数学2 領域 問題 11 解説

方針・初手
(1) は放物線の通過領域を求める問題である。与えられた放物線の方程式をパラメータ $t$ についての2次方程式とみなし、それが実数解をもつための条件(判別式 $D \ge 0$)を考えることで、求める領域の不等式を導き出す。 (2) は (1) で求めた境界線 $D$ と、放物線 $C$ の接線 $l$ とで囲まれた図形の面積を計算する。交点の $x$ 座標を求め、$\frac{1}{6}$ 公式を利用して定積分を計算する。計算の途中までは $a$ を用いたまま進め、最後に値を代入するとよい。
解法1
(1) 与えられた放物線の方程式は
$$y = \frac{3}{4}(x - t)^2 - t^2 - 1$$
である。これを $t$ について整理すると、
$$y = \frac{3}{4}(x^2 - 2xt + t^2) - t^2 - 1$$
$$y = -\frac{1}{4}t^2 - \frac{3}{2}xt + \frac{3}{4}x^2 - 1$$
両辺を $-4$ 倍してまとめると、
$$t^2 + 6xt - 3x^2 + 4y + 4 = 0$$
となる。点 $(x, y)$ が求める領域に属するための条件は、この $t$ についての2次方程式が実数解をもつことである。 判別式を $\Delta$ とすると、$\frac{\Delta}{4} \ge 0$ より
$$(3x)^2 - 1 \cdot (-3x^2 + 4y + 4) \ge 0$$
$$9x^2 + 3x^2 - 4y - 4 \ge 0$$
$$12x^2 - 4 \ge 4y$$
$$y \le 3x^2 - 1$$
したがって、求める領域は不等式 $y \le 3x^2 - 1$ が表す領域である。図示すると、放物線 $y = 3x^2 - 1$ とその下側の領域(境界線を含む)となる。
(2) (1) より、領域の境界 $D$ は放物線 $y = 3x^2 - 1$ である。 $D$ と $x$ 軸($y = 0$)との交点の $x$ 座標は
$$3x^2 - 1 = 0$$
$$x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$$
$a$ は $x$ 軸の正の部分との交点の $x$ 座標であるから、
$$a = \frac{1}{\sqrt{3}}$$
である。
次に、曲線 $C: y = -x^2 - 1$ 上の $x = a$ における接線 $l$ の方程式を求める。 $y' = -2x$ であるから、$x = a$ における接線の傾きは $-2a$ である。また、接点の座標は $(a, -a^2 - 1)$ である。 よって、接線 $l$ の方程式は
$$y - (-a^2 - 1) = -2a(x - a)$$
$$y = -2ax + 2a^2 - a^2 - 1$$
$$y = -2ax + a^2 - 1$$
となる。
$D$ と $l$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$3x^2 - 1 = -2ax + a^2 - 1$$
$$3x^2 + 2ax - a^2 = 0$$
$$(3x - a)(x + a) = 0$$
$$x = -a, \frac{a}{3}$$
$D$ は下に凸の放物線であり、$-a \le x \le \frac{a}{3}$ の区間において直線 $l$ は放物線 $D$ の上側にある。 したがって、求める面積 $S$ は
$$S = \int_{-a}^{\frac{a}{3}} \{ (-2ax + a^2 - 1) - (3x^2 - 1) \} dx$$
$$S = \int_{-a}^{\frac{a}{3}} (-3x^2 - 2ax + a^2) dx$$
$$S = -3 \int_{-a}^{\frac{a}{3}} (x + a)\left(x - \frac{a}{3}\right) dx$$
ここで、定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3$ を用いると、
$$S = -3 \cdot \left( -\frac{1}{6} \right) \left( \frac{a}{3} - (-a) \right)^3$$
$$S = \frac{1}{2} \left( \frac{4}{3}a \right)^3$$
$$S = \frac{1}{2} \cdot \frac{64}{27} a^3$$
$$S = \frac{32}{27} a^3$$
となる。$a = \frac{1}{\sqrt{3}}$ を代入して計算すると、
$$S = \frac{32}{27} \left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^3$$
$$S = \frac{32}{27 \cdot 3\sqrt{3}}$$
$$S = \frac{32\sqrt{3}}{243}$$
である。
解説
(1) は、図形(ここでは放物線)の通過領域を求める際の定石である「逆像法」を用いると簡明に解くことができる。特定の点 $(x, y)$ を固定したときに、その点を通るような実数 $t$ が存在するかどうかを2次方程式の実数解条件に帰着させるという考え方である。 (2) は、具体的な数値を早い段階で代入してしまうと計算が煩雑になり、ミスを誘発しやすい。そのため、文字 $a$ のまま交点の導出や定積分を進めるのが有効である。また、放物線と直線で囲まれた図形の面積計算においては、因数分解された形から「$\frac{1}{6}$ 公式」を積極的に活用することで計算量とミスを大幅に減らすことができる。
答え
(1) 不等式 $y \le 3x^2 - 1$ が表す領域(境界線を含む)。
(2) $\frac{32\sqrt{3}}{243}$
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