トップ 基礎問題 数学3 積分法 接線・極限との複合 問題 52

数学3 接線・極限との複合 問題 52 解説

数学3 接線・極限との複合 問題 52 解説

方針・初手

$f(x)$ と $g(x)$ の不定積分を直接計算することもできるが、まずは与えられた関係式を微分して、$F(x),G(x)$ を求める。

面積については、区間 $(k-1)\pi \leqq x \leqq k\pi$ において $f(x)$ と $g(x)$ がどこで交わるかを調べ、$|f(x)-g(x)|$ の積分として処理する。

解法1

(1)

$I=\int f(x),dx,\ J=\int g(x),dx$ より、

$$ I'=f(x),\qquad J'=g(x) $$

である。

まず

$$ I=J+F(x)+C_1 $$

を微分すると、

$$ f(x)=g(x)+F'(x) $$

となる。したがって

$$ F'(x)=f(x)-g(x) =e^{-x}\sin x-e^{-x}\cos x =e^{-x}(\sin x-\cos x) $$

である。

ここで

$$ \frac{d}{dx}\left(-e^{-x}\sin x\right) =e^{-x}\sin x-e^{-x}\cos x $$

だから、定数は $C_1$ に吸収できるので、

$$ F(x)=-e^{-x}\sin x $$

とすればよい。

次に

$$ J=-I+G(x)+C_2 $$

を微分すると、

$$ g(x)=-f(x)+G'(x) $$

となる。よって

$$ G'(x)=f(x)+g(x) =e^{-x}(\sin x+\cos x) $$

である。

また、

$$ \frac{d}{dx}\left(-e^{-x}\cos x\right) =e^{-x}(\sin x+\cos x) $$

だから、

$$ G(x)=-e^{-x}\cos x $$

とすればよい。

(2)

(1)より、

$$ I=J-e^{-x}\sin x+C_1 $$

また、

$$ J=-I-e^{-x}\cos x+C_2 $$

である。

これらから $J$ を消去すると、

$$ I=-I-e^{-x}\cos x-e^{-x}\sin x+C $$

となる。ただし $C$ は積分定数をまとめたものである。

したがって、

$$ 2I=-e^{-x}(\sin x+\cos x)+C $$

より、

$$ I=-\frac12 e^{-x}(\sin x+\cos x)+C $$

である。

同様に、

$$ J=\frac12 e^{-x}(\sin x-\cos x)+C $$

である。

(3)

$f(x)$ と $g(x)$ の交点は、

$$ e^{-x}\sin x=e^{-x}\cos x $$

より、

$$ \sin x=\cos x $$

すなわち

$$ x=\frac{\pi}{4}+n\pi $$

である。

区間

$$ (k-1)\pi \leqq x \leqq k\pi $$

においては、ただ1つの交点

$$ x=(k-1)\pi+\frac{\pi}{4} $$

をもつ。

ここで

$$ a=(k-1)\pi,\qquad b=k\pi,\qquad c=(k-1)\pi+\frac{\pi}{4} $$

とおく。

2つの部分の面積の和は、

$$ S_k=\int_a^b |f(x)-g(x)|,dx $$

である。

また、

$$ f(x)-g(x)=e^{-x}(\sin x-\cos x) $$

であり、その原始関数として

$$ -e^{-x}\sin x $$

を用いる。

$c$ を境に $f(x)-g(x)$ の符号が変わるので、

$$ S_k=\left|\int_a^c (f(x)-g(x)),dx\right| +\left|\int_c^b (f(x)-g(x)),dx\right| $$

である。

まず、

$$ \begin{aligned} \int_a^c (f(x)-g(x)),dx &= \left[-e^{-x}\sin x\right]_a^c \end{aligned} $$

である。

$a=(k-1)\pi$ では $\sin a=0$ だから、

$$ -e^{-a}\sin a=0 $$

である。

また、

$$ \sin\left((k-1)\pi+\frac{\pi}{4}\right) =(-1)^{k-1}\frac{\sqrt2}{2} $$

より、

$$ \begin{aligned} -e^{-c}\sin c &= (-1)^k\frac{e^{-c}}{\sqrt2} \end{aligned} $$

である。

よって、

$$ \begin{aligned} \left|\int_a^c (f(x)-g(x)),dx\right| &= \frac{e^{-c}}{\sqrt2} \end{aligned} $$

である。

同様に、$b=k\pi$ でも $\sin b=0$ であるから、

$$ \begin{aligned} \left|\int_c^b (f(x)-g(x)),dx\right| &= \frac{e^{-c}}{\sqrt2} \end{aligned} $$

となる。

したがって、

$$ \begin{aligned} S_k &= \frac{e^{-c}}{\sqrt2} + \frac{e^{-c}}{\sqrt2} &= \sqrt2 e^{-c} \end{aligned} $$

である。

$c=(k-1)\pi+\dfrac{\pi}{4}$ だから、

$$ S_k=\sqrt2 e^{-\left((k-1)\pi+\frac{\pi}{4}\right)} $$

すなわち、

$$ S_k=\sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}}e^{-(k-1)\pi} $$

である。

(4)

(3)より、

$$ S_k=\sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}}e^{-(k-1)\pi} $$

である。

したがって、

$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\infty} S_k &= \sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}} \sum_{k=1}^{\infty} e^{-(k-1)\pi} \end{aligned} $$

である。

これは初項 $1$、公比 $e^{-\pi}$ の無限等比級数であるから、

$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\infty} e^{-(k-1)\pi} &= \frac{1}{1-e^{-\pi}} \end{aligned} $$

となる。

よって、

$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\infty} S_k &= \frac{\sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}}}{1-e^{-\pi}} \end{aligned} $$

である。

解説

この問題では、不定積分を直接計算するよりも、まず $I,J$ の関係式を微分する方が自然である。微分によって $F'(x),G'(x)$ がすぐに求まり、そこから $I,J$ も連立的に求められる。

面積については、$f(x)$ と $g(x)$ の大小関係が区間内で入れ替わる点に注意する必要がある。交点は各区間 $[(k-1)\pi,k\pi]$ に1つだけ存在し、その点で絶対値を外すために積分区間を分ける。

また、$f(x)-g(x)$ の原始関数が $-e^{-x}\sin x$ であり、区間の両端 $(k-1)\pi,k\pi$ で $\sin x=0$ となるため、左右の面積が同じ形で簡潔に計算できる。

答え

(1)

$$ F(x)=-e^{-x}\sin x,\qquad G(x)=-e^{-x}\cos x $$

(2)

$$ I=-\frac12 e^{-x}(\sin x+\cos x)+C $$

$$ J=\frac12 e^{-x}(\sin x-\cos x)+C $$

(3)

$$ S_k=\sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}}e^{-(k-1)\pi} $$

(4)

$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\infty} S_k &= \frac{\sqrt2 e^{-\frac{\pi}{4}}}{1-e^{-\pi}} \end{aligned} $$

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