トップ 基礎問題 数学2 図形と式 軌跡 問題 20

数学2 軌跡 問題 20 解説

数学2 軌跡 問題 20 解説

方針・初手

(1) 直線と円が異なる2点で交わる条件は、円の中心から直線までの距離 $d$ が円の半径 $r$ より小さいこと($d < r$)を利用するのが最も計算が簡潔である。直線の方程式を円の方程式に代入して判別式 $D > 0$ としても同等の結果が得られる。

(2) 線分 AB の中点を M$(X, Y)$ とおき、$X, Y$ の関係式を導く。 アプローチは大きく分けて2つある。1つは、交点の $x$ 座標を2次方程式の解とし、解と係数の関係から $X, Y$ を $m$ で表して $m$ を消去する代数的な方法である。もう1つは、円の中心 O と弦 AB の中点 M を結ぶ直線が弦 AB と垂直に交わる($\text{OM} \perp \text{AB}$)という幾何学的な性質を利用して、M が描く図形を直接見抜く方法である。後者のほうが計算量が少なく見通しがよい。いずれの方法でも、(1) で求めた $m$ の範囲から生じる軌跡の限界(変域)を忘れずに求める必要がある。

解法1

(1)

直線の方程式は $y = m(x - a)$ より、

$$mx - y - ma = 0$$

である。この直線と円 $x^2 + y^2 = 1$ が異なる2点で交わるための条件は、円の中心 $(0, 0)$ と直線の距離 $d$ が、円の半径 $1$ より小さいことである。点と直線の距離の公式より、

$$\frac{|m \cdot 0 - 0 - ma|}{\sqrt{m^2 + (-1)^2}} < 1$$

$$\frac{|ma|}{\sqrt{m^2 + 1}} < 1$$

両辺はともに正であるから、2乗して整理する。

$$m^2 a^2 < m^2 + 1$$

$$m^2 (a^2 - 1) < 1$$

ここで、与条件 $a > 1$ より $a^2 - 1 > 0$ であるから、両辺を $a^2 - 1$ で割って、

$$m^2 < \frac{1}{a^2 - 1}$$

よって、求める $m$ の値の範囲は、

$$-\frac{1}{\sqrt{a^2 - 1}} < m < \frac{1}{\sqrt{a^2 - 1}}$$

である。

(2)

直線と円の交点 A, B の $x$ 座標は、$y = m(x - a)$ を $x^2 + y^2 = 1$ に代入して得られる $x$ についての2次方程式

$$x^2 + \{m(x - a)\}^2 = 1$$

$$(m^2 + 1)x^2 - 2m^2 ax + m^2 a^2 - 1 = 0$$

の異なる2つの実数解である。これらを $\alpha, \beta$ とすると、線分 AB の中点 M の座標を $(X, Y)$ として、解と係数の関係より、

$$X = \frac{\alpha + \beta}{2} = \frac{1}{2} \cdot \frac{2m^2 a}{m^2 + 1} = \frac{m^2 a}{m^2 + 1}$$

また、点 M は直線 $y = m(x - a)$ 上にあるから、

$$Y = m(X - a)$$

これらからパラメータ $m$ を消去する。$X$ の式を変形して $m^2$ について解く。

$$X(m^2 + 1) = m^2 a$$

$$m^2(a - X) = X$$

$a > 1$ であり、また点 M は円 $x^2 + y^2 = 1$ の内部にあるため $0 \le X < 1$ である。よって $a - X \neq 0$ であるから、

