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数学2 軌跡 問題 15 解説

数学2 軌跡 問題 15 解説

方針・初手

(1) は、円と直線が異なる2点で交わる条件を立式する。円の中心と直線の距離が円の半径より小さくなる条件(点と直線の距離の公式)を用いると、計算量が少なく済む。

(2) は、円の弦の長さに関する標準的な問題である。円の中心から弦に下ろした垂線は弦を2等分する性質を用い、直角三角形における三平方の定理を利用して方程式を立てる。

(3) は、中点の軌跡を求める。解と係数の関係を用いて中点の座標を媒介変数 $m$ で表し、$m$ を消去して軌跡の方程式を導く方法と、円の中心と弦の中点を結ぶ線分が弦と直交するという幾何的性質を利用する方法がある。いずれにしても、(1) で求めた $m$ の範囲から、軌跡の限界(存在範囲)を忘れずに調べる必要がある。

解法1

(1) 円の方程式は $(x-4)^2 + y^2 = 4$ であるから、中心 $\text{C}$ の座標は $(4, 0)$、半径は $2$ である。 円と直線 $y = mx$ すなわち $mx - y = 0$ が異なる2点で交わるための条件は、円の中心 $\text{C}$ と直線 $mx - y = 0$ の距離 $d$ が、半径 $2$ より小さいことである。 点と直線の距離の公式より、

$$d = \frac{|m \cdot 4 - 0|}{\sqrt{m^2 + (-1)^2}} = \frac{4|m|}{\sqrt{m^2 + 1}}$$

したがって、交わる条件は

$$\frac{4|m|}{\sqrt{m^2 + 1}} < 2$$

両辺を $2$ で割り、正の数 $\sqrt{m^2 + 1}$ を払うと

$$2|m| < \sqrt{m^2 + 1}$$

両辺はともに正であるため、2乗しても同値性は保たれる。

$$4m^2 < m^2 + 1$$

$$3m^2 < 1$$

$$m^2 < \frac{1}{3}$$

これを解いて、求める $m$ のとりうる値の範囲は

$$-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}}$$

(2) 円の中心 $\text{C}$ から弦 $\text{PQ}$(直線 $y = mx$)に下ろした垂線の足を $\text{H}$ とすると、$\text{H}$ は弦 $\text{PQ}$ の中点となる。 直角三角形 $\text{CPH}$ において、三平方の定理より

$$\text{CP}^2 = \text{CH}^2 + \text{PH}^2$$

$\text{CP}$ は円の半径であるから $2$、$\text{CH}$ は中心と直線の距離 $d$、$\text{PH}$ は弦の長さの半分であるから $\frac{1}{2}\text{PQ} = \sqrt{2}$ である。 これらを代入すると

$$2^2 = d^2 + (\sqrt{2})^2$$

$$4 = d^2 + 2$$

$$d^2 = 2$$

(1) で求めた $d = \frac{4|m|}{\sqrt{m^2 + 1}}$ を代入して

$$\left( \frac{4|m|}{\sqrt{m^2 + 1}} \right)^2 = 2$$

$$\frac{16m^2}{m^2 + 1} = 2$$

$$16m^2 = 2(m^2 + 1)$$

$$14m^2 = 2$$

$$m^2 = \frac{1}{7}$$

これを解くと

$$m = \pm\frac{1}{\sqrt{7}}$$

これは (1) で求めた条件 $m^2 < \frac{1}{3}$ を満たすため、適する。

(3) 円と直線の式を連立して $y$ を消去する。

$$(x-4)^2 + (mx)^2 = 4$$

展開して整理すると

$$(m^2 + 1)x^2 - 8x + 12 = 0$$

異なる2点で交わるとき、この $x$ についての2次方程式は異なる2つの実数解 $x_1, x_2$ をもつ。 解と係数の関係より

$$x_1 + x_2 = \frac{8}{m^2 + 1}$$

線分 $\text{PQ}$ の中点 $\text{R}$ の座標を $(X, Y)$ とすると、$X$ は $x_1$ と $x_2$ の平均であるから

$$X = \frac{x_1 + x_2}{2} = \frac{4}{m^2 + 1}$$

また、点 $\text{R}$ は直線 $y = mx$ 上の点であるから

$$Y = mX$$

この2式から媒介変数 $m$ を消去する。 $m^2 + 1 \ge 1$ より $X > 0$ であるから、$m = \frac{Y}{X}$ を $X$ の式に代入する。

$$X = \frac{4}{\left( \frac{Y}{X} \right)^2 + 1}$$

右辺の分母分子に $X^2$ をかけて整理すると

$$X = \frac{4X^2}{Y^2 + X^2}$$

$X \neq 0$ であるから、両辺を $X$ で割り、$Y^2 + X^2$ をかけると

$$X^2 + Y^2 = 4X$$

平方完成して

$$(X-2)^2 + Y^2 = 4$$

次に、軌跡の存在範囲を求める。 (1) より $m^2$ のとりうる範囲は $0 \le m^2 < \frac{1}{3}$ である。 $X = \frac{4}{m^2 + 1}$ を $m^2$ について解くと

