トップ 基礎問題 数学3 極限 はさみうち 問題 4

数学3 はさみうち 問題 4 解説

数学3 はさみうち 問題 4 解説

方針・初手

(1) は関数を微分し、導関数の符号を調べる。 (2) は (1) の結果を利用するため、各項の自然対数をとり、関数 $f(x)$ との関連を見抜く。 (3) は指定通り二項定理を用いて展開し、不等式を示すために必要な項だけを残して下から評価する。 (4) は (3) で得た不等式を利用して上からの評価を作り、はさみうちの原理を用いて極限を求める典型的な手法をとる。

解法1

(1)

$x > 0$ において、関数 $f(x)$ を微分すると、

$$f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}$$

$x \geqq e$ のとき、底 $e > 1$ より $\log x \geqq \log e = 1$ であるから、$1 - \log x \leqq 0$ となる。 また、$x^2 > 0$ であるから、

$$f'(x) \leqq 0$$

したがって、$f(x)$ は $x \geqq e$ で減少関数である。

(2)

対数の性質より、

$$f(x) = \frac{1}{x} \log x = \log x^{\frac{1}{x}}$$

である。 (1)より、$f(x)$ は $x \geqq e$ で減少関数である。 自然対数の底は $e = 2.718 \cdots$ であり $e < 3$ であるから、$n$ を $3$ 以上の自然数とすると、

$$f(3) > f(4) > f(5) > \cdots$$

が成り立つ。すなわち、

$$\log 3^{\frac{1}{3}} > \log 4^{\frac{1}{4}} > \log 5^{\frac{1}{5}} > \cdots$$

底 $e > 1$ であるから、対数の大小関係は真数の大小関係と一致し、

$$3^{\frac{1}{3}} > 4^{\frac{1}{4}} > 5^{\frac{1}{5}} > \cdots$$

よって、

$$\sqrt[3]{3} > \sqrt[4]{4} > \sqrt[5]{5} > \cdots$$

が成り立つ。

(3)

二項定理を用いると、

$$\left(1 + \frac{1}{\sqrt{n}}\right)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \left(\frac{1}{\sqrt{n}}\right)^k$$

$n \geqq 2$ のとき、右辺を展開して第2項までを取り出すと、

$$\left(1 + \frac{1}{\sqrt{n}}\right)^n = 1 + {}_n\mathrm{C}_1 \frac{1}{\sqrt{n}} + \sum_{k=2}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \left(\frac{1}{\sqrt{n}}\right)^k$$

ここで、${}_n\mathrm{C}_1 \frac{1}{\sqrt{n}} = n \cdot \frac{1}{\sqrt{n}} = \sqrt{n}$ である。 また、$k \geqq 2$ において $\sum_{k=2}^{n} {}_n\mathrm{C}_k \left(\frac{1}{\sqrt{n}}\right)^k > 0$ であるから、

$$\left(1 + \frac{1}{\sqrt{n}}\right)^n = 1 + \sqrt{n} + (\text{正の数}) > \sqrt{n}$$

$n = 1$ のとき、

$$(\text{左辺}) = \left(1 + \frac{1}{\sqrt{1}}\right)^1 = 2$$

$$(\text{右辺}) = \sqrt{1} = 1$$

となり、$(\text{左辺}) > (\text{右辺})$ を満たすため不等式は成り立つ。 したがって、すべての自然数 $n$ に対して、$\left(1 + \frac{1}{\sqrt{n}}\right)^n > \sqrt{n}$ が成り立つ。

(4)

(3)で示した不等式において、両辺は正であるから、$n$ 乗根をとると、

$$1 + \frac{1}{\sqrt{n}} > (\sqrt{n})^{\frac{1}{n}}$$

すなわち、

$$1 + \frac{1}{\sqrt{n}} > \sqrt[n]{n^{\frac{1}{2}}} = (\sqrt[n]{n})^{\frac{1}{2}}$$

両辺を2乗して、

$$\left(1 + \frac{1}{\sqrt{n}}\right)^2 > \sqrt[n]{n}$$

左辺を展開すると、

$$\sqrt[n]{n} < 1 + \frac{2}{\sqrt{n}} + \frac{1}{n}$$

また、$n \geqq 1$ の自然数であるから $\sqrt[n]{n} \geqq 1$ であり、

$$1 \leqq \sqrt[n]{n} < 1 + \frac{2}{\sqrt{n}} + \frac{1}{n}$$

ここで、

$$\lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{2}{\sqrt{n}} + \frac{1}{n}\right) = 1 + 0 + 0 = 1$$

であるから、はさみうちの原理より、

$$\lim_{n \to \infty} \sqrt[n]{n} = 1$$

解説

関数 $\frac{\log x}{x}$ の増減を利用して累乗根の大小を比較する手法や、二項定理を用いてはさみうちの原理のための不等式を評価する手法など、数学IIIの微分・極限における非常に重要で典型的なテーマを合わせた問題である。 (3)で二項定理を用いて不等式を示す際、必要な項だけを残し、残りの項が正であることを理由に切り捨てて下から評価する考え方は、極限の評価において頻出である。

答え

(1) 導関数が $f'(x) = \frac{1-\log x}{x^2}$ となり、$x \geqq e$ で $f'(x) \leqq 0$ となることから示される。

(2) (1)より $f(3) > f(4) > f(5) > \cdots$ であり、$f(n) = \log \sqrt[n]{n}$ と表せること、対数の底 $e>1$ であることから示される。

(3) 二項定理を用いた展開式から $1$ と $\sqrt{n}$ の項を取り出し、残りの項が正であることを用いて示される。

(4) $1$

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