数学C 二次曲線の軌跡 問題 7 解説

方針・初手
球面 $S$ は原点中心・半径 $1$ の球面であるから、直線が $S$ に接する条件は「その直線と原点の距離が $1$」である。
直線上の点をパラメータ表示し、球面方程式 $x^2+y^2+z^2=1$ に代入したとき、共有点がただ $1$ つになる条件、すなわち二次方程式の判別式が $0$ になる条件を使う。
解法1
(1)
$A(-1,0,2)$、$P(u,v,0)$ とする。
直線 $AP$ 上の点 $M$ が
$$ \overrightarrow{AM}=t\overrightarrow{AP} $$
を満たすから、
$$ \overrightarrow{OM} = (-1,0,2)+t{(u,v,0)-(-1,0,2)} $$
である。したがって
$$ \overrightarrow{OM} =\bigl(-1+t(u+1),\ tv,\ 2-2t\bigr) $$
である。
直線 $AP$ が球面 $S$ に接するためには、方程式
$$ \left|-1+t(u+1)\right|^2+(tv)^2+(2-2t)^2=1 $$
が $t$ について重解をもてばよい。
整理すると、
$$ {(u+1)^2+v^2+4}t^2-2(u+5)t+4=0 $$
となる。
これが重解をもつ条件は判別式が $0$ であることだから、
$$ [-2(u+5)]^2-4{(u+1)^2+v^2+4}\cdot 4=0 $$
である。よって
$$ (u+5)^2=4{(u+1)^2+v^2+4} $$
となる。これを整理して、
$$ 3u^2+4v^2-2u-5=0 $$
を得る。
したがって、点 $P$ の軌跡 $H$ は
$$ 3u^2+4v^2-2u-5=0 $$
である。
(2)
$B=(a,b,c)$、$Q=(u,v,0)$ とおく。
直線 $BQ$ 上の点を
$$ B+s(Q-B) $$
とおく。直線 $BQ$ が球面 $S$ に接する条件は、方程式
$$ |B+s(Q-B)|^2=1 $$
が $s$ について重解をもつことである。
ここで
$$ B\cdot(Q-B)=au+bv-(a^2+b^2+c^2) $$
また
$$ |Q-B|^2=(u-a)^2+(v-b)^2+c^2 $$
である。
$R=a^2+b^2+c^2$ とおくと、接する条件は
$$ (au+bv-R)^2-(R-1){(u-a)^2+(v-b)^2+c^2}=0 $$
である。整理すると、
$$ (1-b^2-c^2)u^2+2abuv+(1-a^2-c^2)v^2-2au-2bv+R=0 $$
となる。
これが $H$ の方程式
$$ 3u^2+4v^2-2u-5=0 $$
と一致するように、係数を定数倍で比較する。
$v$ の一次の係数が $0$ であるから、$b=0$ とする。また、$u$ の一次の係数から、定数倍を $\lambda$ とすれば
$$ -2a=-2\lambda $$
より
$$ a=\lambda $$
である。
さらに係数比較より
$$ 1-c^2=3a,\qquad a^2+c^2=-5a $$
が成り立つ。
第2式から
$$ c^2=-5a-a^2 $$
であり、これを第1式へ代入すると、
$$ 1-(-5a-a^2)=3a $$
すなわち
$$ a^2+2a+1=0 $$
となる。よって
$$ a=-1 $$
である。このとき
$$ c^2=4 $$
だから
$$ c=\pm 2 $$
である。
$B$ は $A(-1,0,2)$ と異なる点でなければならないので、
$$ B=(-1,0,-2) $$
をとればよい。
(3)
$H$ 上の格子点を求める。$H$ の方程式は
$$ 3u^2+4v^2-2u-5=0 $$
である。
これを
$$ 3u^2-2u+4v^2=5 $$
と見る。
左辺のうち $3u^2-2u$ について
$$ 3u^2-2u\leqq 5 $$
でなければならない。これを満たす整数 $u$ は
$$ u=-1,\ 0,\ 1 $$
である。
