数学2 領域 問題 23 解説

方針・初手
球面の方程式を標準形に変形し、中心と半径を把握することが第一歩である。直線上の点は、ベクトルを用いて媒介変数表示することで扱いやすくなる。(1) から (3) まではこの基本操作で解決できる。(4) は、直線を媒介変数で表して球面の方程式に代入し、得られた $2$ 次方程式が実数解を持つ条件(判別式)を考える代数的なアプローチと、直線と球が接する限界の角度を考える幾何的なアプローチが考えられる。
解法1
(1)
与えられた球面 $S$ の方程式 $x^2 + y^2 + z^2 - 4z = 0$ を変形する。
$$x^2 + y^2 + (z - 2)^2 = 4$$
したがって、球面 $S$ の中心 $\text{C}$ の座標は $(0, 0, 2)$、半径は $2$ である。
(2)
直線 $\text{AC}$ 上の点 $\text{P}$ は、実数 $t$ を用いて以下のように表せる。
$$\overrightarrow{\text{OP}} = (1-t)\overrightarrow{\text{OA}} + t\overrightarrow{\text{OC}}$$
$\text{A}(0, 1, 4)$、$\text{C}(0, 0, 2)$ より、
$$\overrightarrow{\text{OP}} = (1-t)(0, 1, 4) + t(0, 0, 2) = (0, 1-t, 4-2t)$$
点 $\text{P}$ は $xy$ 平面上の点であるから、$z$ 座標は $0$ である。
$$4 - 2t = 0$$
これを解いて $t = 2$ を得る。このとき、
$$\overrightarrow{\text{OP}} = (0, -1, 0)$$
よって、点 $\text{P}$ の座標は $(0, -1, 0)$ である。
(3)
直線 $\text{AB}$ 上の点は、実数 $s$ を用いて $\overrightarrow{\text{OA}} + s\overrightarrow{\text{AB}}$ と表せる。
$$\overrightarrow{\text{AB}} = (4-0, -1-1, 0-4) = (4, -2, -4)$$
であるから、直線 $\text{AB}$ 上の任意の点の座標は $(4s, 1-2s, 4-4s)$ となる。 これが球面 $S$ 上にあるとき、(1) で求めた $S$ の方程式を満たす。
$$(4s)^2 + (1-2s)^2 + (4-4s - 2)^2 = 4$$
展開して整理する。
$$16s^2 + (1 - 4s + 4s^2) + (4 - 16s + 16s^2) = 4$$
$$36s^2 - 20s + 1 = 0$$
因数分解する。
$$(18s - 1)(2s - 1) = 0$$
よって、$s = \frac{1}{2}, \frac{1}{18}$ を得る。
$s = \frac{1}{2}$ のとき、座標は $(2, 0, 2)$ となる。 $s = \frac{1}{18}$ のとき、座標は $\left(\frac{2}{9}, \frac{8}{9}, \frac{34}{9}\right)$ となる。
(4)
点 $\text{Q}$ は $xy$ 平面上の点であるから、$\text{Q}(X, Y, 0)$ とおく。 直線 $\text{AQ}$ 上の点 $\text{R}$ は、実数 $u$ を用いて次のように表せる。
$$\overrightarrow{\text{OR}} = (1-u)\overrightarrow{\text{OA}} + u\overrightarrow{\text{OQ}}$$
成分で表すと、
$$\overrightarrow{\text{OR}} = (1-u)(0, 1, 4) + u(X, Y, 0) = (uX, 1 - u + uY, 4 - 4u)$$
点 $\text{R}$ が球面 $S$ 上にあるための条件は、この座標が $S$ の方程式を満たすことである。
$$(uX)^2 + (1 - u + uY)^2 + (4 - 4u - 2)^2 = 4$$
$$X^2 u^2 + \{1 - u(1 - Y)\}^2 + (2 - 4u)^2 = 4$$
展開して $u$ について整理する。
$$X^2 u^2 + 1 - 2(1-Y)u + (1-Y)^2 u^2 + 4 - 16u + 16u^2 = 4$$
$$\{X^2 + (1-Y)^2 + 16\}u^2 - 2(1 - Y + 8)u + 1 = 0$$
$$(X^2 + Y^2 - 2Y + 17)u^2 - 2(9 - Y)u + 1 = 0$$
直線 $\text{AQ}$ と球面 $S$ が共有点を持つためには、この $u$ についての $2$ 次方程式が実数解を持てばよい。 $u^2$ の係数は $X^2 + (Y-1)^2 + 16 > 0$ であるため、これは常に $2$ 次方程式である。 判別式を $D$ とすると、$D \ge 0$ が条件となる。
$$\frac{D}{4} = (9 - Y)^2 - (X^2 + Y^2 - 2Y + 17) \ge 0$$
$$81 - 18Y + Y^2 - X^2 - Y^2 + 2Y - 17 \ge 0$$
