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数学2 軌跡 問題 8 解説

数学2 軌跡 問題 8 解説

方針・初手

点 $\text{Q}$ の座標を点 $\text{P}$ の座標で表す、あるいはその逆を考える。条件より $\overrightarrow{\text{OQ}}$ は $\overrightarrow{\text{OP}}$ と同じ向きであり、長さの積が $4$ であることから、$\overrightarrow{\text{OP}}$ を用いて $\overrightarrow{\text{OQ}}$ を表すことができる。軌跡を求めるには、動点 $\text{Q}$ の座標を $(X,Y)$ として点 $\text{P}$ の座標 $(x,y)$ を $X, Y$ を用いて表し、$\text{P}$ の満たす方程式に代入するのが定石である。また、極座標を用いると、動径の長さの関係式として非常に簡潔に扱うことができるため、別解として有用である。

解法1

$\text{P}(x, y)$、$\text{Q}(X, Y)$ とおく。 条件 (b) より、点 $\text{Q}$ は半直線 $\text{OP}$ 上にあるため、正の実数 $k$ を用いて、

$$\overrightarrow{\text{OQ}} = k \overrightarrow{\text{OP}}$$

と表せる。すなわち、$(X, Y) = (kx, ky)$ である。 条件 (a) より、$\text{OP} \cdot \text{OQ} = 4$ であるから、

$$|\overrightarrow{\text{OP}}| |k\overrightarrow{\text{OP}}| = 4$$

$$k |\overrightarrow{\text{OP}}|^2 = 4$$

ここで、$\text{P}$ は $\text{O}$ と異なる点であるから、$\text{OP} \neq 0$ であり、$|\overrightarrow{\text{OP}}|^2 = x^2 + y^2 > 0$ である。 よって、$k = \frac{4}{x^2 + y^2}$ となる。 ゆえに、$\overrightarrow{\text{OQ}} = \frac{4}{x^2 + y^2} \overrightarrow{\text{OP}}$ であり、同様に $\overrightarrow{\text{OP}} = \frac{4}{X^2 + Y^2} \overrightarrow{\text{OQ}}$ が成り立つ。 成分で表すと、

$$x = \frac{4X}{X^2 + Y^2}, \quad y = \frac{4Y}{X^2 + Y^2} \quad \cdots \text{①}$$

となる。

(1)

点 $\text{P}$ は直線 $x = 1$ 上を動くので、$x = 1$ に①を代入して、

$$\frac{4X}{X^2 + Y^2} = 1$$

$$X^2 + Y^2 - 4X = 0$$

$$(X - 2)^2 + Y^2 = 4$$

また、点 $\text{P}$ は直線 $x = 1$ 上のすべての点を動くため、$x = 1 \neq 0$ より $X \neq 0$ である。 したがって、点 $\text{Q}$ の軌跡は、円 $(x - 2)^2 + y^2 = 4$ から原点 $(0, 0)$ を除いた図形である。

(2)

点 $\text{P}$ は円 $(x - a)^2 + y^2 = r^2$ 上を動く。 これを展開して整理すると、

$$x^2 + y^2 - 2ax + a^2 - r^2 = 0 \quad \cdots \text{②}$$

ここで、$a > r > 0$ であるから、$a^2 - r^2 > 0$ であり、原点 $\text{O}(0, 0)$ はこの円上にない。 よって、点 $\text{P}$ は $\text{O}$ と一致せず、$X^2 + Y^2 > 0$ である。 ①より $x^2 + y^2 = \frac{16X^2 + 16Y^2}{(X^2 + Y^2)^2} = \frac{16}{X^2 + Y^2}$ であるから、これを②に代入して、

$$\frac{16}{X^2 + Y^2} - 2a \left( \frac{4X}{X^2 + Y^2} \right) + a^2 - r^2 = 0$$

両辺に $X^2 + Y^2$ を掛けて、

$$16 - 8aX + (a^2 - r^2)(X^2 + Y^2) = 0$$

$a^2 - r^2 > 0$ より、両辺を $a^2 - r^2$ で割ると、

$$X^2 + Y^2 - \frac{8a}{a^2 - r^2} X + \frac{16}{a^2 - r^2} = 0$$

平方完成して、

$$\left( X - \frac{4a}{a^2 - r^2} \right)^2 - \frac{16a^2}{(a^2 - r^2)^2} + Y^2 + \frac{16(a^2 - r^2)}{(a^2 - r^2)^2} = 0$$

$$\left( X - \frac{4a}{a^2 - r^2} \right)^2 + Y^2 = \frac{16r^2}{(a^2 - r^2)^2}$$

