トップ 基礎問題 数学2 図形と式 領域 問題 42

数学2 領域 問題 42 解説

数学2 領域 問題 42 解説

方針・初手

方程式を $\sin \theta$ についての2次方程式に帰着させることが第一手である。 $\sin \theta = x$ と置き換えると、$\theta$ が実数全体を動くとき $x$ は $-1 \le x \le 1$ の範囲を動く。 これにより、問題は「$x$ についての2次方程式が $-1 \le x \le 1$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつための $a, b$ の条件を求める」ことと言い換えられる。 定数 $b$ が単独で存在することに着目し、$b = (\text{$x$ と $a$ の式})$ の形に変形して、$x$ を固定したときの $b$ のとりうる値の範囲(値域)を考える定数分離の考え方(解法1)が視覚的にも捉えやすく有効である。また、標準的な2次方程式の解の配置問題として処理する手法(解法2)も考えられる。

解法1

方程式 $\cos 2\theta = a \sin \theta + b$ において、$\sin \theta = x$ とおく。 $\theta$ が実数であるため、$x$ のとりうる値の範囲は $-1 \le x \le 1$ である。 2倍角の公式 $\cos 2\theta = 1 - 2\sin^2 \theta$ を用いると、与えられた方程式は次のように変形できる。

$$1 - 2x^2 = ax + b$$

$$b = -2x^2 - ax + 1$$

この方程式が $-1 \le x \le 1$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつような点 $(a, b)$ の存在範囲を求めればよい。 これは、定数 $a$ を固定して $x$ が $-1 \le x \le 1$ の範囲を動くときの、関数 $f(x) = -2x^2 - ax + 1$ のとりうる値の範囲に $b$ が存在することと同値である。

$f(x)$ を平方完成すると以下のようになる。

$$f(x) = -2\left(x + \frac{a}{4}\right)^2 + \frac{a^2}{8} + 1$$

$y = f(x)$ のグラフは上に凸の放物線であり、軸の方程式は $x = -\frac{a}{4}$ である。 軸の位置によって区間内における最大値および最小値をとる $x$ の値が変わるため、以下のように場合分けを行う。

(i) $-\frac{a}{4} < -1$ すなわち $a > 4$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ において、$f(x)$ は単調減少する。 したがって、最大値は $f(-1) = a - 1$、最小値は $f(1) = -a - 1$ である。 このとき、$b$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。

$$-a - 1 \le b \le a - 1$$

(ii) $-1 \le -\frac{a}{4} < 0$ すなわち $0 < a \le 4$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ 内に軸が存在する。 最大値は頂点の $y$ 座標であり、$f\left(-\frac{a}{4}\right) = \frac{1}{8}a^2 + 1$ となる。 最小値については、軸が区間の中央 $x = 0$ より左側にあるため、$x = 1$ のとき最小となる。よって最小値は $f(1) = -a - 1$ である。 このとき、$b$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。

$$-a - 1 \le b \le \frac{1}{8}a^2 + 1$$

(iii) $0 \le -\frac{a}{4} \le 1$ すなわち $-4 \le a \le 0$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ 内に軸が存在する。 最大値は頂点の $y$ 座標であり、$f\left(-\frac{a}{4}\right) = \frac{1}{8}a^2 + 1$ となる。 最小値については、軸が区間の中央 $x = 0$ またはそれより右側にあるため、$x = -1$ のとき最小となる。よって最小値は $f(-1) = a - 1$ である。 このとき、$b$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。

$$a - 1 \le b \le \frac{1}{8}a^2 + 1$$

(iv) $1 < -\frac{a}{4}$ すなわち $a < -4$ のとき

区間 $-1 \le x \le 1$ において、$f(x)$ は単調増加する。 したがって、最大値は $f(1) = -a - 1$、最小値は $f(-1) = a - 1$ である。 このとき、$b$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。

$$a - 1 \le b \le -a - 1$$

以上の (i) から (iv) より、求める点 $(a, b)$ の存在範囲の境界線は以下の曲線および直線群となる。

上側の境界: $a \le -4$ のとき 直線 $b = -a - 1$ $-4 < a < 4$ のとき 放物線 $b = \frac{1}{8}a^2 + 1$ $a \ge 4$ のとき 直線 $b = a - 1$

