トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 32

数学2 領域 問題 32 解説

数学2 領域 問題 32 解説

方針・初手

点 $(x, y)$ を曲線 $C_t$ が通過するという条件を、$t$ についての方程式 $t^3 - 3tx^2 + y = 0$ が実数解をもつ条件として捉える(逆像法)。 曲線 $C_t$ が点 $(x, y)$ をちょうど $k$ 回通過するとは、この $t$ についての3次方程式が異なる実数解をちょうど $k$ 個もつことである。 方程式を $y = -t^3 + 3x^2 t$ と変形し(定数分離)、$t$ の関数 $g(t) = -t^3 + 3x^2 t$ のグラフと直線 $Y = y$ の共有点の個数を調べる方針をとる。

解法1

曲線 $C_t : y = 3tx^2 - t^3$ が点 $(x, y)$ を通る条件は、方程式

$$y = -t^3 + 3x^2 t$$

を満たす実数 $t$ が存在することである。 この方程式の異なる実数解の個数が、曲線 $C_t$ が点 $(x, y)$ を通過する回数に等しい。 そこで、$t$ の関数 $g(t) = -t^3 + 3x^2 t$ を考え、$Y = g(t)$ のグラフと直線 $Y = y$ の共有点の個数を調べる。

$g(t)$ を $t$ で微分すると

$$g'(t) = -3t^2 + 3x^2 = -3(t - x)(t + x)$$

となる。

(i) $x = 0$ のとき

$g(t) = -t^3$ となり、$g'(t) \leqq 0$ であるから $g(t)$ は単調に減少する。 値域は実数全体であるから、直線 $Y = y$ と曲線 $Y = g(t)$ は任意の $y$ に対して常にただ1点で交わる。

(ii) $x \neq 0$ のとき

$g'(t) = 0$ となるのは $t = \pm x$ のときであり、$g(t)$ はこれらの点で極値をもつ。 $x$ の正負にかかわらず、$t = -|x|$ で極小値、$t = |x|$ で極大値をとる。

極大値は

$$g(|x|) = -|x|^3 + 3x^2|x| = 2|x|^3$$

極小値は

$$g(-|x|) = -(-|x|)^3 + 3x^2(-|x|) = -2|x|^3$$

である。

(1) ちょうど3回通過する領域

直線 $Y = y$ が曲線 $Y = g(t)$ とちょうど3点で交わる条件を求める。 これは $x \neq 0$ の場合において、直線 $Y = y$ が極小値と極大値の間にあることと同値である。 したがって、求める条件は

$$-2|x|^3 < y < 2|x|^3$$

となる。 なお、この不等式に $x = 0$ を代入すると $0 < y < 0$ となり解をもたないため、$x \neq 0$ の条件はこの不等式に内包されている。 よって、求める領域は不等式 $-2|x|^3 < y < 2|x|^3$ が表す領域であり、境界線を含まない。

(2) ちょうど1回通過する領域

直線 $Y = y$ が曲線 $Y = g(t)$ とちょうど1点で交わる条件を求める。 (i) より、$x = 0$ のときは任意の $y$ に対して1点で交わる。 (ii) より、$x \neq 0$ のときは、$y$ が極大値より大きい、または極小値より小さいことと同値である。すなわち

$$y > 2|x|^3 \quad \text{または} \quad y < -2|x|^3$$

である。 この領域と $x = 0$ ($y$ 軸上のすべての点)を合わせたものが求める領域である。 境界については、原点 $(0, 0)$ は $x = 0$ の場合に含まれるため領域内の点であるが、それ以外の境界線 $y = \pm 2x^3$ 上の点は実数解を2つ(1つの単解と1つの2重解)もつため含まれない。

解説

「動く曲線が通過する領域」を求める問題の典型的な解法である「逆像法(存在条件への言い換え)」を用いる問題である。 点 $(x, y)$ を固定して $t$ の方程式とみなし、定数 $y$ を分離することで、3次関数のグラフと直線の共有点の問題に帰着させるアプローチが最も見通しが良い。 (2) において、$x=0$ の場合を忘れずに考慮すること、および境界上の点において原点 $(0,0)$ だけが「ちょうど1回通過する」条件を満たすことに注意が必要である。原点では $t^3 = 0$ となり、3重解をもつため「異なる実数解は1個」と判定される。

答え

(1) 不等式 $-2|x|^3 < y < 2|x|^3$ で表される領域。境界線は含まない。

(2) 不等式 $y > 2|x|^3$ または $y < -2|x|^3$ で表される領域、および $y$ 軸($x = 0$)。境界線は原点 $(0,0)$ のみ含み、他の境界線は含まない。

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