数学2 領域 問題 34 解説

方針・初手
絶対値を含む不等式であるため、変数 $x, y$ の符号に応じた場合分けを行うのが基本である。しかし、式が $|x|$ と $|y|$ のみで構成されていることから、対称性に注目して第1象限の領域を特定し、それを各象限に展開する方針が効率的である。図形的な特徴(円や三角形)を見抜くことで、面積計算も積分を用いずに初等幾何で処理できる。
解法1
与えられた不等式 $x^2 + y^2 \leqq |x| + |y|$ において、$f(x, y) = x^2 + y^2 - |x| - |y|$ とおく。
$f(-x, y) = f(x, -y) = f(x, y)$ が成り立つため、不等式 $f(x, y) \leqq 0$ の表す領域は $x$ 軸および $y$ 軸に関して対称である。したがって、$x \geqq 0, y \geqq 0$ の範囲(第1象限および境界)における領域を求め、それを $x$ 軸、$y$ 軸および原点に関して対称移動すればよい。
(i) $x \geqq 0, y \geqq 0$ のとき
与えられた不等式は絶対値記号がそのまま外れて、
$$x^2 + y^2 \leqq x + y$$
となる。これを平方完成すると、
$$\left(x - \frac{1}{2}\right)^2 + \left(y - \frac{1}{2}\right)^2 \leqq \frac{1}{2}$$
となる。これは、点 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ を中心とする半径 $\frac{1}{\sqrt{2}}$ の円の内部および境界を表す。
この円は、原点 $(0,0)$、点 $(1,0)$、点 $(0,1)$ を通る。点 $(1,0)$ と点 $(0,1)$ の中点は円の中心 $\left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}\right)$ と一致するため、これら2点を結ぶ線分はこの円の直径である。 ゆえに、第1象限において不等式を満たす領域は、頂点が $(0,0), (1,0), (0,1)$ である直角二等辺三角形と、線分 $(1,0)-(0,1)$ を直径として外側に描かれた半円を合わせた図形となる。
(ii) 全体領域の図示と面積
(i) で求めた領域を、対称性を用いて残りの象限に展開する。 全体の領域は、4点 $(1,0), (0,1), (-1,0), (0,-1)$ を頂点とする正方形の各辺に、その辺を直径とする半円を外側につなぎ合わせた図形となる。境界線はすべて含まれる。これが (1) の領域である。
(2) の面積 $S$ については、この図形を中央の正方形部分と周りの半円部分に分けて計算する。
中心にある正方形は対角線の長さが $2$ のひし形であるから、その面積 $S_1$ は、
$$S_1 = \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2 = 2$$
である。
正方形の各辺の長さは $\sqrt{1^2+1^2} = \sqrt{2}$ であるから、外側にある4つの半円の半径はいずれも $\frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{1}{\sqrt{2}}$ である。 半円4つ分の面積 $S_2$ は、半径 $\frac{1}{\sqrt{2}}$ の円2つ分の面積に等しいので、
$$S_2 = 2 \cdot \pi \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2 = \pi$$
である。
したがって、求める面積 $S$ はこれらを足し合わせて、
$$S = S_1 + S_2 = \pi + 2$$
となる。
解説
絶対値を含む方程式や不等式の図示において、文字を $-x$ や $-y$ に置き換えても式が変化しない場合は、グラフが各座標軸に関して対称になるという性質が非常に役立つ。本問のように円が絡む領域の面積を求める際、定積分を使って計算することも可能だが、円と直線の交点を調べ、図形がどのような基本図形(三角形、半円など)の組み合わせで構成されているかを把握したほうが、計算ミスを防ぎやすく簡明である。
答え
(1) 4点 $(1,0), (0,1), (-1,0), (0,-1)$ を頂点とする正方形の各辺を直径とし、外側に向けて描かれた4つの半円と、正方形を合わせた図形(境界を含む)。
(2) $\pi + 2$
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