トップ 基礎問題 数学B 数列 等差数列・等比数列 問題 6

数学B 等差数列・等比数列 問題 6 解説

数学B 等差数列・等比数列 問題 6 解説

方針・初手

等比数列の公比は一般に整数とは限らないので、公比を既約分数で表す。各項が自然数である条件から、初項を適切に書き直すと、$S$ と $T$ を整った形で比較できる。

特に $n$ が奇数であるため、$b+c$ が $b^n+c^n$ を割り切ることを用いる。

解法1

公比を $r$ とする。各項は自然数なので $r$ は正の有理数である。そこで

$$ r=\frac{b}{c} $$

とおく。ただし $b,c$ は互いに素な正の整数とする。

第 $k$ 項は

$$ a_k=a_1\left(\frac{b}{c}\right)^{k-1} $$

である。特に $a_n$ が整数であることから、$c^{n-1}$ は $a_1$ を割り切る。よって、ある自然数 $m$ を用いて

$$ a_1=mc^{n-1} $$

と書ける。したがって

$$ a_k=mb^{k-1}c^{n-k} $$

である。

まず、公比が $1$ の場合を考える。このとき $b=c=1$ であり、すべての項は $m$ であるから

$$ S=mn,\qquad T=m^2n $$

となる。よって

$$ T=mS $$

であるから、$T$ は $S$ の倍数である。

以下、公比が $1$ でない場合、すなわち $b\neq c$ の場合を考える。

このとき

$$ \begin{aligned} S &=\sum_{k=1}^{n} mb^{k-1}c^{n-k} \\ &=m\left(c^{n-1}+bc^{n-2}+\cdots+b^{n-1}\right) \\ &=m\frac{b^n-c^n}{b-c} \end{aligned} $$

である。また、

$$ \begin{aligned} T &=\sum_{k=1}^{n} m^2b^{2k-2}c^{2n-2k} \\ &=m^2\left(c^{2n-2}+b^2c^{2n-4}+\cdots+b^{2n-2}\right) \\ &=m^2\frac{b^{2n}-c^{2n}}{b^2-c^2} \end{aligned} $$

である。

ここで

$$ b^{2n}-c^{2n}=(b^n-c^n)(b^n+c^n) $$

かつ

$$ b^2-c^2=(b-c)(b+c) $$

であるから、

$$ \begin{aligned} T &=m^2\frac{(b^n-c^n)(b^n+c^n)}{(b-c)(b+c)} \\ &=m\frac{b^n+c^n}{b+c}\cdot m\frac{b^n-c^n}{b-c} \\ &=m\frac{b^n+c^n}{b+c},S \end{aligned} $$

となる。

$n$ は奇数なので、

$$ b^n+c^n=(b+c)\left(b^{n-1}-b^{n-2}c+b^{n-3}c^2-\cdots-bc^{n-2}+c^{n-1}\right) $$

が成り立つ。したがって

$$ \frac{b^n+c^n}{b+c} $$

は整数である。

よって

$$ \frac{T}{S}=m\frac{b^n+c^n}{b+c} $$

は整数である。したがって、$T$ は $S$ の倍数である。

次に、$T$ が素数となる条件を求める。

(1)より、$T$ は $S$ の倍数である。すなわち

$$ S\mid T $$

である。

一方、各 $a_k$ は自然数であり、$n\geqq 3$ だから

$$ S=a_1+a_2+\cdots+a_n\geqq n\geqq 3 $$

である。

もし $T$ が素数なら、正の約数は $1$ と $T$ だけである。ところが $S\mid T$ かつ $S\geqq 3$ なので、

$$ S=T $$

でなければならない。

ここで

$$ T-S=\sum_{k=1}^{n}(a_k^2-a_k)=\sum_{k=1}^{n}a_k(a_k-1) $$

である。各 $a_k$ は自然数なので、各項 $a_k(a_k-1)$ は $0$ 以上である。さらに $S=T$ より

$$ \sum_{k=1}^{n}a_k(a_k-1)=0 $$

だから、すべての $k$ について

$$ a_k(a_k-1)=0 $$

である。自然数 $a_k$ についてこれが成り立つのは

$$ a_k=1 $$

のときだけである。

よって

$$ a_1=a_2=\cdots=a_n=1 $$

である。このとき初項は $1$、公比は $1$ であり、

$$ T=\sum_{k=1}^{n}1^2=n $$

となる。したがって $T$ が素数であるためには、$n$ が素数であることが必要である。

逆に、初項が $1$、公比が $1$、かつ $n$ が素数であれば、

$$ a_1=a_2=\cdots=a_n=1 $$

であるから

$$ T=n $$

となり、これは素数である。

以上より、$T$ が素数となるための条件は、初項が $1$、公比が $1$、$n$ が素数であることである。

解説

公比が整数とは限らない点がこの問題の注意点である。自然数からなる等比数列では、公比を既約分数 $b/c$ としておくと、初項が $c^{n-1}$ の倍数になるため、各項を

$$ mb^{k-1}c^{n-k} $$

と統一的に表せる。

(1)では、$S$ と $T$ を等比数列の和として計算し、比 $\frac{T}{S}$ を見る。$n$ が奇数であることにより $b+c$ が $b^n+c^n$ を割り切るため、$\frac{T}{S}$ が整数になる。

(2)では、(1)の結果を使うと短く処理できる。$T$ が素数なら、$S\mid T$ かつ $S\geqq 3$ より $S=T$ である。すると $a_k^2-a_k=a_k(a_k-1)$ の和が $0$ になるため、すべての項が $1$ でなければならない。

答え

(1)

$T$ は $S$ の倍数である。

(2)

$T$ が素数となるための条件は、

$$ a_1=1,\qquad \text{公比}=1,\qquad n\text{ は素数} $$

である。

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