トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 22

数学2 領域 問題 22 解説

数学2 領域 問題 22 解説

方針・初手

放物線が $x$ 軸に点 $(t^2, 0)$ で接することから、頂点が $(t^2, 0)$ であるとわかる。これと通る点の条件を用いて、放物線の方程式をパラメータ $t$ を用いて立式する。 その後は、点 $(x, y)$ を固定したときに、その等式を満たす実数 $t$ が存在するための条件を求める「通過領域」の問題として処理する。$s = t^2 \ge 0$ と置き換え、$s$ についての2次方程式が $s \ge 0$ に解をもつ条件を考える方針(逆像法)と、$y$ を $s$ の関数とみて $s \ge 0$ における値域を調べる方針(順像法)の2つが有効である。

解法1

放物線は $x$ 軸に点 $(t^2, 0)$ で接するので、その方程式を $y = a(x - t^2)^2$ とおくことができる。 これが点 $(-1, 1+t^2)$ を通るから、

$$1+t^2 = a(-1 - t^2)^2 = a(1+t^2)^2$$

$t$ は実数であるから $1+t^2 > 0$ であり、両辺を $1+t^2$ で割ると $a = \frac{1}{1+t^2}$ を得る。 よって、放物線の方程式は以下のように表される。

$$y = \frac{(x-t^2)^2}{1+t^2}$$

この放物線が点 $(x, y)$ を通るような実数 $t$ が存在する条件を求める。 $s = t^2$ とおくと、$t$ が実数全体を動くとき $s \ge 0$ である。 式を変形して $s$ について整理する。

$$y(1+s) = s^2 - 2xs + x^2$$

$$s^2 - (2x+y)s + x^2-y = 0 \quad \cdots (1)$$

方程式 (1) が $s \ge 0$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつような $(x, y)$ の条件を求める。 $f(s) = s^2 - (2x+y)s + x^2-y$ とおくと、条件を満たすのは以下のいずれかの場合である。

(i) $f(s) = 0$ が $s \ge 0$ に異なる2つの実数解(重解を含む)をもつ (ii) $f(s) = 0$ が正の解と負の解をもつ (iii) $f(s) = 0$ が $s=0$ を解にもつ

判別式を $D$ とすると、$D = (2x+y)^2 - 4(x^2-y) = y(y+4x+4)$ である。 軸の方程式は $s = \frac{2x+y}{2}$、また $f(0) = x^2-y$ である。

(i) の条件 $D \ge 0$ かつ 軸 $> 0$ かつ $f(0) > 0$ すなわち、 $y(y+4x+4) \ge 0$ かつ $y > -2x$ かつ $y < x^2$ これを満たす領域を $D_1$ とする。

(ii) の条件 $f(0) < 0$ すなわち、$y > x^2$ これを満たす領域を $D_2$ とする。

(iii) の条件 $f(0) = 0$ すなわち、$y = x^2$ これを満たす領域を $D_3$ とする。

求める領域は $D_1 \cup D_2 \cup D_3$ である。$D_2$ と $D_3$ の和集合は $y \ge x^2$ となる。 これと $D_1$ の条件を合わせるため、$x$ の値で場合分けをする。

・ $x \ge 0$ のとき $D_1$ の条件について考える。$y < x^2$ の範囲で $y \ge 0$ とすると、$x \ge 0$ より $-2x \le 0$ だから $y > -2x$ を満たし、また $y+4x+4 > 0$ となるため $y(y+4x+4) \ge 0$ も満たす。よって $0 \le y < x^2$ が $D_1$ となる。($y < 0$ のときは条件を満たす $y$ は存在しない) これと $y \ge x^2$ を合わせて、$y \ge 0$ を得る。

・ $-2 \le x < 0$ のとき $D_1$ の条件について考える。$x^2 + 2x = x(x+2) \le 0$ より $x^2 \le -2x$ となるため、$y > -2x$ と $y < x^2$ を同時に満たす実数 $y$ は存在しない。よって $D_1$ は空集合である。 したがって、$y \ge x^2$ を得る。

・ $x < -2$ のとき $x^2 > -2x > 4$ となる。$D_1$ の条件のうち $y > -2x$ より $y > 4 > 0$ であるから、$y(y+4x+4) \ge 0$ より $y \ge -4x-4$ を得る。 ここで、$-4x-4 - (-2x) = -2x-4 > 0$ より $y \ge -4x-4$ であれば自動的に $y > -2x$ を満たす。また、$x^2 - (-4x-4) = (x+2)^2 > 0$ より $-4x-4 \le y < x^2$ が $D_1$ となる。 これと $y \ge x^2$ を合わせて、$y \ge -4x-4$ を得る。