$$m^2 = \frac{4}{X} - 1$$

これを $0 \le m^2 < \frac{1}{3}$ に代入して

$$0 \le \frac{4}{X} - 1 < \frac{1}{3}$$

各辺に $1$ を加えて

$$1 \le \frac{4}{X} < \frac{4}{3}$$

各辺は正であるから逆数をとると大小関係が反転し

$$\frac{3}{4} < \frac{X}{4} \le 1$$

各辺に $4$ をかけて

$$3 < X \le 4$$

以上より、求める軌跡は円 $(x-2)^2 + y^2 = 4$ の $3 < x \le 4$ の部分である。 $x=3$ のとき $(3-2)^2 + y^2 = 4$ より $y^2 = 3$ すなわち $y = \pm\sqrt{3}$ となるため、端点 $(3, \pm\sqrt{3})$ は含まれない。 これを $xy$ 平面上に図示すると、中心 $(2,0)$、半径 $2$ の円周上で、点 $(3, \sqrt{3})$ と $(3, -\sqrt{3})$ を結ぶ線分より右側の実線部分となる。端点は白丸で除外し、点 $(4,0)$ は含む。

解法2

(3) の別解 原点を $\text{O}$、円の中心を $\text{C}(4,0)$ とする。 弦の中点の性質より、弦 $\text{PQ}$ の中点 $\text{R}$ と中心 $\text{C}$ を結ぶ直線は、弦 $\text{PQ}$ すなわち直線 $y=mx$ に垂直である。 したがって、点 $\text{R}$ が原点 $\text{O}$ と異なるとき、$\text{OR} \perp \text{CR}$ より

$$\angle \text{ORC} = 90^\circ$$

が成り立つ。 これは、点 $\text{R}$ が線分 $\text{OC}$ を直径とする円周上にあることを意味する。 線分 $\text{OC}$ の中点は $(2,0)$ であり、長さは $4$ であるから、この円の方程式は中心 $(2,0)$、半径 $2$ の円となり

$$(x-2)^2 + y^2 = 4$$

と表される。 次に、点 $\text{R}$ の存在範囲を調べる。 (1) より、直線 $y = mx$ の傾き $m$ のとりうる範囲は $-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。 ここで、直線の傾きが $\frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき、円 $(x-2)^2 + y^2 = 4$ と直線 $y = \frac{1}{\sqrt{3}}x$ の原点以外の交点を求める。

$$(x-2)^2 + \left( \frac{1}{\sqrt{3}}x \right)^2 = 4$$

$$x^2 - 4x + 4 + \frac{1}{3}x^2 = 4$$

$$\frac{4}{3}x^2 - 4x = 0$$

$x \neq 0$ より $x=3$。このとき $y = \sqrt{3}$ となる。 対称性から、傾きが $-\frac{1}{\sqrt{3}}$ のときの交点は $(3, -\sqrt{3})$ である。 傾き $m$ が $-\frac{1}{\sqrt{3}}$ から $\frac{1}{\sqrt{3}}$ まで連続的に変化するとき、点 $\text{R}$ は直線 $y=mx$ 上にあるため、円 $(x-2)^2 + y^2 = 4$ の円周上を点 $(3, -\sqrt{3})$ から点 $(4,0)$ を経由して点 $(3, \sqrt{3})$ まで動く。 このときの $x$ 座標の範囲は $3 < x \le 4$ となる。 したがって、求める軌跡は円 $(x-2)^2 + y^2 = 4$ の $3 < x \le 4$ を満たす部分である。

解説

円と直線の交点や弦に関する、極めて標準的なテーマを扱った問題である。 (1) は判別式を用いても解けるが、「円と直線の位置関係は、中心と直線の距離 $d$ と半径 $r$ の大小で比較する」という図形的な方針を取る方が、計算が煩雑にならずミスを防ぎやすい。 (2) も同様に、図形的な性質から直角三角形を作り、三平方の定理に帰着させるのが定石である。 (3) は中点の軌跡を求める典型問題である。解法1のように「解と係数の関係」からゴリ押しで式変形していく手法は万能であるが、計算量が多くなりがちである。一方、解法2のように「弦の中点と円の中心を結んだ直線は、弦と垂直に交わる」という幾何的性質に着目できると、円周角の定理の逆から一瞬で軌跡の方程式を導くことができ、見通しが非常に良くなる。軌跡の存在範囲の確認において、端点が含まれるかどうかのチェックを怠らないようにしたい。

答え

(1) $-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}}$

(2) $m = \pm\frac{1}{\sqrt{7}}$

(3) 軌跡:円 $(x-2)^2 + y^2 = 4$ の $3 < x \le 4$ の部分。

図示:中心 $(2,0)$、半径 $2$ の円周のうち、点 $(3, \sqrt{3})$ と点 $(3, -\sqrt{3})$ を結ぶ線分より右側にある実線部分。点 $(4,0)$ は含み、両端の点 $(3, \sqrt{3})$ および $(3, -\sqrt{3})$ は白丸で含まない。

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