トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 31

数学2 領域 問題 31 解説

数学2 領域 問題 31 解説

方針・初手

(1) 2つの放物線の式を連立した2次方程式が、指定された2つの区間($-1 < x < 0$ と $0 < x < 1$)にそれぞれ1つずつ実数解を持つための条件を立式する。「解の配置」の定石通り、2次関数をおいて端点における値の符号を調べる。

(2) 変数が多くて扱いづらいため、$x$ を固定して考える「1文字固定法(ファクシミリの原理)」を用いる。$x$ を定数とみなしたとき、$y$ は $a, b$ の1次式として表されるため、(1)で求めた領域における1次式のとりうる値の範囲(最大値と最小値)を求めることに帰着する。

解法1

(1)

放物線 $C: y = x^2 + ax + b$ と $y = -x^2$ から $y$ を消去すると、

$$x^2 + ax + b = -x^2$$

整理して、

$$2x^2 + ax + b = 0$$

題意を満たすには、この $x$ についての2次方程式が $-1 < x < 0$ と $0 < x < 1$ の範囲にそれぞれ1つずつ実数解を持てばよい。 $f(x) = 2x^2 + ax + b$ とおく。 放物線 $y = f(x)$ は下に凸であるから、求める条件は

$$\begin{cases} f(-1) > 0 \\ f(0) < 0 \\ f(1) > 0 \end{cases}$$

となる。それぞれ計算すると、

$$\begin{cases} 2 - a + b > 0 \\ b < 0 \\ 2 + a + b > 0 \end{cases}$$

すなわち、

$$\begin{cases} b > a - 2 \\ b < 0 \\ b > -a - 2 \end{cases}$$

これを満たす点 $(a, b)$ の領域は、直線 $b = a - 2$ の上側、直線 $b = 0$ の下側、直線 $b = -a - 2$ の上側が重なる部分である。

(2)

放物線 $C$ の方程式は $y = ax + b + x^2$ である。 点 $(x, y)$ が $C$ の通りうる領域にあるための条件は、(1)で求めた領域内にこの等式を満たす実数 $(a, b)$ が存在することである。 ここで、$x$ を任意の実数として固定し、点 $(a, b)$ が(1)の領域内を動くときの $y$ のとりうる値の範囲を求める。

$z = ax + b$ とおく。 点 $(a, b)$ は、3直線 $b = 0$, $b = a - 2$, $b = -a - 2$ の交点である3点 $A(-2, 0)$, $B(2, 0)$, $C(0, -2)$ を頂点とする三角形の内部を動く。 $z$ は $a, b$ の1次式であるから、その値域は、三角形の頂点 $A, B, C$ における $z$ の値の最小値から最大値までの開区間となる。 各頂点における $z$ の値は、

$$\begin{aligned} z_A &= -2x \\ z_B &= 2x \\ z_C &= -2 \end{aligned}$$

である。したがって、$z$ のとりうる値の範囲は

$$\min(-2x, 2x, -2) < z < \max(-2x, 2x, -2)$$

となる。 最大値 $\max(-2x, 2x, -2)$ を $M(x)$、最小値 $\min(-2x, 2x, -2)$ を $m(x)$ とおく。 $x$ の符号にかかわらず常に $-2x \ge 0$ または $2x \ge 0$ のいずれかが成り立つため、これらは負の定数 $-2$ より必ず大きい。 よって $M(x) = \max(-2x, 2x) = 2|x|$ である。

最小値 $m(x)$ については、$x$ の値によって次のように場合分けされる。

(i) $x < -1$ のとき $2x < -2 < -2x$ より、$m(x) = 2x$

(ii) $-1 \le x \le 1$ のとき $-2 \le 2x$ かつ $-2 \le -2x$ より、$m(x) = -2$

(iii) $x > 1$ のとき $-2x < -2 < 2x$ より、$m(x) = -2x$

$y = z + x^2$ であるから、$y$ のとりうる範囲 $m(x) + x^2 < y < M(x) + x^2$ は次のように求められる。

(ア) $x < -1$ のとき $M(x) = -2x$, $m(x) = 2x$ より $x^2 + 2x < y < x^2 - 2x$

(イ) $-1 \le x < 0$ のとき $M(x) = -2x$, $m(x) = -2$ より $x^2 - 2 < y < x^2 - 2x$

(ウ) $0 \le x \le 1$ のとき $M(x) = 2x$, $m(x) = -2$ より $x^2 - 2 < y < x^2 + 2x$

(エ) $x > 1$ のとき $M(x) = 2x$, $m(x) = -2x$ より $x^2 - 2x < y < x^2 + 2x$

これらの不等式が表す領域が、求める通過領域である。

解説

(1)は「解の配置」の基本問題である。グラフを用いて端点における関数の値の符号に着目する定石通りに処理すれば容易に求まる。 (2)は「領域と図形」に関する通過領域の問題である。ここでは $x$ を固定し、$a, b$ の動く範囲から $y$ のとりうる範囲を決定する「ファクシミリの原理(1文字固定法)」を用いると計算量が抑えられ、見通しがよい。1次式の最大・最小が多角形領域の端点(頂点)でとることを利用し、各頂点での値を比較して上限と下限を $x$ の関数として表現する手法は、包絡線を求める手法よりも汎用的で強力である。

答え

(1) 点 $(a, b)$ のとりうる範囲は、3点 $(-2, 0), (2, 0), (0, -2)$ を頂点とする三角形の内部である。

境界線はすべて含まない。

(2) 放物線 $C$ の通りうる範囲は、以下の不等式で表される領域である。

$x < -1$ のとき、$x^2 + 2x < y < x^2 - 2x$

$-1 \le x < 0$ のとき、$x^2 - 2 < y < x^2 - 2x$

$0 \le x \le 1$ のとき、$x^2 - 2 < y < x^2 + 2x$

$x > 1$ のとき、$x^2 - 2x < y < x^2 + 2x$

境界線はすべて含まない。

(図示する領域は、$y=x^2+2x, y=x^2-2x, y=x^2-2$ の3つの放物線で囲まれた部分となる。)

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。