数学2 軌跡 問題 9 解説

方針・初手
円の中心 $\text{P}$ が満たすべき条件を数式に翻訳する。
円が $2$ 点 $\text{A}, \text{B}$ を通ることから、中心 $\text{P}$ は線分 $\text{AB}$ の垂直二等分線上にある。この直線上にある点 $\text{P}$ を媒介変数を用いて表す。
さらに、円が直線 $y = \frac{1}{2}x$ と共有点をもつための条件は、「中心 $\text{P}$ と直線の距離 $d$」と「円の半径 $r$」の間に $d \le r$ が成り立つことである。これを解くことで $\text{P}$ の座標の範囲(軌跡)が求まり、同時に半径 $r$ の最小値も二次関数の最小値問題として帰着できる。
解法1
円が $2$ 点 $\text{A}(-1, 4), \text{B}(2, 5)$ を通るため、円の中心 $\text{P}$ は線分 $\text{AB}$ の垂直二等分線上にある。
線分 $\text{AB}$ の中点の座標は、
$$\left( \frac{-1+2}{2}, \frac{4+5}{2} \right) = \left( \frac{1}{2}, \frac{9}{2} \right)$$
である。
また、直線 $\text{AB}$ の傾きは、
$$\frac{5-4}{2-(-1)} = \frac{1}{3}$$
であるから、垂直二等分線の傾きは $-3$ となる。
したがって、垂直二等分線の方程式は、
$$y - \frac{9}{2} = -3 \left( x - \frac{1}{2} \right)$$
すなわち、
$$y = -3x + 6$$
となる。
中心 $\text{P}$ はこの直線上にあるため、$\text{P}$ の $x$ 座標を $t$ とおくと、$\text{P}$ の座標は $(t, -3t+6)$ と表せる。
このとき、円の半径を $r$ とすると、$r = \text{PA}$ であるから、
$$\begin{aligned} r^2 &= (t - (-1))^2 + (-3t + 6 - 4)^2 \\ &= (t + 1)^2 + (-3t + 2)^2 \\ &= (t^2 + 2t + 1) + (9t^2 - 12t + 4) \\ &= 10t^2 - 10t + 5 \end{aligned}$$
となる。
次に、この円が直線 $l: y = \frac{1}{2}x$、すなわち $x - 2y = 0$ と共有点をもつ条件を考える。
これは、中心 $\text{P}(t, -3t+6)$ と直線 $l$ の距離 $d$ が、円の半径 $r$ 以下となること($d \le r$)と同値である。
点と直線の距離の公式より、
$$d = \frac{|t - 2(-3t + 6)|}{\sqrt{1^2 + (-2)^2}} = \frac{|7t - 12|}{\sqrt{5}}$$
$d \le r$ の両辺はともに正または $0$ であるから、$d^2 \le r^2$ としてよい。
$$\frac{(7t - 12)^2}{5} \le 10t^2 - 10t + 5$$
両辺に $5$ を掛けて展開すると、
$$49t^2 - 168t + 144 \le 50t^2 - 50t + 25$$
整理して、
$$t^2 + 118t - 119 \ge 0$$
これを因数分解すると、
$$(t - 1)(t + 119) \ge 0$$
したがって、$t$ の満たす範囲は、
$$t \le -119, \quad 1 \le t$$
(1)
中心 $\text{P}$ の軌跡は、直線 $y = -3x + 6$ のうち、$x$ 座標が上の不等式を満たす部分である。
よって、軌跡は 直線 $y = -3x + 6 \quad (x \le -119, \quad 1 \le x)$ となる。
(2)
円の半径 $r$ について、
$$r^2 = 10t^2 - 10t + 5 = 10 \left( t - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{5}{2}$$
と平方完成できる。
$r^2$ は $t$ の二次関数であり、そのグラフは軸が $t = \frac{1}{2}$ で下に凸の放物線である。
定義域 $t \le -119, \quad 1 \le t$ において、軸 $t = \frac{1}{2}$ に最も近いのは $t = 1$ のときである。
したがって、$r^2$ は $t = 1$ のとき最小となる。
このとき、最小値は、
$$r^2 = 10(1)^2 - 10(1) + 5 = 5$$
$r > 0$ であるから、$r = \sqrt{5}$ となる。
解説
「円が $2$ 点を通る」という条件から、円の中心が線分 $\text{AB}$ の垂直二等分線上にあることを導くのが第一歩である。ここで中心の座標を $1$ つの文字 $t$ で表すことで、条件を $t$ の不等式に帰着させることができる。
「円と直線が共有点をもつ」という条件は、代数的に円の方程式と直線の方程式を連立し、二次方程式の判別式 $D \ge 0$ としても処理できるが、図形的に「中心と直線の距離 $d$ が半径 $r$ 以下」と考える方が計算量が少なく済む。
最後は定義域の制限された二次関数の最大・最小問題となる。点と直線の距離から生じた不等式を正しく解き、定義域を求められていれば難なく解けるはずである。
答え
(1)
直線 $y = -3x + 6 \quad (x \le -119, \quad 1 \le x)$
(2)
$\sqrt{5}$
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