数学2 軌跡 問題 21 解説

方針・初手
直線の方程式と曲線の方程式から $y$ を消去し、$x$ についての2次方程式を作成する。交点 $\mathrm{P}, \mathrm{Q}$ の座標を直接求めることはせず、解と係数の関係を利用して線分の長さや中点の座標を係数 $a, b$ で表すのが基本方針である。与えられた比の条件から $a, b$ の関係式を導き、それを用いて中点の軌跡の方程式を求める。
解法1
直線 $L : ax + by = 1$ を $y$ について解くと、
$$y = -\frac{a}{b}x + \frac{1}{b}$$
となる。これを曲線 $y = -\frac{1}{x}$ に代入して整理すると、
$$-\frac{a}{b}x + \frac{1}{b} = -\frac{1}{x}$$
$$ax^2 - x - b = 0$$
を得る。 $a > 0, b > 0$ より、この $x$ についての2次方程式の判別式を $D$ とすると、
$$D = (-1)^2 - 4a(-b) = 1 + 4ab > 0$$
であるから、この方程式は常に異なる2つの実数解をもつ。 その2解を $\alpha, \beta \ (\alpha < \beta)$ とすると、解と係数の関係より、
$$\alpha + \beta = \frac{1}{a}, \quad \alpha\beta = -\frac{b}{a}$$
が成り立つ。ここで $a > 0, b > 0$ であるから $\alpha\beta < 0$ であり、$\alpha < 0 < \beta$ であることがわかる。 曲線 $y = -\frac{1}{x}$ 上において、$x$ 座標が負のとき $y$ 座標は正、$x$ 座標が正のとき $y$ 座標は負となる。 よって、問題の定義より、$\mathrm{P}$ の $x$ 座標は $\alpha$、$\mathrm{Q}$ の $x$ 座標は $\beta$ である。
直線 $L$ は $x$ 軸、 $y$ 軸とそれぞれ $\mathrm{R}, \mathrm{S}$ で交わる。$y=0$ のとき $x = \frac{1}{a}$、$x=0$ のとき $y = \frac{1}{b}$ であるから、$\mathrm{R}\left(\frac{1}{a}, 0\right), \mathrm{S}\left(0, \frac{1}{b}\right)$ となる。 したがって、線分 $\mathrm{RS}$ の長さの2乗は、
$$\mathrm{RS}^2 = \left(\frac{1}{a}\right)^2 + \left(\frac{1}{b}\right)^2 = \frac{a^2 + b^2}{a^2 b^2}$$
となる。 また、$\mathrm{P, Q}$ は傾き $-\frac{a}{b}$ の直線 $L$ 上の点であるから、線分 $\mathrm{PQ}$ の長さの2乗は、
$$\begin{aligned} \mathrm{PQ}^2 &= (\beta - \alpha)^2 + \left\{-\frac{a}{b}(\beta - \alpha)\right\}^2 \\ &= (\beta - \alpha)^2 \left(1 + \frac{a^2}{b^2}\right) \\ &= \left\{(\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta\right\} \frac{a^2 + b^2}{b^2} \\ &= \left(\frac{1}{a^2} + \frac{4b}{a}\right) \frac{a^2 + b^2}{b^2} \\ &= \frac{1 + 4ab}{a^2} \cdot \frac{a^2 + b^2}{b^2} \end{aligned}$$
となる。 条件 $\frac{\mathrm{PQ}}{\mathrm{RS}} = \sqrt{2}$ より $\mathrm{PQ}^2 = 2\mathrm{RS}^2$ であるから、
$$\frac{1 + 4ab}{a^2} \cdot \frac{a^2 + b^2}{b^2} = 2 \frac{a^2 + b^2}{a^2 b^2}$$
が成り立つ。$a > 0, b > 0$ より $\frac{a^2 + b^2}{a^2 b^2} \neq 0$ であるため、両辺をこれで割って整理すると、
$$1 + 4ab = 2$$
$$ab = \frac{1}{4}$$
を得る。
次に、線分 $\mathrm{PQ}$ の中点を $\mathrm{M}(X, Y)$ とおく。 $X$ 座標は $\mathrm{P, Q}$ の $x$ 座標の中点であるから、
$$X = \frac{\alpha + \beta}{2} = \frac{1}{2a}$$
となる。また、$Y$ 座標は、点 $\mathrm{M}$ が直線 $L$ 上にあることから、
$$\begin{aligned} Y &= -\frac{a}{b}X + \frac{1}{b} \\ &= -\frac{a}{b} \cdot \frac{1}{2a} + \frac{1}{b} \\ &= -\frac{1}{2b} + \frac{1}{b} \\ &= \frac{1}{2b} \end{aligned}$$
となる。 これらを $a, b$ について解くと、$a = \frac{1}{2X}, b = \frac{1}{2Y}$ となる。 これらを $ab = \frac{1}{4}$ に代入すると、
$$\frac{1}{2X} \cdot \frac{1}{2Y} = \frac{1}{4}$$
$$\frac{1}{4XY} = \frac{1}{4}$$
$$XY = 1$$
すなわち $Y = \frac{1}{X}$ を得る。 ここで、$a > 0, b > 0$ より $X = \frac{1}{2a} > 0$ であり、これに伴い $Y = \frac{1}{2b} > 0$ も満たす。よって、求める軌跡は $y = \frac{1}{x} \ (x > 0)$ となる。
解説
交点の座標を無理方程式を用いて直接表現するのではなく、解と係数の関係を利用して線分の長さや中点の座標を対称式として処理するのは、軌跡や図形と方程式の分野における重要な定石である。条件式から媒介変数 $a, b$ の関係式を導き、それを利用して $X, Y$ だけの関係式に持ち込むという論理の展開は典型的であり、計算の見通しを良くする。
答え
曲線 $y = \frac{1}{x}$ の $x > 0$ の部分
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