トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 15

数学2 領域 問題 15 解説

数学2 領域 問題 15 解説

方針・初手

与えられた $x, y$ の関係式を満たす実数 $s, t$ (およびその条件)が存在するような点 $(x, y)$ の集合を求める、いわゆる「逆像法(存在条件の追求)」を用いて考える。

(1)は $s, t$ についての連立1次方程式とみなし、$s, t$ を $x, y$ で表してから条件 $s \geqq 0, t \geqq 0$ に代入する。 (2)は一見すると対称式ではないが、適切な文字の置き換えを行うことで $s, t$ (の一次式)の基本対称式に帰着させ、2次方程式の実数解条件を利用する。

解法1

(1)

与えられた式は以下の通りである。

$$\begin{cases} x = s+t+1 & \cdots \text{①} \\ y = s-t-1 & \cdots \text{②} \end{cases}$$

① $+$ ② より、

$$x+y = 2s$$

すなわち、

$$s = \frac{x+y}{2} \cdots \text{③}$$

① $-$ ② より、

$$x-y = 2t+2$$

すなわち、

$$t = \frac{x-y-2}{2} \cdots \text{④}$$

条件 $s \geqq 0, t \geqq 0$ に ③, ④ を代入すると、

$$\frac{x+y}{2} \geqq 0 \quad \text{かつ} \quad \frac{x-y-2}{2} \geqq 0$$

これを整理して $y$ について解くと、以下の不等式を得る。

$$\begin{cases} y \geqq -x \\ y \leqq x-2 \end{cases}$$

したがって、求める点 $(x, y)$ の動く範囲は、直線 $y = -x$ の上側(境界含む)かつ直線 $y = x-2$ の下側(境界含む)の領域である。図示すると、2直線 $y = -x$ と $y = x-2$ (交点は $(1, -1)$)で挟まれた、右に開いたくさび型の領域となる。

(2)

与えられた式を変形して、$s, t$ の対称性に近づける工夫をする。

$$x = st+s-t+1 = s(t+1) - (t+1) + 2 = (s-1)(t+1) + 2$$

$$y = s+t-1 = (s-1) + (t+1) - 1$$

ここで、$u = s-1, v = t+1$ とおく。$s, t$ が実数全体を動くとき、$u, v$ も実数全体を動く。 このとき、$x, y$ は $u, v$ を用いて次のように表される。

$$\begin{cases} x = uv+2 \\ y = u+v-1 \end{cases}$$

これを $u, v$ の基本対称式 $u+v, uv$ について解くと、

$$\begin{cases} u+v = y+1 \\ uv = x-2 \end{cases}$$

となる。実数 $s, t$ が存在することは、実数 $u, v$ が存在することと同値である。 実数 $u, v$ は、 $k$ についての2次方程式 $k^2 - (u+v)k + uv = 0$ の2つの解であるから、この方程式すなわち

$$k^2 - (y+1)k + (x-2) = 0$$

が実数解をもつ条件を求めればよい。 判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ となればよいので、

$$D = (y+1)^2 - 4(x-2) \geqq 0$$

これを展開・整理して $x$ について解くと、

$$4x - 8 \leqq (y+1)^2$$

$$x \leqq \frac{1}{4}(y+1)^2 + 2$$

したがって、求める点 $(x, y)$ の動く範囲は、放物線 $x = \frac{1}{4}(y+1)^2 + 2$ およびその左側の領域である。頂点は $(2, -1)$ であり、軸は直線 $y = -1$ である。図示する際は、境界線を含むことを明記する。

解説

変数の動く範囲(軌跡・領域)を求める問題における大原則である「逆像法(存在条件)」を適用する典型問題である。

(1)は $s, t$ についての連立方程式を解いて条件不等式に代入するだけであり、平易である。 (2)が本問の核心であり、そのままでは処理しにくい式を $s-1$ と $t+1$ の塊を作ることで基本対称式に帰着させる発想が求められる。「積の形 $st+s-t$ を見たら因数分解 $(s-1)(t+1)$ を試みる」という整数問題等でもお馴染みの式変形がここでも有効に働く。その後は、和と積から2次方程式を作成し、判別式 $D \geqq 0$ に持ち込むという数学IIの典型的な処理となる。

答え

(1)

不等式 $y \geqq -x$ かつ $y \leqq x-2$ の表す領域。境界線を含む。(図示の詳細は解答本文を参照)

(2)

不等式 $x \leqq \frac{1}{4}(y+1)^2 + 2$ の表す領域。境界線を含む。(図示の詳細は解答本文を参照)

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