以上により、求める通過領域は $x \ge 0$ のとき $y \ge 0$ $-2 \le x < 0$ のとき $y \ge x^2$ $x < -2$ のとき $y \ge -4x-4$ となる。

解法2

解法1と同様に、点 $(x, y)$ が放物線上にある条件は、ある実数 $t$ に対して以下の式が成り立つことである。

$$y = \frac{(x-t^2)^2}{1+t^2}$$

$s = t^2$ とおき、$y$ を $s \ge 0$ における $s$ の関数 $g(s)$ とみる。点 $(x, y)$ を固定した $x$ に対して、$s \ge 0$ における $g(s)$ の値域が、求める $y$ の範囲となる。

$$g(s) = \frac{(x-s)^2}{s+1} \quad (s \ge 0)$$

$s$ で微分して増減を調べる。

$$g'(s) = \frac{-2(x-s)(s+1) - (x-s)^2}{(s+1)^2} = \frac{(s-x)(s+x+2)}{(s+1)^2}$$

$g'(s) = 0$ となる $s$ は、$s = x$ または $s = -x-2$ である。 $x$ の値によって $s \ge 0$ の範囲に存在する極値が異なるため、場合分けを行う。

(i) $x \ge 0$ のとき $-x-2 < 0$ となるため、$s \ge 0$ において $g'(s) = 0$ となるのは $s=x$ のみである。 増減表を考えると、$0 \le s < x$ で $g'(s) < 0$、$s > x$ で $g'(s) > 0$ となり、$s=x$ で極小かつ最小となる。 最小値は $g(x) = 0$ である。また $\lim_{s \to \infty} g(s) = \infty$ であるから、値域は $y \ge 0$ となる。

(ii) $-x-2 \ge 0$ すなわち $x \le -2$ のとき $x < 0$ となるため、$s \ge 0$ において $g'(s) = 0$ となるのは $s=-x-2$ のみである。 増減表を考えると、$0 \le s < -x-2$ で $g'(s) < 0$、$s > -x-2$ で $g'(s) > 0$ となり、$s=-x-2$ で極小かつ最小となる。 最小値は

$$g(-x-2) = \frac{(x - (-x-2))^2}{-x-2+1} = \frac{(2x+2)^2}{-x-1} = \frac{4(x+1)^2}{-(x+1)} = -4(x+1) = -4x-4$$

である。また $\lim_{s \to \infty} g(s) = \infty$ であるから、値域は $y \ge -4x-4$ となる。

(iii) $x < 0$ かつ $-x-2 < 0$ すなわち $-2 < x < 0$ のとき $s=x$ も $s=-x-2$ も負となるため、$s \ge 0$ において $g'(s) = 0$ となる $s$ は存在しない。 常に $g'(s) > 0$ となるため、$g(s)$ は $s \ge 0$ において単調増加する。 最小値は $g(0) = x^2$ である。$\lim_{s \to \infty} g(s) = \infty$ であるから、値域は $y \ge x^2$ となる。

以上より、求める通過領域は $x \ge 0$ のとき $y \ge 0$ $-2 \le x < 0$ のとき $y \ge x^2$ $x < -2$ のとき $y \ge -4x-4$ となる。

解説

放物線群の通過領域を求める典型問題である。 解法1のようにパラメータの存在条件(方程式の解の配置問題)に帰着させる「逆像法」と、解法2のようにパラメータを変数とみなして関数の値域を調べる「順像法」の2つのアプローチが考えられる。本問はどちらの方針でも見通しよく解くことができるが、解法1の領域 $D_1$ を求める際の場合分けや、解法2の微分時の極値の条件分岐でミスが起こりやすい。 なお、境界線となっている $y=-4x-4$ は放物線 $y=x^2$ の $x=-2$ における接線であり、曲線群が形成する「包絡線」の一部となっている。

答え

放物線の通りうる範囲は、以下の不等式で表される領域である。

$x \ge 0$ のとき、$y \ge 0$

$-2 \le x < 0$ のとき、$y \ge x^2$

$x < -2$ のとき、$y \ge -4x-4$

図示すると、境界線 $y=0 \ (x \ge 0)$、$y=x^2 \ (-2 \le x < 0)$、$y=-4x-4 \ (x < -2)$ によって囲まれる上側の領域となる。(境界線上の点をすべて含む)

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