数学2 領域 問題 19 解説

方針・初手
点 $\text{R}$ は $xy$ 平面上の点であるから、その座標を $(X, Y, 0)$ とおく。点 $\text{R}$ が求める範囲に存在する条件は、「点 $\text{P}(1, 0, 2)$ と点 $\text{R}(X, Y, 0)$ を通る直線 $l$ が、$(0, 0, 2)$ 以外の球面 $S$ 上の点 $\text{Q}$ を通る」ことである。
この条件を処理するために、直線 $l$ 上の点を媒介変数で表し、それが球面 $S$ 上にある(すなわち球面の方程式を満たす)ような実数が存在するための条件に帰着させるアプローチ(解法1)が最も簡明である。または、球面上の点 $\text{Q}$ を文字でおき、そこから点 $\text{R}$ の座標を求めて変域を調べる逆像法(解法2)でも解くことができる。
解法1
平面 $z=0$ 上の点 $\text{R}$ の座標を $(X, Y, 0)$ とおく。
点 $\text{P}(1, 0, 2)$ と点 $\text{R}(X, Y, 0)$ を通る直線 $l$ 上の任意の点 $\text{T}$ は、実数 $t$ を用いて以下のように表せる。
$$\overrightarrow{\text{OT}} = (1-t)\overrightarrow{\text{OP}} + t\overrightarrow{\text{OR}} = (1-t+tX, tY, 2(1-t))$$
点 $\text{T}$ が球面 $S$ の方程式 $x^2 + y^2 + (z-1)^2 = 1$ 上にある条件は、座標を代入して以下のようになる。
$$(1-t+tX)^2 + (tY)^2 + (2(1-t)-1)^2 = 1$$
式を整理していく。
$$(1 + t(X-1))^2 + t^2Y^2 + (1-2t)^2 = 1$$
$$1 + 2t(X-1) + t^2(X-1)^2 + t^2Y^2 + 1 - 4t + 4t^2 = 1$$
$$\{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \} t^2 + 2(X-3)t + 1 = 0 \quad \cdots \text{(A)}$$
ここで、$t^2$ の係数 $(X-1)^2 + Y^2 + 4$ は常に正であるため、方程式 (A) は常に $t$ の2次方程式となる。直線 $l$ が球面 $S$ と共有点を持つための条件は、方程式 (A) が少なくとも1つの実数解を持つことである。
方程式 (A) の判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ となればよい。
$$\frac{D}{4} = (X-3)^2 - \{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \} \geqq 0$$
展開して整理する。
$$X^2 - 6X + 9 - (X^2 - 2X + 1 + Y^2 + 4) \geqq 0$$
$$-4X + 4 - Y^2 \geqq 0$$
$$Y^2 \leqq -4(X-1)$$
次に、問題の条件である「点 $\text{Q}$ が $(0, 0, 2)$ ではない」ことの確認を行う。
仮に直線 $l$ 上の点 $\text{T}$ が $(0, 0, 2)$ と一致すると仮定する。このとき $z$ 座標について $2(1-t) = 2$ より $t = 0$ となる。しかし、方程式 (A) に $t=0$ を代入すると $1 = 0$ となり矛盾する。
したがって、直線 $l$ と球面 $S$ の共有点が $(0, 0, 2)$ になることは決してない。すなわち、$Y^2 \leqq -4(X-1)$ を満たす任意の $\text{R}(X, Y, 0)$ に対して、直線 $\text{PR}$ は $(0, 0, 2)$ 以外の球面 $S$ 上の点 $\text{Q}$ と必ず交わる(または接する)。
ゆえに、点 $\text{R}$ の動く範囲は $x, y$ 平面において $y^2 \leqq -4(x-1)$ で表される領域である。
解法2
球面 $S$ の方程式は $x^2 + y^2 + (z-1)^2 = 1$ であり、展開して整理すると以下のようになる。
$$x^2 + y^2 + z^2 - 2z = 0 \quad \cdots \text{(B)}$$
球面 $S$ 上の点 $\text{Q}$ の座標を $(x, y, z)$ とおく。点 $\text{Q}$ は $(0, 0, 2)$ ではない。球面上の点の $z$ 座標の範囲は $0 \leqq z \leqq 2$ であるが、$z=2$ となるのは $\text{Q}(0, 0, 2)$ のときのみであるため、点 $\text{Q}$ の $z$ 座標のとりうる範囲は $0 \leqq z < 2$ である。
点 $\text{P}(1, 0, 2)$ と点 $\text{Q}(x, y, z)$ を通る直線と、平面 $z=0$ との交点を $\text{R}(X, Y, 0)$ とする。実数 $s$ を用いて $\text{R}$ は次のように表せる。
$$\overrightarrow{\text{OR}} = (1-s)\overrightarrow{\text{OP}} + s\overrightarrow{\text{OQ}}$$
成分で表すと以下のようになる。
$$(X, Y, 0) = (1-s+sx, sy, 2-2s+sz)$$
$z$ 成分に注目すると $2-2s+sz = 0$ となり、$s(2-z) = 2$ である。$z \neq 2$ より $s = \frac{2}{2-z}$ と定まる。これを $X, Y$ についての式に代入する。
