数学B 数学的帰納法 問題 48 解説

方針・初手
数学的帰納法で示す。帰納法の仮定から $k!$ を上から評価し、それに $k+1$ を掛けて $(k+1)!$ を評価する。
その際、最後に
$$ \left(1+\frac{1}{k+1}\right)^{k+1}>2 $$
を用いて、目標の右辺へつなげる。
解法1
$n=2$ のとき、
$$ \left(\frac{2+1}{2}\right)^2=\left(\frac{3}{2}\right)^2=\frac{9}{4} $$
であり、
$$ 2!=2 $$
だから、
$$ \frac{9}{4}>2 $$
より成り立つ。
次に、ある整数 $k\geqq 2$ に対して
$$ \left(\frac{k+1}{2}\right)^k>k! $$
が成り立つと仮定する。このとき、両辺に正の数 $k+1$ を掛けると、
$$ (k+1)!=(k+1)k!<(k+1)\left(\frac{k+1}{2}\right)^k $$
を得る。
したがって、
$$ (k+1)\left(\frac{k+1}{2}\right)^k<\left(\frac{k+2}{2}\right)^{k+1} $$
を示せばよい。
この不等式を変形すると、
$$ \begin{aligned} (k+1)\left(\frac{k+1}{2}\right)^k &= \frac{(k+1)^{k+1}}{2^k} \end{aligned} $$
であるから、示すべきことは
$$ \frac{(k+1)^{k+1}}{2^k} < \frac{(k+2)^{k+1}}{2^{k+1}} $$
である。両辺に $2^{k+1}$ を掛け、さらに正の数 $(k+1)^{k+1}$ で割ると、
$$ 2< \left(\frac{k+2}{k+1}\right)^{k+1} $$
すなわち
$$ 2< \left(1+\frac{1}{k+1}\right)^{k+1} $$
を示せばよい。
二項定理より、
$$ \begin{aligned} \left(1+\frac{1}{k+1}\right)^{k+1} &= 1+(k+1)\frac{1}{k+1}+\sum_{r=2}^{k+1} {}_{k+1}C_r\left(\frac{1}{k+1}\right)^r \end{aligned} $$
である。右辺の第3項以降はすべて正であるから、
$$ \left(1+\frac{1}{k+1}\right)^{k+1}>1+1=2 $$
となる。
よって、
$$ (k+1)\left(\frac{k+1}{2}\right)^k<\left(\frac{k+2}{2}\right)^{k+1} $$
が成り立つ。したがって帰納法の仮定から
$$ (k+1)!<\left(\frac{k+2}{2}\right)^{k+1} $$
が従う。
以上より、数学的帰納法によって、すべての $n\geqq 2$ の整数に対して
$$ \left(\frac{n+1}{2}\right)^n>n! $$
が成り立つ。
解説
帰納法では、仮定
$$ \left(\frac{k+1}{2}\right)^k>k! $$
から次の段階
$$ \left(\frac{k+2}{2}\right)^{k+1}>(k+1)! $$
へ進める必要がある。
ここで単に $k+1$ を掛けるだけでは、右辺は
$$ (k+1)\left(\frac{k+1}{2}\right)^k $$
となり、目標の
$$ \left(\frac{k+2}{2}\right)^{k+1} $$
とは形が異なる。この2つを比較するために、
$$ \left(1+\frac{1}{k+1}\right)^{k+1}>2 $$
を用いるのが核心である。
この不等式は二項定理から直ちに示せるため、帰納法の流れの中で自然に使える。
答え
すべての $n\geqq 2$ の整数について、
$$ \left(\frac{n+1}{2}\right)^n>n! $$
が成り立つ。
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