$$m^2 = \frac{X}{a - X}$$

これを $Y^2 = m^2(X - a)^2$ に代入すると、

$$Y^2 = \frac{X}{a - X} (X - a)^2 = \frac{X}{a - X} (a - X)^2 = X(a - X)$$

展開して整理すると、

$$X^2 - aX + Y^2 = 0$$

平方完成して、

$$\left(X - \frac{a}{2}\right)^2 + Y^2 = \frac{a^2}{4}$$

次に $X$ の範囲を求める。(1) の結果より $0 \le m^2 < \frac{1}{a^2 - 1}$ であるから、

$$0 \le \frac{X}{a - X} < \frac{1}{a^2 - 1}$$

$a - X > 0$ かつ $a^2 - 1 > 0$ であるから、各辺に $(a - X)(a^2 - 1)$ を掛けて、

$$0 \le X(a^2 - 1) < a - X$$

$$0 \le (a^2 - 1)X \quad \text{かつ} \quad a^2 X < a$$

よって、$0 \le X < \frac{1}{a}$ を得る。 軌跡の変数 $X, Y$ を $x, y$ に置き換え、求める軌跡は円 $\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 = \left(\frac{a}{2}\right)^2$ の $x < \frac{1}{a}$ の部分となる。

解法2

(2)

円の中心を O$(0,0)$、定点 $(a, 0)$ を P とする。 直線が円と異なる2点で交わるとき、$m=0$ であれば交点 A, B は $(1,0), (-1,0)$ となり、中点 M は原点 O と一致する。 $m \neq 0$ のとき、弦 AB の中点が M であるから、円の幾何的性質より $\text{OM} \perp \text{AB}$ となる。 すなわち、$\text{OM} \perp \text{PM}$ であるから、点 M は線分 OP を直径とする円周上を動く。 線分 OP の中点は $\left(\frac{a}{2}, 0\right)$ であり、直径の長さは $a$ であるから、この円の方程式は、

$$\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 = \left(\frac{a}{2}\right)^2 \quad \dots \text{①}$$

と表せる。($m=0$ のとき点 M は原点となり、①を満たす)

次に、点 M の存在範囲を考える。 点 M は弦 AB の中点であるから、直角三角形 OMA に着目すると、斜辺 $\text{OA} = 1$ であるから、$\text{OM} < \text{OA}$ すなわち $\text{OM} < 1$ が成り立つ。 したがって、点 M は円 $x^2 + y^2 < 1 \dots$ ② の内部にある。

①の円周上の点のうち、②を満たす部分の $x$ の範囲を求める。 ①を展開すると $x^2 + y^2 = ax$ となる。これを②に代入すると、

$$ax < 1$$

$a > 1$ であるから、$x < \frac{1}{a}$ となる。 円①上の点について、$x$ 座標の最小値は $0$ であるから、点 M の $x$ 座標の範囲は $0 \le x < \frac{1}{a}$ となる。

以上より、求める軌跡は円 $\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 = \left(\frac{a}{2}\right)^2$ の $x < \frac{1}{a}$ の部分である。

解説

直線と円が交わってできる線分の中点の軌跡を求める典型問題である。 解法1のように、交点の $x$ 座標を2次方程式の解と捉え、解と係数の関係を用いて代数的に処理する手法はどんな問題にも適用できる汎用性がある。計算途中でパラメータ $m$ を消去する際、無計画に代入せず、$m^2 = \dots$ の形を作ってから代入すると計算がスムーズに進む。 解法2のように、「円の中心から弦に下ろした垂線は弦を2等分する」という図形的な性質に着目すると、直角($\text{OM} \perp \text{PM}$)が生じることから、円周角の定理の逆によって軌跡の方程式を瞬時に導出することができる。大幅な時間短縮になるため、ぜひ押さえておきたい視点である。 また、いずれの解法においても、(1) で求めた交点の存在条件によって、軌跡が円の全体ではなく一部(図形の一部分)に制限される点に注意深く論証を重ねる必要がある。

答え

(1) $-\frac{1}{\sqrt{a^2 - 1}} < m < \frac{1}{\sqrt{a^2 - 1}}$

(2) 円 $\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + y^2 = \left(\frac{a}{2}\right)^2$ の $x < \frac{1}{a}$ の部分

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