数学2 軌跡 問題 22 解説

方針・初手
2つの方程式がもつ共通の実数解を $\alpha$ ($\alpha > 0$)とおき、それぞれの方程式に代入する。 得られた2つの式から文字 $b$ を消去し、$\alpha$ と $a$ の関係式を導くことで $\alpha$ の値を特定する。 その後、得られた $a, b$ の関係式に対して、問題文の「各方程式が異なる解をもつ」「ただ1つの共通な実数解をもつ」という条件から、除外すべき点(条件を満たさない $a$ の値)を丁寧に拾い上げる。
解法1
2つの方程式の共通な実数解を $\alpha$ ($\alpha > 0$) とおく。$\alpha$ はそれぞれの方程式を満たすから、
$$\alpha^2 + a\alpha + b = 0 \cdots (1)$$
$$\alpha^3 + b\alpha + a = 0 \cdots (2)$$
が成り立つ。(1) より $b = -\alpha^2 - a\alpha$ である。これを (2) に代入して整理する。
$$\alpha^3 + (-\alpha^2 - a\alpha)\alpha + a = 0$$
$$-a\alpha^2 + a = 0$$
$$-a(\alpha^2 - 1) = 0$$
よって、$a = 0$ または $\alpha^2 - 1 = 0$ となる。
(i) $a = 0$ のとき $b = -\alpha^2$ であり、$\alpha > 0$ より $b < 0$ となる。 このとき、もとの2つの方程式は $x^2 + b = 0$ と $x^3 + bx = 0$ (すなわち $x(x^2 + b) = 0$)となる。 これらは $x^2 + b = 0$ の解を共通解としてもつ。 $b < 0$ であるため、$x^2 + b = 0$ は $x = \pm\sqrt{-b}$ という異なる2つの実数解をもつ。 これは「ただ1つの共通な実数解をもつ」という条件に反するため不適である。
(ii) $\alpha^2 - 1 = 0$ のとき $\alpha > 0$ より $\alpha = 1$ である。これは共通な実数解が正であるという条件を満たす。 このとき (1) より、$1 + a + b = 0$ すなわち $b = -a - 1$ となる。 これを代入すると、2次方程式と3次方程式はそれぞれ以下のようになる。
$$x^2 + ax - a - 1 = 0 \iff (x - 1)(x + a + 1) = 0$$
$$x^3 - (a + 1)x + a = 0 \iff (x - 1)(x^2 + x - a) = 0$$
ここで、問題の諸条件を満たすための $a$ の条件を確認する。
[1] 2次方程式が異なる解をもつ条件 2次方程式の解は $x = 1, -a - 1$ である。これが重解をもたないため、 $1 \neq -a - 1$ より $a \neq -2$ である。
[2] 3次方程式が異なる解をもつ条件 3次方程式が重解をもたないためには、2次方程式 $x^2 + x - a = 0$ が異なる2つの解をもち、かつそれらが $x = 1$ でないことが必要である。 判別式を $D$ とすると、$D = 1^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-a) = 4a + 1 \neq 0$ より $a \neq -\frac{1}{4}$ である。 また、$x = 1$ を解にもたないため、$1^2 + 1 - a \neq 0$ より $a \neq 2$ である。
[3] ただ1つの共通な実数解をもつ条件 2次方程式の実数解は $x = 1$ と $x = -a - 1$ であるため、すでに共通解 $x = 1$ をもつ。 これが「ただ1つの共通な実数解」であるためには、もう一方の解 $x = -a - 1$ が3次方程式の解であってはならない。 $x = -a - 1$ を $x^2 + x - a$ に代入した値が $0$ にならないことが条件となる。
$$(-a - 1)^2 + (-a - 1) - a = a^2 + 2a + 1 - a - 1 - a = a^2 \neq 0$$
よって、$a \neq 0$ である(これは (i) の結果とも一致する)。
以上 [1], [2], [3] より、求める条件は $b = -a - 1$ かつ $a \neq -2, -\frac{1}{4}, 0, 2$ となる。 これを座標平面上に図示すると、直線 $b = -a - 1$ から4点を除いた図形になる。
解説
共通解を文字でおいて連立方程式を解く、定石通りの共通解問題である。 3次方程式と2次方程式の共通解を扱う場合、今回のように一方から定数項や1次の項を消去して因数分解に持ち込む手法が有効である。 本問の最大のポイントは、得られた $a, b$ の関係式に対して、問題文に散りばめられた複数の条件(「2次方程式が異なる解をもつ」「3次方程式が異なる解をもつ」「ただ1つの共通解をもつ」)をすべて満たしているか、逆像法的に除外点を緻密に検証できるかどうかにかかっている。十分性の確認を怠らないようにしたい。
答え
求める条件: $b = -a - 1$ ただし $a \neq -2, -\frac{1}{4}, 0, 2$
図示: 座標平面上の直線 $b = -a - 1$ のうち、4点 $(-2, 1), \left(-\frac{1}{4}, -\frac{3}{4}\right), (0, -1), (2, -3)$ を白丸で除外した部分。(実際の作図は省略)
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