北海道大学 1973年 文系 第4問 解説

方針・初手
(1) では、与えられた弦の端点の座標を求め、その中点と長さを利用して円の方程式を立てる。(2) では、(1) で得られた円の方程式に点 $P(a, b)$ の座標を代入し、$k$ についての方程式と捉える。指定された範囲 $|k| < 3$ に実数解をもつ条件を、2次方程式の解の配置問題として処理する。
解法1
(1)
直線 $x = k$ とだ円 $\frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{4} = 1$ の交点の $y$ 座標を求める。だ円の方程式に $x = k$ を代入すると、
$$ \frac{k^2}{9} + \frac{y^2}{4} = 1 $$
$$ y^2 = 4 \left( 1 - \frac{k^2}{9} \right) = \frac{4}{9}(9 - k^2) $$
条件 $|k| < 3$ より $9 - k^2 > 0$ であるから、
$$ y = \pm \frac{2}{3}\sqrt{9 - k^2} $$
したがって、弦の端点の座標は $\left( k, \frac{2}{3}\sqrt{9 - k^2} \right)$ と $\left( k, -\frac{2}{3}\sqrt{9 - k^2} \right)$ である。
この弦を直径とする円の中心は、弦の中点であるから $(k, 0)$ である。また、円の半径の2乗は弦の長さの半分の2乗に等しいから、$\frac{4}{9}(9 - k^2)$ である。
よって、求める円の方程式は、
$$ (x - k)^2 + y^2 = \frac{4}{9}(9 - k^2) $$
(2)
点 $P(a, b)$ が (1) の円上にある条件は、方程式
$$ (a - k)^2 + b^2 = \frac{4}{9}(9 - k^2) $$
を満たす実数 $k$ が $-3 < k < 3$ の範囲に存在することである。これを $k$ について整理する。
$$ a^2 - 2ak + k^2 + b^2 = 4 - \frac{4}{9}k^2 $$
$$ \frac{13}{9}k^2 - 2ak + a^2 + b^2 - 4 = 0 $$
$$ 13k^2 - 18ak + 9(a^2 + b^2 - 4) = 0 $$
この $k$ についての2次方程式を $f(k) = 0$ とおく。
$$ f(k) = 13 \left( k - \frac{9a}{13} \right)^2 - \frac{81a^2}{13} + 9(a^2 + b^2 - 4) = 13 \left( k - \frac{9a}{13} \right)^2 + \frac{9(4a^2 + 13b^2 - 52)}{13} $$
放物線 $y = f(k)$ の軸は直線 $k = \frac{9a}{13}$ である。ここで、区間の端点 $k = \pm 3$ における $f(k)$ の値を調べる。
$$ f(3) = 13 \cdot 3^2 - 18a \cdot 3 + 9(a^2 + b^2 - 4) = 9(a^2 - 6a + 9 + b^2) = 9\{(a - 3)^2 + b^2\} \geqq 0 $$
$$ f(-3) = 13 \cdot (-3)^2 - 18a \cdot (-3) + 9(a^2 + b^2 - 4) = 9(a^2 + 6a + 9 + b^2) = 9\{(a + 3)^2 + b^2\} \geqq 0 $$
等号はそれぞれ $(a, b) = (3, 0), (-3, 0)$ のときに成り立つ。以下、場合分けを行う。
(i) $(a, b) \neq (\pm 3, 0)$ のとき
$f(3) > 0$ かつ $f(-3) > 0$ である。このとき、$f(k) = 0$ が $-3 < k < 3$ に少なくとも1つの解をもつための条件は、放物線の軸がこの区間にあり、かつ判別式を $D$ としたとき $D \geqq 0$ となることである。すなわち、
$$ \begin{cases} -3 < \frac{9a}{13} < 3 \\ \frac{D}{4} = (9a)^2 - 13 \cdot 9(a^2 + b^2 - 4) \geqq 0 \end{cases} $$
第2式を整理する。
$$ 81a^2 - 117a^2 - 117b^2 + 468 \geqq 0 $$
$$ -36a^2 - 117b^2 + 468 \geqq 0 $$
$$ 4a^2 + 13b^2 \leqq 52 $$
$$ \frac{a^2}{13} + \frac{b^2}{4} \leqq 1 $$
このとき、$a^2 \leqq 13$ より $-\sqrt{13} \leqq a \leqq \sqrt{13}$ である。$3 < \sqrt{13} < 4$ より $-\frac{13}{3} < -\sqrt{13}$ および $\sqrt{13} < \frac{13}{3}$ であるため、第1式の $-\frac{13}{3} < a < \frac{13}{3}$ は常に満たされる。 よって、この場合の条件は $\frac{a^2}{13} + \frac{b^2}{4} \leqq 1$ (ただし $(a, b) \neq (\pm 3, 0)$) である。
(ii) $(a, b) = (3, 0)$ のとき
$f(k) = 0$ の方程式は以下のようになる。
$$ 13k^2 - 54k + 45 = 0 $$
$$ (13k - 15)(k - 3) = 0 $$
解は $k = \frac{15}{13}, 3$ であり、$|k| < 3$ を満たす解 $k = \frac{15}{13}$ が存在するため、適する。
(iii) $(a, b) = (-3, 0)$ のとき
$f(k) = 0$ の方程式は以下のようになる。
$$ 13k^2 + 54k + 45 = 0 $$
$$ (13k + 15)(k + 3) = 0 $$
解は $k = -\frac{15}{13}, -3$ であり、$|k| < 3$ を満たす解 $k = -\frac{15}{13}$ が存在するため、適する。
以上 (i)〜(iii) より、求める必要十分条件は $\frac{a^2}{13} + \frac{b^2}{4} \leqq 1$ である。点 $P$ の存在する領域は、この不等式が表す領域である。
解説
(2) では変数が $a, b, k$ と3つ登場するため、「何を変数とし、何を定数とみるか」の判断が重要になる。ここでは「円が存在する」ことを「実数 $k$ が存在する」ことと言い換えるのが典型的な処理である。 方程式 $f(k)=0$ の解の配置を考える際、端点における値 $f(3)$ と $f(-3)$ が常に $0$ 以上となる性質に気づくことで、場合分けが大きく簡略化される。端点でちょうど $0$ になる特殊な場合(本問では $(a,b)=(\pm 3, 0)$ のとき)を個別に確認し、論理の穴を防ぐよう注意したい。
答え
(1) $(x - k)^2 + y^2 = \frac{4}{9}(9 - k^2)$
(2) 条件:$\frac{a^2}{13} + \frac{b^2}{4} \leqq 1$ 領域:$xy$ 平面上のだ円 $\frac{x^2}{13} + \frac{y^2}{4} = 1$ の周および内部。
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