トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 12

数学2 領域 問題 12 解説

数学2 領域 問題 12 解説

方針・初手

絶対値を含む方程式であるため、対称性に注目する。第1象限における図形を考え、それを各象限に折り返すことで図形 $R$ の全体像を把握するのがよい。 (2) は点と直線の距離の公式を用いて円の半径を求める。 (3) は面積の式を求めた後、式の形から相加平均と相乗平均の関係を用いて最大値を求める方針が簡明である。

解法1

(1)

与えられた方程式 $a^2|x| + |y| = a$ において、$x$ を $-x$ に、$y$ を $-y$ に置き換えても方程式は変化しない。 したがって、図形 $R$ は $x$ 軸、$y$ 軸、原点のそれぞれに関して対称である。

$x \geqq 0$ かつ $y \geqq 0$(第1象限および境界)のとき、絶対値をそのまま外すことができ、方程式は

$$a^2x + y = a \iff y = -a^2x + a$$

となる。これは点 $\left(\frac{1}{a}, 0\right)$ と $(0, a)$ を結ぶ線分である。

対称性より、図形 $R$ は4点 $\left(\frac{1}{a}, 0\right), (0, a), \left(-\frac{1}{a}, 0\right), (0, -a)$ を頂点とするひし形である。図示は省略するが、原点を中心とし座標軸上に頂点を持つひし形となる。

不等式 $a^2|x| + |y| \leqq a$ の表す領域は、このひし形の周および内部である。 対称性から、その面積は第1象限にある直角三角形の面積の4倍となる。 よって、求める面積は

$$4 \times \left( \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{a} \cdot a \right) = 2$$

である。

(2)

円 $C$ は原点を中心とし、図形 $R$ に接する。 図形 $R$ の対称性から、円 $C$ が第1象限の線分 $a^2x + y - a = 0$ $\left(0 \leqq x \leqq \frac{1}{a}\right)$ に接するとき、他の3つの象限の線分にも接する。

原点と直線 $a^2x + y - a = 0$ の距離 $d$ は、点と直線の距離の公式より、

$$d = \frac{|-a|}{\sqrt{(a^2)^2 + 1^2}} = \frac{a}{\sqrt{a^4 + 1}}$$

である。

ここで、原点からこの直線に下ろした垂線の足の座標 $(x_0, y_0)$ を確認する。 直線の法線ベクトルは $(a^2, 1)$ であるから、垂線の方程式は $x - a^2y = 0$、すなわち $x = a^2y$ となる。 これを直線の式に代入して、

$$a^2(a^2y_0) + y_0 = a \iff (a^4 + 1)y_0 = a$$

$$y_0 = \frac{a}{a^4 + 1}$$

このとき、$x_0 = a^2 \cdot \frac{a}{a^4 + 1} = \frac{a^3}{a^4 + 1}$ となる。 $a > 0$ であるから、$x_0 > 0$ かつ $y_0 > 0$ となり、垂線の足は確かに第1象限の線分上にある。

したがって、円 $C$ の半径 $r$ は $d$ と等しくなり、円 $C$ の方程式は

$$x^2 + y^2 = \frac{a^2}{a^4 + 1}$$

となる。

(3)

円 $C$ の面積 $S$ は、半径 $r$ の2乗を用いて次のように表される。

$$S = \pi r^2 = \frac{\pi a^2}{a^4 + 1}$$

$a > 0$ より $a^2 > 0$ であるから、分母と分子を $a^2$ で割ると、

$$S = \frac{\pi}{a^2 + \frac{1}{a^2}}$$

となる。

ここで、分母の $a^2 + \frac{1}{a^2}$ について考える。 $a^2 > 0$ かつ $\frac{1}{a^2} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の関係より、

$$a^2 + \frac{1}{a^2} \geqq 2\sqrt{a^2 \cdot \frac{1}{a^2}} = 2$$

が成り立つ。 等号が成立するのは $a^2 = \frac{1}{a^2}$、すなわち $a^4 = 1$ のときである。 $a > 0$ であるため、$a = 1$ で等号が成立する。

ゆえに、分母 $a^2 + \frac{1}{a^2}$ は $a = 1$ のとき最小値 $2$ をとる。 分母が最小となるとき、分数全体である $S$ は最大となる。 したがって、$S$ の最大値は

$$\frac{\pi}{2}$$

である。

解説

(1) は絶対値を含む方程式が表す図形の典型問題である。各象限において絶対値を外す場合分けを行ってもよいが、$x$ と $y$ をそれぞれ $-x, -y$ に置き換えても式が変わらないことから、$x$軸、$y$軸、原点対称であることを見抜くと手間が省ける。 (2) において、円がひし形に内接する条件を考える際、点と直線の距離公式で求めた距離がそのまま半径となる。厳密には接点(垂線の足)が線分上に存在することを確認すると答案としてより丁寧である。 (3) は最大値を求める問題である。商の微分法を用いて増減表を書くことでも解決できるが、分母分子を $a^2$ で割ることで相加平均と相乗平均の関係が使える形に帰着させるのが、計算量が少なく最も簡明な解法である。

答え

(1)

図形 $R$ は4点 $\left(\frac{1}{a}, 0\right), (0, a), \left(-\frac{1}{a}, 0\right), (0, -a)$ を頂点とするひし形(図示は略)。

面積は $2$

(2)

$x^2 + y^2 = \frac{a^2}{a^4 + 1}$

(3)

$S = \frac{\pi a^2}{a^4 + 1}$

最大値は $\frac{\pi}{2}$

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