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名古屋大学 2000年 理系 第1問 解説

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名古屋大学 2000年 理系 第1問 解説

方針・初手

(1) 点 $A(2, 0)$ を通る直線の方程式を設定し、双曲線 $C$ の方程式と連立します。得られた方程式が「ただ1つの実数解をもつ」条件を考えます。この際、直線が $y$ 軸に平行な場合と、そうでない場合に分けて処理します。 (2) (1) と同様に直線を設定し、双曲線と相異なる2点で交わる条件(判別式)を確認します。2交点の $x$ 座標を解と係数の関係を用いて表し、中点の座標 $(X, Y)$ を媒介変数 $m$ で表してから $m$ を消去し、$X, Y$ の関係式を導きます。

解法1

(1) 点 $A(2, 0)$ を通り、$y$ 軸に平行な直線 $x = 2$ は、双曲線 $C$ に代入すると $2^2 - y^2 = 1$ より $y = \pm\sqrt{3}$ となり、2点で交わるため条件を満たさない。 よって、求める直線の傾きを $m$ とおくと、その方程式は $y = m(x-2)$ と表せる。 これを $C$ の方程式 $x^2 - y^2 = 1$ に代入して $y$ を消去する。

$$ x^2 - \{m(x-2)\}^2 = 1 $$

展開して整理すると、

$$ (1-m^2)x^2 + 4m^2x - 4m^2 - 1 = 0 \quad \cdots (*) $$

この方程式が実数解をただ1つもつ条件を考える。

(i) $1-m^2 = 0$ のとき $m = \pm 1$ である。このとき、(*) は1次方程式となり、

$$ 4x - 5 = 0 \implies x = \frac{5}{4} $$

となり、ただ1つの実数解をもつ。これは直線が双曲線 $C$ の漸近線と平行になる場合である。 $m = 1$ のとき $y = x - 2$、$m = -1$ のとき $y = -x + 2$ となり、これらは条件を満たす。

(ii) $1-m^2 \neq 0$ のとき (*) は2次方程式となる。これが重解をもつ(すなわち直線が $C$ に接する)条件は、判別式を $D$ とすると $D = 0$ である。

$$ \frac{D}{4} = (2m^2)^2 - (1-m^2)(-4m^2 - 1) $$

$$ \frac{D}{4} = 4m^4 - (-4m^2 - 1 + 4m^4 + m^2) = 3m^2 + 1 $$

$m$ は実数であるから $3m^2 + 1 > 0$ となり、$D = 0$ を満たす実数 $m$ は存在しない。

(i), (ii) より、求める直線の方程式は $y = x - 2$ と $y = -x + 2$ である。

(2) 直線 $l$ が $y$ 軸に平行なとき、$l$ の方程式は $x=2$ である。 このとき、(1) で確認したように $C$ と $(2, \sqrt{3}), (2, -\sqrt{3})$ の2点で交わり、その中点は $(2, 0)$ である。

直線 $l$ が $y$ 軸に平行でないとき、その方程式を $y = m(x-2)$ とおく。 $l$ と $C$ の交点の $x$ 座標は方程式 () の実数解である。 相異なる2点で交わる条件は、() が2次方程式であり、かつ判別式 $D > 0$ となることである。 (1) より $D/4 = 3m^2+1 > 0$ は常に成り立つので、条件は $x^2$ の係数が $0$ でないこと、すなわち $1-m^2 \neq 0 \implies m \neq \pm 1$ である。 このとき、(*) の2つの解を $\alpha, \beta$ とすると、解と係数の関係より

$$ \alpha + \beta = -\frac{4m^2}{1-m^2} = \frac{4m^2}{m^2-1} $$

交点の中点を $M(X, Y)$ とおくと、

$$ X = \frac{\alpha + \beta}{2} = \frac{2m^2}{m^2-1} \quad \cdots ① $$

$$ Y = m(X - 2) \quad \cdots ② $$

①より、

$$ X(m^2-1) = 2m^2 $$

$$ (X-2)m^2 = X $$

$m \neq \pm 1$ のとき $X = 2 + \frac{2}{m^2-1} \neq 2$ であるから、これに②から得られる $m^2 = \frac{Y^2}{(X-2)^2}$ を代入して、

$$ (X-2) \frac{Y^2}{(X-2)^2} = X $$

$$ \frac{Y^2}{X-2} = X $$

両辺に $X-2$ を掛けて、

$$ Y^2 = X(X-2) $$

$$ X^2 - 2X - Y^2 = 0 $$

平方完成して、

$$ (X-1)^2 - Y^2 = 1 $$

この方程式は、直線 $l$ が $x=2$ のときの中点 $(2, 0)$ についても $(2-1)^2 - 0^2 = 1$ となり成立する。 したがって、2点の中点は、ひとつの双曲線 $(x-1)^2 - y^2 = 1$ 上にあることが示された。

解説

(1) 「2次曲線と直線が1点のみで交わる」という条件は、「直線が接する(判別式 $D=0$)」場合と、「直線が漸近線と平行になる(交点計算の方程式が1次方程式になる)」場合の両方を含みます。2次方程式の判別式を利用する前に、そもそも最高次数の係数が $0$ になる(つまり2次方程式にならない)場合を見落とさないよう注意が必要です。

(2) 中点の軌跡を求める典型問題です。交点の座標を直接求めるのが困難な場合、解と係数の関係を利用して中点の座標を媒介変数で表し、媒介変数を消去して関係式を導く手法が極めて有効です。 なお、本問は「あるひとつの双曲線上にあることを示せ」であるため関係式が導出できれば題意を満たしますが、軌跡を完全に求める場合は $X$ のとりうる値の範囲に注意が必要です。 $m^2 \ge 0$ かつ $m^2 \neq 1$ より、$X = 2 + \frac{2}{m^2-1}$ のとりうる値の範囲は $X \le 0, X \ge 2$ となりますが、これは双曲線 $(x-1)^2 - y^2 = 1$ 上のすべての点と一致します。

答え

(1) $y = x - 2, \quad y = -x + 2$

(2) 中点の座標 $(X, Y)$ は方程式 $(X-1)^2 - Y^2 = 1$ を満たすため、あるひとつの双曲線上にある。(証明終)

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