数学2 領域 問題 27 解説

方針・初手
対数の底が $10 > 1$ であることに注意して、真数同士の不等式を導く。その際、$x^2 = |x|^2$、$|x^3| = |x|^3$ であることを用いて、不等式を $|x|$ と $|y|$ のみの式に整理する。これにより、求める領域が $x$ 軸および $y$ 軸に関して対称であることがわかるため、第1象限($x \geqq 0$、$y \geqq 0$)の領域を調べ、その結果を対称移動させる方針をとる。
解法1
(1) 与えられた不等式において、真数部分はすべての実数 $x, y$ に対して
$$2|x^3| + 5x^2 + 5|x| + 2 + |y| \geqq 2 > 0$$
$$|x| + 1 \geqq 1 > 0$$
$$|x| + 2 \geqq 2 > 0$$
を満たすため、真数条件は常に成り立つ。
不等式の右辺を変形すると
$$\log_{10}(|x| + 1) + 2\log_{10}(|x| + 2) = \log_{10}\{(|x| + 1)(|x| + 2)^2\}$$
となる。底の $10$ は $1$ より大きいから、真数同士を比較して
$$2|x|^3 + 5x^2 + 5|x| + 2 + |y| \leqq (|x| + 1)(|x| + 2)^2$$
が成り立つ。ここで $x^2 = |x|^2$、$|x^3| = |x|^3$ であることを用いて右辺を展開・整理すると
$$2|x|^3 + 5|x|^2 + 5|x| + 2 + |y| \leqq (|x| + 1)(|x|^2 + 4|x| + 4)$$
$$2|x|^3 + 5|x|^2 + 5|x| + 2 + |y| \leqq |x|^3 + 5|x|^2 + 8|x| + 4$$
$$|y| \leqq -|x|^3 + 3|x| + 2$$
を得る。 この不等式が表す領域 $D$ は、$x$ を $-x$ に、$y$ を $-y$ に置き換えても同値であるから、$x$ 軸および $y$ 軸に関して対称である。 したがって、第1象限($x \geqq 0$ かつ $y \geqq 0$)における領域 $D_1$ を考え、これを $x$ 軸、$y$ 軸に関して対称移動させればよい。
$x \geqq 0$ かつ $y \geqq 0$ のとき、絶対値記号を外して
$$y \leqq -x^3 + 3x + 2$$
となる。ここで $f(x) = -x^3 + 3x + 2$ とおくと
$$f'(x) = -3x^2 + 3 = -3(x - 1)(x + 1)$$
$x \geqq 0$ における $f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $0$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $f(x)$ | $2$ | $\nearrow$ | $4$ | $\searrow$ |
また、$f(x) = 0$ となる $x$ を求めると
$$-(x^3 - 3x - 2) = -(x + 1)^2(x - 2) = 0$$
$x \geqq 0$ より $x = 2$ である。 以上より、領域 $D_1$ は曲線 $y = -x^3 + 3x + 2$($0 \leqq x \leqq 2$)と $x$ 軸、$y$ 軸で囲まれた部分である。 求める領域 $D$ は、この領域 $D_1$ を $x$ 軸、$y$ 軸に関して対称移動させたものであり、境界線を含む。 その形状は、点 $(\pm1, 4)$ および $(\pm1, -4)$ を頂点(極値)とし、座標軸との交点 $(\pm2, 0)$、$(0, \pm2)$ を通る閉曲線で囲まれた図形となる。
(2) 領域 $D$ は $x$ 軸および $y$ 軸に関して対称であるから、求める面積 $S$ は第1象限の領域 $D_1$ の面積の $4$ 倍に等しい。 したがって
$$S = 4 \int_{0}^{2} (-x^3 + 3x + 2) dx$$
$$S = 4 \left[ -\frac{1}{4}x^4 + \frac{3}{2}x^2 + 2x \right]_0^2$$
$$S = 4 \left( -\frac{16}{4} + \frac{12}{2} + 4 \right)$$
$$S = 4 \left( -4 + 6 + 4 \right)$$
$$S = 4 \times 6 = 24$$
解説
絶対値記号を含む方程式や不等式が表す領域を図示する問題である。$|y| \leqq f(|x|)$ の形を導出することで、$x$ 軸および $y$ 軸に対する対称性を利用できることに気づくのが最大のポイントである。これにより、第1象限のみの考察で済むため、計算量や図示の手間を大幅に減らすことができる。対数不等式を扱う際の基本である「真数条件の確認」と「底と $1$ の大小比較」も省略せずに記述する必要がある。
答え
(1) 第1象限において $y \leqq -x^3 + 3x + 2$ ($x \geqq 0, y \geqq 0$) を満たす領域を、$x$ 軸および $y$ 軸に関して対称移動させた領域(境界線を含む)
(2) $24$
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