それぞれ調べる。
(i)
$u=-1$ のとき
$$ 3(-1)^2-2(-1)+4v^2=5 $$
より
$$ 5+4v^2=5 $$
だから
$$ v=0 $$
である。
(ii)
$u=0$ のとき
$$ 4v^2=5 $$
となり、整数 $v$ は存在しない。
(iii)
$u=1$ のとき
$$ 3-2+4v^2=5 $$
より
$$ 4v^2=4 $$
だから
$$ v=\pm 1 $$
である。
したがって、$H$ 上の格子点は
$$ (-1,0,0),\quad (1,1,0),\quad (1,-1,0) $$
である。
(4)
(2) で得た点
$$ B=(-1,0,-2) $$
と、(3) で得た $H$ 上の格子点
$$ (1,1,0),\quad (1,-1,0) $$
を用いる。
そこで
$$ C=(-1,0,-2),\quad D=(1,1,0),\quad E=(1,-1,0) $$
とする。
まず、$C,D,E$ はすべて格子点である。
また、$D,E$ は $H$ 上の点であるから、(1) より直線 $AD,AE$ は球面 $S$ に接する。
さらに、(2) より $B=C$ から $H$ 上の点へ引いた直線も球面 $S$ に接するので、直線 $CD,CE$ も球面 $S$ に接する。
残りの直線 $AC$ と $DE$ について確認する。
直線 $AC$ は
$$ x=-1,\qquad y=0 $$
で表される直線であり、原点からの距離は $1$ である。したがって球面 $S$ に接する。
直線 $DE$ は
$$ x=1,\qquad z=0 $$
で表される直線であり、原点からの距離は $1$ である。したがって球面 $S$ に接する。
次に、辺の長さを調べる。
$$ AC=4 $$
である。また、
$$ AD=\sqrt{2^2+1^2+(-2)^2}=3 $$
であり、同様に
$$ AE=3 $$
である。
さらに
$$ CD=\sqrt{2^2+1^2+2^2}=3,\qquad CE=3 $$
であり、
$$ DE=2 $$
である。
よって、すべての辺の長さは整数である。
また、
$$ \overrightarrow{AC}=(0,0,-4),\quad \overrightarrow{AD}=(2,1,-2),\quad \overrightarrow{AE}=(2,-1,-2) $$
について、
$$ \overrightarrow{AC}\cdot(\overrightarrow{AD}\times\overrightarrow{AE})=16\neq 0 $$
であるから、$A,C,D,E$ は同一平面上にない。したがって、確かに四面体をなす。
解説
この問題の中心は、「球面に接する直線」を二次方程式の重解条件に言い換えることである。
(1) では、直線 $AP$ をパラメータ表示して球面方程式に代入し、判別式 $0$ から $P$ の軌跡を求める。
(2) では、一般の点 $B=(a,b,c)$ から $xy$ 平面上の点 $Q$ へ引いた直線の接線条件を求め、(1) の軌跡と一致するように係数を比較する。
(4) では、(2) で得た点 $B=(-1,0,-2)$ と、(3) で得た $H$ 上の格子点を組み合わせると、接線条件をまとめて満たす四面体を作ることができる。
答え
(1)
$$ \overrightarrow{OM} =\bigl(-1+t(u+1),\ tv,\ 2-2t\bigr) $$
点 $P$ の軌跡 $H$ は
$$ 3u^2+4v^2-2u-5=0 $$
である。
(2)
例えば
$$ B=(-1,0,-2) $$
である。
(3)
$$ (-1,0,0),\quad (1,1,0),\quad (1,-1,0) $$
である。
(4)
例えば
$$ C=(-1,0,-2),\quad D=(1,1,0),\quad E=(1,-1,0) $$
である。
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