トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 28

数学2 領域 問題 28 解説

数学2 領域 問題 28 解説

方針・初手

2つの放物線の交点に関する問題である。交点の $x$ 座標は、2つの放物線の方程式から $y$ を消去した2次方程式の実数解として得られる。 (1) 交点の $x$ 座標の差が与えられているため、解と係数の関係を利用して $a, b$ の関係式を導く。 (2) 2交点を結ぶ直線の方程式を $a$ を用いて表し、$a$ についての方程式の解の配置問題、あるいは $a$ の2次関数の値域の問題に帰着させて通過領域を求める。

解法1

(1)

放物線 $C: y=(x-a)^2+b$ と $D: y=-x^2$ の交点の $x$ 座標は、これらを連立した方程式

$$(x-a)^2+b = -x^2$$

すなわち

$$2x^2 - 2ax + a^2 + b = 0 \quad \cdots \text{①}$$

の実数解である。 $C$ と $D$ が異なる2点で交わるための条件は、①が異なる2つの実数解をもつことである。①の判別式を $D'$ とすると、

$$\frac{D'}{4} = (-a)^2 - 2(a^2 + b) = -a^2 - 2b > 0$$

$$b < -\frac{1}{2}a^2 \quad \cdots \text{②}$$

このとき、①の2つの解を $\alpha, \beta \ (\alpha < \beta)$ とすると、解と係数の関係より

$$\alpha + \beta = a, \quad \alpha\beta = \frac{a^2 + b}{2}$$

2交点の $x$ 座標の差が $1$ であるから、$\beta - \alpha = 1$ である。 両辺を2乗して

$$(\beta - \alpha)^2 = 1$$

$$(\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta = 1$$

解と係数の関係を代入して

$$a^2 - 4 \cdot \frac{a^2 + b}{2} = 1$$

$$a^2 - 2a^2 - 2b = 1$$

$$-a^2 - 2b = 1$$

$$b = -\frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2} \quad \cdots \text{③}$$

③を満たすとき、$-a^2 - 2b = 1 > 0$ となり、条件②を常に満たす。 よって、$C$ の頂点 $(a, b)$ を $(x, y)$ とおくと、$x = a, \ y = b$ であり、$a$ は実数全体を動くので、求める軌跡の方程式は

$$y = -\frac{1}{2}x^2 - \frac{1}{2}$$

である。

(2)

$C$ と $D$ の2交点を通る直線 $l$ の方程式を $y = mx + n$ とおく。 2交点の $x$ 座標 $\alpha, \beta$ は、$y = -x^2$ と $y = mx + n$ から $y$ を消去した方程式

$$-x^2 = mx + n$$

$$x^2 + mx + n = 0$$

の解である。解と係数の関係より

$$\alpha + \beta = -m, \quad \alpha\beta = n$$

(1)より、$\alpha + \beta = a, \ \alpha\beta = \frac{a^2 + b}{2}$ であるから

$$-m = a, \quad n = \frac{a^2 + b}{2}$$

$$m = -a$$

また、(1)の結果 $b = -\frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2}$ を $n$ に代入して

$$n = \frac{1}{2}\left(a^2 - \frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4}a^2 - \frac{1}{4}$$

したがって、直線 $l$ の方程式は

$$y = -ax + \frac{1}{4}a^2 - \frac{1}{4}$$

これを $a$ についての2次方程式として整理すると

$$a^2 - 4xa - 4y - 1 = 0 \quad \cdots \text{④}$$

直線 $l$ が点 $(x, y)$ を通過するための条件は、方程式④を満たす実数 $a$ が存在することである。 ④の判別式を $\Delta$ とすると、$\Delta \geqq 0$ であればよい。

$$\frac{\Delta}{4} = (-2x)^2 - 1 \cdot (-4y - 1) = 4x^2 + 4y + 1 \geqq 0$$

$$4y \geqq -4x^2 - 1$$

$$y \geqq -x^2 - \frac{1}{4}$$

よって、直線が通過する範囲は上の不等式が表す領域である。

解法2

(2)の別解(2次関数の値域を利用)

(1)より、2交点を結ぶ直線 $l$ の方程式は

$$y = -ax + \frac{1}{4}a^2 - \frac{1}{4}$$

と表される。 実数 $a$ が変化するとき、点 $(x, y)$ が直線 $l$ の通過領域に含まれる条件は、$y$ が $a$ の関数

$$f(a) = \frac{1}{4}a^2 - xa - \frac{1}{4}$$

のとりうる値の範囲に含まれることである。 $f(a)$ を平方完成すると

$$f(a) = \frac{1}{4}(a - 2x)^2 - x^2 - \frac{1}{4}$$

$a$ はすべての実数値をとりうるため、$f(a)$ は $a = 2x$ のとき最小値 $-x^2 - \frac{1}{4}$ をとる。 したがって、$f(a)$ のとりうる値の範囲は

$$f(a) \geqq -x^2 - \frac{1}{4}$$

すなわち

$$y \geqq -x^2 - \frac{1}{4}$$

これが求める通過領域である。

解法3

(2)の別解(束の考え方による直線の方程式の導出)

放物線 $C: x^2 - 2ax - y + a^2 + b = 0$ と $D: x^2 + y = 0$ の交点を通る図形の方程式は、実数 $k$ を用いて

$$k(x^2 + y) + (x^2 - 2ax - y + a^2 + b) = 0$$

と表すことができる。これが直線となるのは、$x^2$ の項が消去されるとき、すなわち $k = -1$ のときである。

$$-(x^2 + y) + (x^2 - 2ax - y + a^2 + b) = 0$$

$$-2y - 2ax + a^2 + b = 0$$

$$y = -ax + \frac{a^2 + b}{2}$$

これに(1)の結果 $b = -\frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2}$ を代入して

$$y = -ax + \frac{1}{2}\left(a^2 - \frac{1}{2}a^2 - \frac{1}{2}\right)$$

$$y = -ax + \frac{1}{4}a^2 - \frac{1}{4}$$

以降、解法1や解法2と同様にして通過領域を求める。

解説

2次曲線の交点と解と係数の関係、および直線の通過領域に関する標準的な問題である。 (1)では、放物線の交点の $x$ 座標の差が条件として与えられているため、連立して得られる2次方程式の解と係数の関係を利用するのが定石である。交点をもつ条件(判別式 $> 0$)の確認を忘れないようにしたい。 (2)の通過領域を求める問題は、「実数解の存在条件(判別式)に帰着させる方法(解法1)」と、「関数の値域を考える方法(解法2)」の2つのアプローチがある。どちらも重要であり、問題によって計算量がかわるため使い分けられるようにしておくとよい。 また、解法3で示したような「曲線束」の考え方を用いると、交点を通る直線の方程式をより計算量を少なく導出できる。

答え

(1) 軌跡は放物線 $y = -\frac{1}{2}x^2 - \frac{1}{2}$。図示は、頂点 $(0, -\frac{1}{2})$ で上に凸の放物線となる。

(2) 通過する範囲は不等式 $y \geqq -x^2 - \frac{1}{4}$ の表す領域。境界線を含む。図示は、放物線 $y = -x^2 - \frac{1}{4}$ およびその上側の領域となる。

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