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数学2 領域 問題 40 解説

数学2 領域 問題 40 解説

方針・初手

(1)は、与えられた $\theta$ の値を直線の方程式に直接代入して求める。

(2)は、点と直線の距離の公式を用いて、距離が $\theta$ を含まない定数になることを計算する。

(3)は、直線が通過する領域を求める問題である。与えられた方程式を $\theta$ についての方程式とみなし、$0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ の範囲に実数解をもつような $(x, y)$ の条件を求める「逆像法」を用いる。三角関数を含むため、$t = \tan\frac{\theta}{2}$ と置換して $t$ の2次方程式の解の配置問題に帰着させるのが定石である。 また、(2)の結果から直線が常に一定の円に接することを利用し、図形的な包絡線として領域を捉える別解も有効である。

解法1

(1) 直線 $l$ の方程式は以下の通りである。

$$x \cos\theta + y \sin\theta = \cos\theta + 1$$

$\theta = 0$ のとき、$\cos 0 = 1, \sin 0 = 0$ であるから、方程式に代入すると

$$x \cdot 1 + y \cdot 0 = 1 + 1 \iff x = 2$$

$\theta = \frac{\pi}{2}$ のとき、$\cos\frac{\pi}{2} = 0, \sin\frac{\pi}{2} = 1$ であるから、方程式に代入すると

$$x \cdot 0 + y \cdot 1 = 0 + 1 \iff y = 1$$

(2) 直線 $l$ の方程式を一般形に変形する。

$$(\cos\theta)x + (\sin\theta)y - (\cos\theta + 1) = 0$$

点 $(1, 0)$ と直線 $l$ の距離 $d$ は、点と直線の距離の公式より以下のようになる。

$$d = \frac{|\cos\theta \cdot 1 + \sin\theta \cdot 0 - (\cos\theta + 1)|}{\sqrt{\cos^2\theta + \sin^2\theta}}$$

これを計算すると、

$$d = \frac{|-1|}{1} = 1$$

したがって、距離は $\theta$ の値によらず $1$ で一定である。

(3) 方程式 $x \cos\theta + y \sin\theta = \cos\theta + 1$ が $0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ を満たす実数解 $\theta$ をもつような $(x, y)$ の条件を求める。 $t = \tan\frac{\theta}{2}$ とおく。$\theta$ の範囲が $0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ であるから、$t$ の取り得る値の範囲は $0 \leqq t \leqq 1$ である。 $\cos\theta$ と $\sin\theta$ は $t$ を用いて次のように表される。

$$\cos\theta = \frac{1-t^2}{1+t^2}, \quad \sin\theta = \frac{2t}{1+t^2}$$

これらを直線 $l$ の方程式に代入する。

$$x \frac{1-t^2}{1+t^2} + y \frac{2t}{1+t^2} = \frac{1-t^2}{1+t^2} + 1$$

両辺に $1+t^2$ ($1+t^2 \neq 0$)を掛けて整理する。

$$x(1-t^2) + 2yt = 1-t^2 + 1+t^2$$

$$x - xt^2 + 2yt = 2$$

$$xt^2 - 2yt + 2 - x = 0$$

この $t$ についての方程式が、$0 \leqq t \leqq 1$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求める。 $f(t) = xt^2 - 2yt + 2 - x$ とおく。

(i) $x = 0$ のとき $f(t) = -2yt + 2 = 0$ となり、$yt = 1$ を得る。 これが $0 \leqq t \leqq 1$ に解をもつので、$t = \frac{1}{y}$ より

$$0 \leqq \frac{1}{y} \leqq 1 \iff y \geqq 1$$

(ii) $x \neq 0$ のとき $f(t) = 0$ は2次方程式であり、放物線 $y = f(t)$ の軸は $t = \frac{y}{x}$ である。区間の端点における値は以下の通りである。

$$f(0) = 2 - x$$

$$f(1) = x - 2y + 2 - x = 2 - 2y$$

判別式を $D$ とすると、

$$\frac{D}{4} = y^2 - x(2-x) = x^2 - 2x + y^2 = (x-1)^2 + y^2 - 1$$

(ア) $x > 0$ のとき 放物線は下に凸である。$0 \leqq t \leqq 1$ に解をもつのは、以下の [1] または [2] の場合である。 [1] 区間内に1つの解をもつ(端点が解の場合を含む) $f(0)f(1) \leqq 0$ であればよい。

$$(2-x)(2-2y) \leqq 0 \iff (x-2)(y-1) \leqq 0$$

$x > 0$ であるから、条件は「$0 < x \leqq 2$ かつ $y \geqq 1$」または「$x \geqq 2$ かつ $y \leqq 1$」となる。

