トップ 基礎問題 数学2 図形と式 軌跡 問題 11

数学2 軌跡 問題 11 解説

数学2 軌跡 問題 11 解説

方針・初手

(1)は、3点が一直線上にあるという条件を数式に翻訳する。異なる2点を通る直線の方程式を求め、残りの1点がその直線上にあると考えるのが平易である。 (2)は、中点 $\mathrm{M}$ の座標 $u, v$ を $s, t$ の基本対称式である和 $s+t$ と積 $st$ を用いて表し、(1)の条件式を用いて $u, v$ だけの関係式を導出する。 (3)は、(2)で求めた $v$ の2次関数の最小値を求める問題に帰着する。ただし、$s, t$ が $s < t$ を満たす実数として存在するための条件から、$u$ の定義域(とりうる値の範囲)を事前に確認する必要がある。

解法1

(1) $\mathrm{B}(s, s^2)$, $\mathrm{C}(t, t^2)$ であり、$s < t$ より $s \neq t$ であるから、直線 $\mathrm{BC}$ の方程式は、

$$y - s^2 = \frac{t^2 - s^2}{t - s}(x - s)$$

$$y = (s + t)(x - s) + s^2$$

$$y = (s + t)x - st$$

となる。 3点 $\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}$ が一直線上にあるとき、点 $\mathrm{A}(1, 2)$ は直線 $\mathrm{BC}$ 上にあるので、座標を代入して、

$$2 = (s + t) \cdot 1 - st$$

$$s + t - st = 2$$

これが求める関係式である。

(2) 線分 $\mathrm{BC}$ の中点 $\mathrm{M}(u, v)$ の座標は、

$$u = \frac{s + t}{2}, \quad v = \frac{s^2 + t^2}{2}$$

である。第1式より、

$$s + t = 2u$$

これを(1)で求めた関係式 $s + t - st = 2$ に代入すると、

$$2u - st = 2 \iff st = 2u - 2$$

となる。 ここで、$v$ を基本対称式 $s+t, st$ で表すと、

$$v = \frac{(s + t)^2 - 2st}{2}$$

となるので、これに $s+t = 2u$ および $st = 2u - 2$ を代入して、

$$v = \frac{(2u)^2 - 2(2u - 2)}{2} = \frac{4u^2 - 4u + 4}{2} = 2u^2 - 2u + 2$$

これが $u$ と $v$ の間の関係式である。

(3) $s, t$ は、変数 $X$ についての2次方程式

$$X^2 - (s + t)X + st = 0$$

すなわち、

$$X^2 - 2uX + 2u - 2 = 0$$

の2つの解である。 条件より $s, t$ は $s < t$ を満たす異なる2つの実数であるため、この2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。 その判別式を $D$ とすると、$D > 0$ が成り立つので、

$$\frac{D}{4} = u^2 - (2u - 2) = u^2 - 2u + 2 > 0$$

ここで、$u^2 - 2u + 2 = (u - 1)^2 + 1$ であり、すべての実数 $u$ について $(u - 1)^2 + 1 > 0$ が成り立つ。 よって、$u$ のとりうる値の範囲はすべての実数である。

(2)より、

$$v = 2u^2 - 2u + 2 = 2\left(u - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{3}{2}$$

であるから、$u$ がすべての実数値をとって変化するとき、$v$ は $u = \frac{1}{2}$ のとき、最小値 $\frac{3}{2}$ をとる。 このとき、2次方程式は $X^2 - X - 1 = 0$ となり、これを解くと、

$$X = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4 \cdot (-1)}}{2} = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}$$

$s < t$ であるから、$s = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}, t = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$ となる。

解法2

(1)の別解 3点が一直線上にある条件をベクトルの平行条件で考える。 $\overrightarrow{\mathrm{AB}} = (s-1, s^2-2)$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}} = (t-1, t^2-2)$ である。 $s < t$ より $\mathrm{B}$ と $\mathrm{C}$ は異なる点である。 ここで、$s = 1$ と仮定すると $\mathrm{B}(1, 1)$ となり、直線 $\mathrm{AB}$ の方程式は $x = 1$ となる。点 $\mathrm{C}(t, t^2)$ もこの直線上にあるため $t = 1$ となり、$s < t$ に矛盾する。したがって $s \neq 1$ であり、同様に $t \neq 1$ である。 $\mathrm{A, B, C}$ が一直線上にあるとき、$\overrightarrow{\mathrm{AB}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ は実数倍の関係にあるので、成分からつくられる以下の等式が成り立つ。

$$(s-1)(t^2-2) - (s^2-2)(t-1) = 0$$

展開して整理すると、

$$(st^2 - 2s - t^2 + 2) - (s^2t - s^2 - 2t + 2) = 0$$

$$st(t-s) + (s^2-t^2) + 2(t-s) = 0$$

$$st(t-s) - (t-s)(t+s) + 2(t-s) = 0$$

$s < t$ より $t - s \neq 0$ であるから、両辺を $t - s$ で割って、

$$st - (s + t) + 2 = 0$$

$$s + t - st = 2$$

解説

(1)において、異なる2点を通る直線の方程式を立て、それが残りの1点を通ると考えるのが最も計算が簡明である。解法2のようにベクトルや傾きを用いることもできるが、分母が0になる場合($s=1$など)の除外といった細かい論証が要求されるため、解答の書きやすさの観点からは直線の方程式を利用する解法1が推奨される。 (2)は対称式の典型的な処理である。 (3)において、実数条件(解の存在条件)の確認が必須である。求めた軌跡の式 $v = 2u^2 - 2u + 2$ を単に平方完成するだけでなく、元となる変数 $s, t$ が「異なる実数として」存在するための $u$ の条件を、2次方程式の判別式から忘れずに導出しなければならない。本問ではたまたま $u$ がすべての実数値をとるため、範囲の制限によって最小値が変わることはないが、論理的な欠陥を防ぐためにこの記述は不可欠である。

答え

(1)

$s + t - st = 2$

(2)

$v = 2u^2 - 2u + 2$

(3)

最小値 $\frac{3}{2}$

そのときの各値は $u = \frac{1}{2}, s = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}, t = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$

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