$$X = 1-s+sx = 1 + s(x-1) = 1 + \frac{2(x-1)}{2-z} = \frac{2-z+2x-2}{2-z} = \frac{2x-z}{2-z}$$
$$Y = sy = \frac{2y}{2-z}$$
これらの式を $x, y$ について解く。
$$X(2-z) = 2x-z \iff 2x = 2X - Xz + z \iff x = X + \frac{z(1-X)}{2}$$
$$Y(2-z) = 2y \iff y = Y - \frac{Yz}{2}$$
求めた $x, y$ を方程式 (B) に代入して $z$ について整理する。
$$\left( X + \frac{z(1-X)}{2} \right)^2 + \left( Y - \frac{Yz}{2} \right)^2 + z^2 - 2z = 0$$
両辺を $4$ 倍して展開する。
$$\{ 2X + z(1-X) \}^2 + (2Y - Yz)^2 + 4z^2 - 8z = 0$$
$$4X^2 + 4X(1-X)z + (1-X)^2 z^2 + 4Y^2 - 4Y^2 z + Y^2 z^2 + 4z^2 - 8z = 0$$
$$\{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \} z^2 - 4(X^2 - X + Y^2 + 2) z + 4(X^2 + Y^2) = 0 \quad \cdots \text{(C)}$$
点 $\text{R}(X, Y, 0)$ が存在する条件は、この $z$ についての2次方程式 (C) が $0 \leqq z < 2$ の範囲に少なくとも1つの実数解を持つことである。(C) の左辺を $f(z)$ とおく。$z^2$ の係数は常に正である。
端点での値を調べる。
$$f(0) = 4(X^2 + Y^2) \geqq 0$$
$$f(2) = 4\{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \} - 8(X^2 - X + Y^2 + 2) + 4(X^2 + Y^2)$$
$$f(2) = 4(X^2 - 2X + Y^2 + 5) - 8X^2 + 8X - 8Y^2 - 16 + 4X^2 + 4Y^2 = 4$$
常に $f(2) = 4 > 0$ となる。
方程式 $f(z) = 0$ が実数解を持つ条件は、判別式を $D'$ とすると $D' \geqq 0$ である。
$$\frac{D'}{4} = 4(X^2 - X + Y^2 + 2)^2 - 4(X^2 + Y^2)\{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \}$$
$X^2 + Y^2 = K$ とおくと、計算が容易になる。
$$\frac{D'}{4} = 4 \{ (K - X + 2)^2 - K(K - 2X + 5) \}$$
$$= 4 ( K^2 + X^2 + 4 - 2KX + 4K - 4X - K^2 + 2KX - 5K )$$
$$= 4 ( X^2 - 4X + 4 - K ) = 4 ( (X-2)^2 - (X^2 + Y^2) ) = 4 ( -4X + 4 - Y^2 )$$
したがって、$D' \geqq 0 \iff Y^2 \leqq -4(X-1)$ である。
このとき、放物線の軸 $z = z_0$ について調べる。
$$z_0 = \frac{2(X^2 - X + Y^2 + 2)}{(X-1)^2 + Y^2 + 4} = \frac{2\{ (X - \frac{1}{2})^2 + Y^2 + \frac{7}{4} \}}{(X-1)^2 + Y^2 + 4} > 0$$
また、$Y^2 \leqq -4(X-1)$ が成り立つとき $X \leqq 1$ であるから、
$$2 - z_0 = \frac{2\{ (X-1)^2 + Y^2 + 4 \} - 2(X^2 - X + Y^2 + 2)}{(X-1)^2 + Y^2 + 4} = \frac{2(3-X)}{(X-1)^2 + Y^2 + 4} > 0$$
よって、軸は常に $0 < z_0 < 2$ の範囲にある。
以上より、$D' \geqq 0$ であれば、放物線 $y = f(z)$ は $0 < z < 2$ の範囲に軸を持ち、$f(0) \geqq 0, f(2) > 0$ を満たすため、必ず $0 \leqq z < 2$ の範囲に実数解を持つことが示された。
求める軌跡は $y^2 \leqq -4(x-1)$ である。
解説
直線と球面の交差条件として捉える解法1が、計算量・論理の明快さともに優れている。「点 $\text{Q}$ が $(0,0,2)$ 以外の球面上の点」という条件について、$(0,0,2)$ が除外されることで軌跡に穴が開く(除外点が生じる)のではないかと不安に思う受験生も多いが、直線の式に代入して検証することで、そもそも交点が $(0,0,2)$ になること自体があり得ないことが論証できる。
解法2は逆像法(存在条件への帰着)と呼ばれる典型手法である。動点 $\text{Q}$ の変域 $0 \leqq z < 2$ を求めたのち、それに対応する $\text{R}$ の座標を $z$ の方程式の解の配置問題として処理する。計算はやや重くなるものの、軌跡や領域の基本原理に忠実な汎用性の高いアプローチである。
答え
点 $\text{R}$ の動く範囲は、$xy$ 平面上の不等式 $y^2 \leqq -4(x-1)$ が表す領域である。
これを図示すると、放物線 $x = -\frac{1}{4}y^2 + 1$ の左側の領域となる(境界線を含む)。
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