[2] 区間内に2つの解をもつ(重解を含む) 条件は $f(0) \geqq 0$ かつ $f(1) \geqq 0$ かつ $D \geqq 0$ かつ $0 \leqq \frac{y}{x} \leqq 1$ である。 $f(0) \geqq 0 \iff x \leqq 2$ $f(1) \geqq 0 \iff y \leqq 1$ $D \geqq 0 \iff (x-1)^2 + y^2 \geqq 1$ $x > 0$ より、軸の条件は $0 \leqq y \leqq x$ となる。 これらを整理すると、「$0 < x \leqq 2$ かつ $0 \leqq y \leqq x$ かつ $(x-1)^2 + y^2 \geqq 1$」となる。

[1] と [2] の和集合をとると、$x > 0$ における条件は以下のようにまとめられる。

$$(x-2)(y-1) \leqq 0 \text{ かつ } (x-1)^2 + y^2 \geqq 1$$

(※ $x \leqq 2, y \geqq 1$ などの領域では常に $(x-1)^2+y^2 \geqq 1$ を満たすため、このように統合できる)

(イ) $x < 0$ のとき 放物線は上に凸である。$f(0) = 2 - x > 0$ であるから、$0 \leqq t \leqq 1$ に解をもつための条件は $f(1) \leqq 0$ のみである。

$$2 - 2y \leqq 0 \iff y \geqq 1$$

以上 (i), (ii) をすべてまとめると、求める領域は不等式

$$(x-2)(y-1) \leqq 0 \text{ かつ } (x-1)^2 + y^2 \geqq 1$$

が表す領域となる。

解法2

((1), (2)は解法1と同様)

(3) (2)の結果から、直線 $l$ は点 $\mathrm{C}(1, 0)$ を中心とする半径 $1$ の円 $C: (x-1)^2 + y^2 = 1$ に常に接していることがわかる。 点 $\mathrm{C}$ から直線 $l$ に下ろした垂線の足を $\mathrm{H}$ とすると、直線 $l$ の法線ベクトルは $(\cos\theta, \sin\theta)$ であるから、

$$\vec{\mathrm{CH}} = (\cos\theta, \sin\theta)$$

となる。よって、接点 $\mathrm{H}$ の座標は $(1+\cos\theta, \sin\theta)$ である。 $\theta$ が $0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ の範囲を動くとき、接点 $\mathrm{H}$ は円 $C$ のうち $x \geqq 1, y \geqq 0$ を満たす部分(第1象限の四分円弧)を動く。 直線 $l$ は、この円弧上の各点における接線である。 $\theta=0$ のとき、接点 $(2,0)$ における接線 $x=2$ となる。 $\theta=\frac{\pi}{2}$ のとき、接点 $(1,1)$ における接線 $y=1$ となる。

直線 $l$ が通過する領域は、この接線群が掃く領域である。接線は円 $C$ の外部にのみ存在し、直線 $x=2$ と $y=1$ を境界として、これらが交わる点 $(2, 1)$ の反対側(円弧のある側)へ伸びていく。 接線の $x$切片は $1+\frac{1}{\cos\theta} \geqq 2$、$y$切片は $\frac{1+\cos\theta}{\sin\theta} \geqq 1$ であるため、$x > 2$ かつ $y > 1$ の領域(右上)を通過することはない。 したがって、求める領域は、座標平面を直線 $x=2$ と $y=1$ で区切った領域から「$x > 2$ かつ $y > 1$」の部分を除き、さらに円 $C$ の内部 $(x-1)^2 + y^2 < 1$ を除いた部分となる。 これを不等式で表すと以下のようになる。

$$(x-2)(y-1) \leqq 0 \text{ かつ } (x-1)^2 + y^2 \geqq 1$$

解説

(3)は直線の通過領域を求める典型問題である。パラメータを含む方程式の実数解の存在条件に帰着させる「逆像法」が基本方針となる。三角関数が含まれる場合は、半角の正接 $t = \tan\frac{\theta}{2}$ と置換することで、扱いやすい代数方程式(2次方程式)の解の配置問題に帰着できる。

また、解法2のように、(2)の誘導を利用して直線が円に接しながら転がるときの「包絡線」として図形的に捉える解法も非常に見通しが良い。直線のファミリがどのような図形を形作るのかを視覚的に理解できるため、境界線を特定する上で強力なアプローチとなる。

答え

(1) $\theta = 0$ のとき $x = 2$

$\theta = \frac{\pi}{2}$ のとき $y = 1$

(2) 距離は $\theta$ の値によらず $1$ である。

(点と直線の距離の公式より $\frac{|\cos\theta \cdot 1 + \sin\theta \cdot 0 - (\cos\theta + 1)|}{\sqrt{\cos^2\theta + \sin^2\theta}} = 1$ となり示される)

(3) $l$ が通過する領域は、連立不等式

$$\begin{cases} (x-2)(y-1) \leqq 0 \\ (x-1)^2 + y^2 \geqq 1 \end{cases}$$

が表す領域である。

図示すると、点 $(1, 0)$ を中心とする半径 $1$ の円の外部(境界含む)であって、$x \leqq 2$ かつ $y \geqq 1$ の領域、または $x \geqq 2$ かつ $y \leqq 1$ の領域、またはそれらに挟まれた部分となる。

境界線はすべて含む。

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