2 軌跡 問題 7 解説

方針・初手
与えられた2直線の方程式を連立させ、交点の座標 $(x,y)$ を媒介変数 $t$ を用いて表すのが第一歩である。
軌跡の方程式を求めるには、得られた $x, y$ の関係式から $t$ を消去すればよい。また、2直線の式を $t$ について整理することで、「定点を通る直線群」としての性質を見抜く図形的なアプローチも非常に有効である。
解法1
与えられた2直線の方程式は以下の通りである。
$$tx - y = t \quad \cdots \text{(1)}$$
$$x + ty = -2t - 1 \quad \cdots \text{(2)}$$
(1)より $y = t(x-1)$ と変形し、これを(2)に代入する。
$$x + t^2(x-1) = -2t - 1$$
$x$ について整理する。
$$(t^2+1)x = t^2 - 2t - 1$$
$t$ は実数であるから常に $t^2+1 \neq 0$ であり、両辺を $t^2+1$ で割ることができる。
$$x = \frac{t^2 - 2t - 1}{t^2 + 1}$$
これを $y = t(x-1)$ に代入して $y$ 座標を求める。
$$y = t \left( \frac{t^2 - 2t - 1}{t^2 + 1} - 1 \right)$$
$$y = t \left( \frac{t^2 - 2t - 1 - (t^2 + 1)}{t^2 + 1} \right)$$
$$y = \frac{-2t^2 - 2t}{t^2 + 1}$$
これが交点Pの $y$ 座標である。
次に軌跡の方程式を求めるため、(1)、(2)から $t$ を消去する。 (1)より $t(x-1) = y$ であるから、$x \neq 1$ のとき $t = \frac{y}{x-1}$ となる。 これを(2)を変形した $x+1 + t(y+2) = 0$ に代入する。
$$x+1 + \frac{y}{x-1}(y+2) = 0$$
両辺に $x-1$ を掛けて整理する。
$$(x+1)(x-1) + y(y+2) = 0$$
$$x^2 - 1 + y^2 + 2y = 0$$
$$x^2 + (y+1)^2 = 2$$
ここで $x=1$ のときの吟味を行う。 $x=1$ のとき、交点の $x$ 座標の式から以下のようになる。
$$1 = \frac{t^2 - 2t - 1}{t^2 + 1}$$
$$t^2 + 1 = t^2 - 2t - 1$$
$$2t = -2$$
$$t = -1$$
$t = -1$ のとき、(1)より $y = 0$ となる。すなわち、点 $(1, 0)$ は軌跡上に存在する。 一方で、求めた円 $x^2 + (y+1)^2 = 2$ 上で $x=1$ となるのは以下の2点である。
$$1^2 + (y+1)^2 = 2$$
$$(y+1)^2 = 1$$
$$y = 0, -2$$
このうち $(1, 0)$ は $t=-1$ のときの交点として表せるが、$(1, -2)$ は実数 $t$ がいかなる値をとっても交点として現れない($t \to \pm\infty$ のときの極限となる)。 したがって、点Pが描く図形は、円 $x^2 + (y+1)^2 = 2$ から点 $(1, -2)$ を除いたものである。
また、円 $x^2 + (y+1)^2 = 2$ の中心は $(0, -1)$、半径は $\sqrt{2}$ である。 除かれる点 $(1, -2)$ は円の $x$ 座標が最大となる点ではないため、円全体の $x$ 座標の最大値を考えればよい。 $x$ の最大値は、中心の $x$ 座標に半径を足した値であるから $\sqrt{2}$ となる。
解法2
2直線の方程式を $t$ について整理する。
$$t(x-1) - y = 0 \quad \cdots \text{(1)}$$
$$(x+1) + t(y+2) = 0 \quad \cdots \text{(2)}$$
(1)は $t$ の値によらず定点 $A(1, 0)$ を通る直線群である。ただし、$y$ 軸に平行な直線 $x=1$ を表すことはできない。 (2)は $t$ の値によらず定点 $B(-1, -2)$ を通る直線群である。ただし、$x$ 軸に平行な直線 $y=-2$ を表すことはできない。
(1)の直線の法線ベクトルを $\vec{n_1}$、(2)の直線の法線ベクトルを $\vec{n_2}$ とすると、以下のようになる。
$$\vec{n_1} = (t, -1)$$
$$\vec{n_2} = (1, t)$$
これらの内積を計算する。
$$\vec{n_1} \cdot \vec{n_2} = t \cdot 1 + (-1) \cdot t = 0$$
内積が0であるから、この2直線は $t$ の値によらず常に直交する。 したがって、その交点Pは、線分ABを直径とする円周上を描く。
円の中心は線分ABの中点であるから、以下のようになる。
$$\left( \frac{1+(-1)}{2}, \frac{0+(-2)}{2} \right) = (0, -1)$$
円の半径は線分ABの長さの半分である。
$$\frac{1}{2} \sqrt{(-1-1)^2 + (-2-0)^2} = \frac{1}{2} \sqrt{4+4} = \sqrt{2}$$
よって、求める円の方程式は以下の通りである。
$$x^2 + (y+1)^2 = 2$$
次に除かれる点を考える。 (1)が表せない直線 $x=1$ と、(2)が表せない直線 $y=-2$ の交点は $(1, -2)$ である。 この点は両方の直線が同時に存在しない状態でのみ発生する仮想的な交点であり、円周上にあるが実数 $t$ では到達できない。 よって、除かれる点は $(1, -2)$ である。
$x$ 座標の最大値は、中心 $(0, -1)$ から $x$ 軸の正の向きに半径 $\sqrt{2}$ 進んだ点の $x$ 座標であるから $\sqrt{2}$ となる。
解説
「直交する2直線の交点の軌跡」は大学入試で頻出のテーマである。代数的に $t$ を消去して軌跡を求める解法1のアプローチと、定点と直交条件から図形的に円を導く解法2のアプローチの双方が重要である。
特に図形的な解法は計算量が少なく、時間を大幅に節約できる。また、軌跡から除かれる点は「それぞれの直線群が表すことができない直線の交点」として容易に見抜くことができるため、実戦では解法2の方針を第一に検討したい。
答え
[ア] $\frac{-2t^2-2t}{t^2+1}$
[イ] $x^2+(y+1)^2=2$
[ウ] $(1, -2)$
[エ] $\sqrt{2}$
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