トップ 基礎問題 数学3 極限 極限 問題 1

数学3 極限 問題 1 解説

数学3 極限 問題 1 解説

方針・初手

(1) は $n$ 乗の展開に関する不等式であるため、二項定理を用いるのが最も簡明である。 (2) は与えられた式 $(1+n)^{\frac{1}{n}} = 1+a_n$ の両辺を $n$ 乗し、(1) の結果を利用する方針をとる。その際、$x$ に相当する $a_n$ が正であることを確認する必要がある。 (3) は (2) で得られた不等式から $a_n$ の範囲を絞り込み、はさみうちの原理を用いて極限を求める。

解法1

(1)

$n$ は $1$ より大きい自然数、すなわち $n \geqq 2$ である。 二項定理により、$(1+x)^n$ を展開すると以下のようになる。

$$(1+x)^n = 1 + nx + \frac{n(n-1)}{2}x^2 + \sum_{k=3}^{n} {}_n\mathrm{C}_k x^k$$

ただし、$n=2$ のときはシグマ記号の項は存在しないものとする。 ここで、$x > 0$ であり、各項の二項係数 ${}_n\mathrm{C}_k$ も正であるから、すべての $k \geqq 3$ について ${}_n\mathrm{C}_k x^k > 0$ である。 したがって、

$$\sum_{k=3}^{n} {}_n\mathrm{C}_k x^k \geqq 0$$

が成り立つ(等号成立は $n=2$ のとき)。 よって、

$$(1+x)^n \geqq 1 + nx + \frac{n(n-1)}{2}x^2$$

が成り立つ。

(2)

与えられた式 $(1+n)^{\frac{1}{n}} = 1+a_n$ の両辺を $n$ 乗すると、

$$1+n = (1+a_n)^n$$

となる。 ここで、$n \geqq 2$ の自然数であるから $1+n > 1$ であり、$(1+n)^{\frac{1}{n}} > 1$ となる。 したがって、$1+a_n > 1$ すなわち $a_n > 0$ である。

$a_n > 0$ であるから、(1) で証明した不等式において $x = a_n$ とおくことができ、次の不等式が成り立つ。

$$(1+a_n)^n \geqq 1 + n a_n + \frac{n(n-1)}{2}{a_n}^2$$

この式の左辺に $(1+a_n)^n = 1+n$ を代入すると、

$$1+n \geqq 1 + n a_n + \frac{n(n-1)}{2}{a_n}^2$$

両辺から $1$ を引き、$n > 0$ であるから両辺を $n$ で割ると、

$$1 \geqq a_n + \frac{n-1}{2}{a_n}^2$$

となり、題意の不等式が成り立つ。

(3)

(2) で得られた不等式より、

$$1 - a_n \geqq \frac{n-1}{2}{a_n}^2$$

$a_n > 0$ であるから $1 - a_n < 1$ であり、

$$1 > \frac{n-1}{2}{a_n}^2$$

が成り立つ。$n \geqq 2$ より $n-1 > 0$ であるから、両辺に $\frac{2}{n-1}$ を掛けて、

$$0 < {a_n}^2 < \frac{2}{n-1}$$

$a_n > 0$ であるから、各辺の正の平方根をとって、

$$0 < a_n < \sqrt{\frac{2}{n-1}}$$

ここで、$n \to \infty$ のとき $\frac{2}{n-1} \to 0$ であるから、

$$\lim_{n \to \infty} \sqrt{\frac{2}{n-1}} = 0$$

したがって、はさみうちの原理により、

$$\lim_{n \to \infty} a_n = 0$$

となる。 求める極限は、

$$\lim_{n \to \infty} (1+n)^{\frac{1}{n}} = \lim_{n \to \infty} (1+a_n) = 1 + 0 = 1$$

となる。

解説

極限 $\lim_{n \to \infty} (1+n)^{\frac{1}{n}}$ を求めるための典型的な誘導問題である。 直接極限を求めるのが難しい累乗の形に対して、$(1+n)^{\frac{1}{n}} = 1+a_n$ とおき、$a_n$ の極限に帰着させる手法は頻出である。 (1) の不等式証明において、微分を用いたり数学的帰納法を用いたりすることも可能であるが、本問のように多項式の展開を評価する場合は、二項定理を用いると途中式が極めて簡潔にまとまる。 (3) ではさみうちの原理を適用する際、下限が $0$ であること($a_n > 0$)を (2) の段階でしっかり明記しておくことが論理の欠陥を防ぐポイントとなる。

答え

(1) 略証 (解法1参照)

(2) 略証 (解法1参照)

(3) $1$

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