数学B 3項間漸化式 問題 11 解説

方針・初手
漸化式
$$ 5a_{n+2}=a_{n+1}+5a_n $$
は
$$ a_{n+2}-a_n=\frac{1}{5}a_{n+1} $$
と変形できる。この形から、$5a_ka_{k+1}$ の差を考えると $a_k^2$ が現れ、和 $T_n$ と結びつく。
また、正値性や不等式は、漸化式を
$$ a_{n+2}=a_n+\frac{1}{5}a_{n+1} $$
または
$$ 5a_{n+1}=a_n+5a_{n-1} $$
と見ることで示す。
解法1
(1)
$T_n=5a_na_{n+1}$ を示す。
漸化式より、任意の自然数 $k$ に対して
$$ a_{k+2}-a_k=\frac{1}{5}a_{k+1} $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} 5a_{k+1}a_{k+2}-5a_ka_{k+1} &=5a_{k+1}(a_{k+2}-a_k) \\ &=5a_{k+1}\cdot \frac{1}{5}a_{k+1} \\ &=a_{k+1}^2 \end{aligned} $$
となる。
これを $k=1,2,\ldots,n-1$ について加えると、左辺は望ましく打ち消し合って
$$ 5a_na_{n+1}-5a_1a_2=\sum_{k=1}^{n-1}a_{k+1}^2 $$
となる。ここで $a_1=5,\ a_2=1$ より
$$ 5a_1a_2=25=a_1^2 $$
であるから、
$$ \begin{aligned} 5a_na_{n+1} &=a_1^2+\sum_{k=1}^{n-1}a_{k+1}^2 \\ &=\sum_{h=1}^{n}a_h^2 \\ &=T_n \end{aligned} $$
である。
よって
$$ T_n=5a_na_{n+1} $$
が示された。
(2)
$a_n>0$ を示す。
初期条件より
$$ a_1=5>0,\qquad a_2=1>0 $$
である。
また、漸化式は
$$ a_{n+2}=a_n+\frac{1}{5}a_{n+1} $$
と書ける。したがって、$a_n>0,\ a_{n+1}>0$ ならば
$$ a_{n+2}=a_n+\frac{1}{5}a_{n+1}>0 $$
である。
よって数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ について
$$ a_n>0 $$
が成り立つ。
(3)
$a_n\leqq 5a_{n+1}$ を示す。
$n=1$ のときは
$$ a_1=5,\qquad 5a_2=5 $$
より
$$ a_1\leqq 5a_2 $$
が成り立つ。
次に $n\geqq 2$ とする。漸化式において添字を $n-1$ とすると
$$ 5a_{n+1}=a_n+5a_{n-1} $$
である。よって
$$ 5a_{n+1}-a_n=5a_{n-1} $$
となる。
(2)より $a_{n-1}>0$ であるから
$$ 5a_{n+1}-a_n>0 $$
すなわち
$$ a_n<5a_{n+1} $$
である。
したがって、すべての自然数 $n$ について
$$ a_n\leqq 5a_{n+1} $$
が成り立つ。
(4)
$5a_{n+1}\leqq 26a_n$ を示し、$T_n\leqq 26a_n^2$ を導く。
$n=1$ のときは
$$ 5a_2=5,\qquad 26a_1=130 $$
より
$$ 5a_2\leqq 26a_1 $$
が成り立つ。
次に $n\geqq 2$ とする。(3)を $n-1$ に適用して
$$ a_{n-1}\leqq 5a_n $$
を得る。漸化式より
$$ a_{n+1}=a_{n-1}+\frac{1}{5}a_n $$
であるから、
$$ a_{n+1}\leqq 5a_n+\frac{1}{5}a_n=\frac{26}{5}a_n $$
となる。したがって
$$ 5a_{n+1}\leqq 26a_n $$
である。
(1)より $T_n=5a_na_{n+1}$ であり、(2)より $a_n>0$ だから、
$$ T_n=5a_na_{n+1}\leqq 26a_n^2 $$
が成り立つ。
解説
この問題の中心は、漸化式をそのまま一般項に解くことではなく、
$$ a_{n+2}-a_n=\frac{1}{5}a_{n+1} $$
という差の形に直し、$5a_na_{n+1}$ の差を作ることである。これにより、平方和 $T_n$ が望ましく望遠和として現れる。
(4) は、(3) をひとつ前の添字に適用して $a_{n-1}\leqq 5a_n$ を得たあと、漸化式
$$ a_{n+1}=a_{n-1}+\frac{1}{5}a_n $$
に代入すればよい。これにより $a_{n+1}\leqq \frac{26}{5}a_n$、すなわち $5a_{n+1}\leqq 26a_n$ が従う。さらに (1) の関係式
$$ T_n=5a_na_{n+1} $$
と組み合わせれば、すぐに
$$ T_n\leqq 26a_n^2 $$
が得られる。
答え
(1)
$$ T_n=5a_na_{n+1} $$
(2)
$$ a_n>0 $$
(3)
$$ a_n\leqq 5a_{n+1} $$
(4)
$$ 5a_{n+1}\leqq 26a_n,\qquad T_n\leqq 26a_n^2 $$
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