下側の境界: $a < 0$ のとき 直線 $b = a - 1$ $a \ge 0$ のとき 直線 $b = -a - 1$

ここで、境界となる図形同士の接続について確認する。 放物線 $b = \frac{1}{8}a^2 + 1$ と直線 $b = a - 1$ について方程式を連立すると、

$$\frac{1}{8}a^2 + 1 = a - 1$$

$$a^2 - 8a + 16 = 0$$

$$(a - 4)^2 = 0$$

となり、$a = 4$ を重解にもつ。すなわち、点 $(4, 3)$ において接している。 同様に、放物線 $b = \frac{1}{8}a^2 + 1$ と直線 $b = -a - 1$ も点 $(-4, 3)$ において接している。 また、2直線 $b = a - 1$ と $b = -a - 1$ は点 $(0, -1)$ で交わる。 これらに注意して図示を行う。

解法2

方程式 $2x^2 + ax + b - 1 = 0$ が $-1 \le x \le 1$ に少なくとも1つの実数解をもつ条件として、2次方程式の解の配置問題を考える。 $g(x) = 2x^2 + ax + b - 1$ とおくと、$y = g(x)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸の方程式は $x = -\frac{a}{4}$ である。 $-1 \le x \le 1$ に少なくとも1つの実数解をもつのは、以下の2つのいずれかの場合である。

(I) 方程式 $g(x) = 0$ が $-1 < x < 1$ の範囲と $x < -1$ または $x > 1$ の範囲にそれぞれ1つずつ解をもつ、または $x = \pm 1$ を解にもつ場合

この条件は $g(-1)g(1) \le 0$ と同値である。

$$(-a + b + 1)(a + b + 1) \le 0$$

$$(b - (a - 1))(b - (-a - 1)) \le 0$$

これを満たす領域は、2直線 $b = a - 1$ と $b = -a - 1$ の間にある領域(境界を含む)であり、具体的には以下のようになる。

$a \ge 0$ のとき $-a - 1 \le b \le a - 1$ $a < 0$ のとき $a - 1 \le b \le -a - 1$

(II) 方程式 $g(x) = 0$ が $-1 \le x \le 1$ の範囲に解を2つ(重解を含む)もつ場合

判別式を $D$ とすると、以下の条件がすべて成り立つ。

$$\begin{cases} D = a^2 - 8(b - 1) \ge 0 \\ -1 \le -\frac{a}{4} \le 1 \\ g(-1) = -a + b + 1 \ge 0 \\ g(1) = a + b + 1 \ge 0 \end{cases}$$

これを $a, b$ について整理すると以下のようになる。

$$\begin{cases} b \le \frac{1}{8}a^2 + 1 \\ -4 \le a \le 4 \\ b \ge a - 1 \\ b \ge -a - 1 \end{cases}$$

求める領域は、(I)(II) の領域の和集合である。 これらを座標平面上に図示すると、解法1と同じ領域が得られる。

解説

三角関数を含む方程式の実数解の存在条件を求める問題である。定石通りに $\sin \theta = x$ とおき、$x$ についての2次方程式が指定の区間に解をもつ条件へと帰着させるのがポイントである。 本問では定数 $b$ が一次の項として分離しやすい形になっているため、解法1のように $x$ を固定した際の値域として処理するアプローチが視覚的にも分かりやすく、計算ミスを防ぎやすい。 解法2のようにグラフの動きを追う解の配置として処理することも標準的ではあるが、端点の扱いなどの場合分けがやや煩雑になる傾向がある。 また、図示する際には、境界となる放物線と直線がなめらかに繋がる(接する)ことを数式で示しておくことが、説得力のある解答を作成する上で重要である。

答え

求める点 $(a, b)$ の存在範囲は、以下の連立不等式で表される領域である。

$$b \ge |a| - 1$$

かつ

$$b \le \begin{cases} -a - 1 & (a < -4) \\ \frac{1}{8}a^2 + 1 & (-4 \le a \le 4) \\ a - 1 & (a > 4) \end{cases}$$

これを座標平面上に図示すると、境界線として以下の曲線および直線群をもち、それらに囲まれた内側の領域となる。境界線はすべて領域に含まれる。

放物線 $b = \frac{1}{8}a^2 + 1$ の $-4 \le a \le 4$ の部分

直線 $b = a - 1$ の $a \ge 4$ および $a \le 0$ の部分

直線 $b = -a - 1$ の $a \le -4$ および $a \ge 0$ の部分

図示の際の特徴的な点は以下の通りである。

点 $(4, 3)$ で放物線と直線 $b = a - 1$ が接する

点 $(-4, 3)$ で放物線と直線 $b = -a - 1$ が接する

点 $(0, -1)$ で直線 $b = a - 1$ と直線 $b = -a - 1$ が交わる

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