トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 21

数学2 領域 問題 21 解説

数学2 領域 問題 21 解説

方針・初手

与えられた放物線の方程式 $y = ax^2 + \frac{1 - 4a^2}{4a}$ を、$a$ についての方程式とみなす。$a$ が正の実数全体を動くとき、ある点 $(x, y)$ が $C$ の通過する領域に含まれるための条件は、この $a$ についての方程式が $a > 0$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつことである。この条件を $x, y$ の関係式として導出する「逆像法(存在条件の追求)」と、固定した $x$ に対して $a$ を動かしたときの $y$ のとり得る値の範囲を調べる「順像法(ファクシミリの原理)」の2通りの方針が考えられる。

解法1

与えられた $C$ の方程式について、両辺に $4a$ を掛けて整理する。

$$4ay = 4a^2x^2 + 1 - 4a^2$$

$$4(x^2 - 1)a^2 - 4ya + 1 = 0$$

点 $(x, y)$ が求める領域にあるための条件は、上記の方程式が $a > 0$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつことである。 $f(a) = 4(x^2 - 1)a^2 - 4ya + 1$ とおく。

(i) $x^2 - 1 = 0$ すなわち $x = \pm 1$ のとき

方程式は $-4ya + 1 = 0$ となる。これを満たす実数 $a$ は、

$$a = \frac{1}{4y}$$

これが $a > 0$ を満たす条件は $y > 0$ である。

(ii) $x^2 - 1 \neq 0$ のとき

$f(a) = 0$ は $a$ についての2次方程式である。$f(0) = 1 > 0$ であることに着目して解の配置を考える。

(ア) $x^2 - 1 > 0$ すなわち $x < -1$ または $x > 1$ のとき

$y = f(a)$ のグラフは下に凸の放物線であり、$f(0) = 1 > 0$ である。したがって、$f(a) = 0$ が $a > 0$ の範囲に実数解をもつための必要十分条件は、軸が正であり、かつ判別式 $D \ge 0$ となることである。

軸の方程式は $a = \frac{4y}{8(x^2 - 1)} = \frac{y}{2(x^2 - 1)}$ である。$x^2 - 1 > 0$ であるから、軸が正となる条件は $y > 0$ である。

判別式 $D$ についての条件は、

$$\frac{D}{4} = 4y^2 - 4(x^2 - 1) \ge 0$$

$$y^2 \ge x^2 - 1$$

$y > 0$ であることを踏まえると、$y \ge \sqrt{x^2 - 1}$ となる。

(イ) $x^2 - 1 < 0$ すなわち $-1 < x < 1$ のとき

$y = f(a)$ のグラフは上に凸の放物線である。$f(0) = 1 > 0$ であるため、方程式 $f(a) = 0$ は正の解と負の解を必ず1つずつもつ。 したがって、任意の $y$ に対して $a > 0$ の解が存在する。すなわち、すべての実数 $y$ が条件を満たす。

解法2

与えられた方程式を、$x$ を固定して $a$ の関数とみなし、$y$ のとり得る値の範囲を調べる。

$$y = (x^2 - 1)a + \frac{1}{4a}$$

$g(a) = (x^2 - 1)a + \frac{1}{4a} \quad (a > 0)$ とおく。

(i) $x^2 - 1 = 0$ すなわち $x = \pm 1$ のとき

$g(a) = \frac{1}{4a}$ となる。$a > 0$ であるから、$y$ のとり得る値の範囲は $y > 0$ である。

(ii) $x^2 - 1 > 0$ すなわち $x < -1$ または $x > 1$ のとき

$g(a)$ を $a$ で微分すると、

$$g'(a) = x^2 - 1 - \frac{1}{4a^2} = \frac{4a^2(x^2 - 1) - 1}{4a^2}$$

$g'(a) = 0$ となる $a > 0$ は、$a = \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}$ のみである。 $0 < a < \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}$ において $g'(a) < 0$、$a > \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}$ において $g'(a) > 0$ となるため、$g(a)$ は $a = \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}$ で最小値をとる。

最小値は、

$$\begin{aligned} g\left(\frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}\right) &= (x^2 - 1) \cdot \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}} + \frac{1}{4 \cdot \frac{1}{2\sqrt{x^2 - 1}}} \\ &= \frac{\sqrt{x^2 - 1}}{2} + \frac{\sqrt{x^2 - 1}}{2} \\ &= \sqrt{x^2 - 1} \end{aligned}$$

また、$\lim_{a \to +0} g(a) = \infty$、$\lim_{a \to \infty} g(a) = \infty$ であるから、$y$ のとり得る値の範囲は $y \ge \sqrt{x^2 - 1}$ である。

(※ 相加平均と相乗平均の大小関係を用いて、$y = (x^2 - 1)a + \frac{1}{4a} \ge 2\sqrt{(x^2 - 1)a \cdot \frac{1}{4a}} = \sqrt{x^2 - 1}$ と最小値を求めることも可能である。)

(iii) $x^2 - 1 < 0$ すなわち $-1 < x < 1$ のとき

$a > 0$ において $g'(a) = x^2 - 1 - \frac{1}{4a^2} < 0$ であるから、$g(a)$ は単調に減少する。 $\lim_{a \to +0} g(a) = \infty$、$\lim_{a \to \infty} g(a) = -\infty$ であるから、$y$ のとり得る値の範囲はすべての実数である。

解説

軌跡・通過領域の典型問題であり、逆像法・順像法のいずれのアプローチでも比較的スムーズに解答に辿り着くことができる。逆像法(解法1)では2次方程式の解の配置問題に帰着されるが、$f(0) = 1 > 0$ が確定しているため場合分けの見通しが立てやすい。 順像法(解法2)では $a$ の関数として微分する、あるいは相加・相乗平均の関係を利用することで最小値を求めることができる。 境界線の扱いには注意が必要である。領域を整理すると、$y > 0$ においては $x^2 - y^2 \le 1$ となり、$y \le 0$ においては $-1 < x < 1$ となる。直線 $x = \pm 1$ の $y \le 0$ の部分や、点 $(\pm 1, 0)$ が領域に含まれないことを正確に把握して図示することが求められる。

答え

求める領域は、以下の不等式で表される範囲である。

$x < -1$ または $x > 1$ のとき、$y \ge \sqrt{x^2 - 1}$

$x = -1$ または $x = 1$ のとき、$y > 0$

$-1 < x < 1$ のとき、すべての実数 $y$

これを図示すると、不等式 $x^2 - y^2 \le 1$ かつ $y > 0$ で表される領域と、不等式 $-1 < x < 1$ かつ $y \le 0$ で表される領域を合わせたものとなる。

境界線は、双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の $y > 0$ の部分($y = \sqrt{x^2 - 1}$)のみを含み、直線 $x = \pm 1$ の $y \le 0$ の部分は含まない。交点 $(\pm 1, 0)$ も含まれない。

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