$a > r > 0$ より $a^2 - r^2 > 0$、$r > 0$ であるから、右辺は $\left( \frac{4r}{a^2 - r^2} \right)^2$ となる。 したがって、点 $\text{Q}$ の軌跡は円であり、その中心の座標は $\left( \frac{4a}{a^2 - r^2}, 0 \right)$、半径は $\frac{4r}{a^2 - r^2}$ であることが示された。

解法2

極座標を用いて解答する。 点 $\text{P}$、点 $\text{Q}$ の極座標をそれぞれ $(r_1, \theta)$、$(r_2, \theta)$ とおく。 条件 (b) より、$\text{Q}$ は $\text{O}$ に関して $\text{P}$ と同じ側にあるため、偏角 $\theta$ は等しいとしてよい。 条件 (a) より、$r_1 r_2 = 4$ であるから、

$$r_1 = \frac{4}{r_2} \quad (r_2 > 0) \quad \cdots \text{③}$$

が成り立つ。

(1)

点 $\text{P}$ は直線 $x = 1$ 上にあるので、その極方程式は

$$r_1 \cos \theta = 1 \quad \cdots \text{④}$$

③を④に代入して、

$$\frac{4}{r_2} \cos \theta = 1$$

$$r_2 = 4 \cos \theta$$

両辺に $r_2$ を掛けると、

$$r_2^2 = 4 r_2 \cos \theta$$

直交座標 $(X, Y)$ に戻すと、$X = r_2 \cos \theta$、$X^2 + Y^2 = r_2^2$ より、

$$X^2 + Y^2 = 4X$$

$$(X - 2)^2 + Y^2 = 4$$

ここで、④より $r_1 > 0$ かつ $r_1 \cos \theta = 1$ であるから、$\cos \theta > 0$。 よって $r_2 = 4 \cos \theta > 0$ となり、原点 $(r_2 = 0)$ は除かれる。 したがって、求める軌跡は円 $(x - 2)^2 + y^2 = 4$ (ただし、原点を除く)である。

(2)

点 $\text{P}$ は円 $(x - a)^2 + y^2 = r^2$ 上にある。この円の方程式を展開すると、

$$x^2 + y^2 - 2ax + a^2 - r^2 = 0$$

極座標で表すと、$x^2 + y^2 = r_1^2$、$x = r_1 \cos \theta$ であるから、

$$r_1^2 - 2a r_1 \cos \theta + a^2 - r^2 = 0 \quad \cdots \text{⑤}$$

これに③を代入して、

$$\frac{16}{r_2^2} - \frac{8a}{r_2} \cos \theta + a^2 - r^2 = 0$$

両辺に $r_2^2$ を掛けて、

$$(a^2 - r^2) r_2^2 - 8a r_2 \cos \theta + 16 = 0$$

$a > r > 0$ より $a^2 - r^2 > 0$ であるから、両辺を $a^2 - r^2$ で割って、

$$r_2^2 - \frac{8a}{a^2 - r^2} r_2 \cos \theta + \frac{16}{a^2 - r^2} = 0$$

直交座標に戻すと、$r_2^2 = X^2 + Y^2$、$r_2 \cos \theta = X$ より、

$$X^2 + Y^2 - \frac{8a}{a^2 - r^2} X + \frac{16}{a^2 - r^2} = 0$$

これを平方完成すると、

$$\left( X - \frac{4a}{a^2 - r^2} \right)^2 + Y^2 = \frac{16r^2}{(a^2 - r^2)^2}$$

ゆえに、点 $\text{Q}$ の軌跡は円であり、その中心の座標は $\left( \frac{4a}{a^2 - r^2}, 0 \right)$、半径は $\frac{4r}{a^2 - r^2}$ である。

解説

本問は「反転(インバージョン)」と呼ばれる図形変換をテーマにした典型的な問題である。反転変換 $\text{OP} \cdot \text{OQ} = k$ においては、原点を通らない直線は原点を通る円に、原点を通らない円は原点を通らない円に変換される性質がある。本問の (1) は直線から円への変換、(2) は円から円への変換をそれぞれ具体的に確認する内容となっている。 軌跡の問題の定石通り、$\text{Q}(X, Y)$ として $\text{P}(x, y)$ を $X, Y$ で表し、$\text{P}$ の条件式に代入する手法(解法1)が最も確実である。一方で、反転のように「原点からの距離」と「偏角」のみで規定される変換は、極座標(解法2)と非常に相性が良く、計算量が大幅に軽減されるため、別解として身につけておきたい。

答え

(1) 点 $\text{Q}$ の軌跡は、円 $(x - 2)^2 + y^2 = 4$(ただし、原点 $(0, 0)$ を除く)。

図示する際は、中心 $(2, 0)$、半径 $2$ の円を描き、原点を白丸でくり抜く。

(2) 中心の座標:$\left( \frac{4a}{a^2 - r^2}, 0 \right)$

半径:$\frac{4r}{a^2 - r^2}$

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