$$-X^2 - 16Y + 64 \ge 0$$
$$16Y \le -X^2 + 64$$
$$Y \le -\frac{1}{16}X^2 + 4$$
したがって、点 $\text{Q}(x, y)$ の動く範囲は、不等式 $y \le -\frac{1}{16}x^2 + 4$ が表す領域である。
解法2
(4) について(図形的な考察による解法)
中心 $\text{C}(0, 0, 2)$、半径 $r=2$ の球面 $S$ に対し、点 $\text{A}(0, 1, 4)$ から引いた接線が球面と接する点を $\text{T}$ とする。 $\triangle\text{ACT}$ は $\angle\text{ATC} = 90^\circ$ の直角三角形である。 線分 $\text{AC}$ の長さは、
$$\text{AC} = \sqrt{0^2 + (-1)^2 + (-2)^2} = \sqrt{5}$$
したがって、
$$\cos \angle\text{CAT} = \frac{\text{AT}}{\text{AC}} = \frac{\sqrt{(\sqrt{5})^2 - 2^2}}{\sqrt{5}} = \frac{1}{\sqrt{5}}$$
直線 $\text{AQ}$ と球面 $S$ が共有点を持つための条件は、ベクトル $\overrightarrow{\text{AQ}}$ と $\overrightarrow{\text{AC}}$ のなす角 $\theta$ が $\angle\text{CAT}$ 以下になることである。 ($\text{A}$ の $z$ 座標が $4$、$S$ が $0 \le z \le 4$ に存在し、$\text{Q}$ が $z=0$ にあるため、半直線 $\text{AQ}$ の方向のみを考えればよい)
点 $\text{Q}$ の座標を $(X, Y, 0)$ とすると、 $\overrightarrow{\text{AQ}} = (X, Y-1, -4)$、$\overrightarrow{\text{AC}} = (0, -1, -2)$ である。
内積と大きさはそれぞれ以下の通りである。
$$\overrightarrow{\text{AQ}} \cdot \overrightarrow{\text{AC}} = 0 - (Y-1) + 8 = 9 - Y$$
$$|\overrightarrow{\text{AQ}}| = \sqrt{X^2 + (Y-1)^2 + 16} = \sqrt{X^2 + Y^2 - 2Y + 17}$$
$$|\overrightarrow{\text{AC}}| = \sqrt{5}$$
したがって、$\cos \theta$ は次のように表される。
$$\cos \theta = \frac{9 - Y}{\sqrt{5}\sqrt{X^2 + Y^2 - 2Y + 17}}$$
条件 $0 \le \theta \le \angle\text{CAT} < 90^\circ$ より、$\cos \theta \ge \frac{1}{\sqrt{5}}$ かつ $\cos \theta > 0$ である。 $\cos \theta > 0$ より $9 - Y > 0$、すなわち $Y < 9$ である。このもとで、
$$\frac{9 - Y}{\sqrt{5}\sqrt{X^2 + Y^2 - 2Y + 17}} \ge \frac{1}{\sqrt{5}}$$
両辺は正であるから、$2$ 乗しても同値である。
$$\frac{(9 - Y)^2}{5(X^2 + Y^2 - 2Y + 17)} \ge \frac{1}{5}$$
$$(9 - Y)^2 \ge X^2 + Y^2 - 2Y + 17$$
$$81 - 18Y + Y^2 \ge X^2 + Y^2 - 2Y + 17$$
$$16Y \le -X^2 + 64$$
$$Y \le -\frac{1}{16}X^2 + 4$$
このとき $Y \le 4 < 9$ を満たす。 よって、点 $\text{Q}(x, y)$ の動く範囲は $y \le -\frac{1}{16}x^2 + 4$ で表される領域である。
解説
空間座標における直線と球面の交差を扱う標準的な問題である。直線を媒介変数表示し、球面の方程式に代入して $2$ 次方程式に帰着させる手法は汎用性が高く、確実な計算力が求められる。(4) では、代数的に判別式を用いる解法(解法1)が素直だが、球に引いた接線が作る円錐をイメージし、ベクトルのなす角を利用する幾何的なアプローチ(解法2)も視覚的で見通しが良い。
答え
(1) 中心 $(0, 0, 2)$,半径 $2$
(2) $(0, -1, 0)$
(3) $(2, 0, 2), \left(\frac{2}{9}, \frac{8}{9}, \frac{34}{9}\right)$
(4) 点 $\text{Q}$ の動く範囲は $xy$ 平面上の不等式 $y \le -\frac{1}{16}x^2 + 4$ が表す領域である。図示すると、放物線 $y = -\frac{1}{16}x^2 + 4$ およびその下側の領域となる(境界線を含む)。
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