積分法の公式・定理・考え方
数学2の積分法で使う公式・定理・考え方を、大学入試数学で実際に使う場面に絞って整理します。数学2の積分法では、計算だけでなく、面積をどの関数の差として表すか、積分区間をどう決めるかが得点に直結します。
入試問題解析では、1961年度〜2025年度の数学2の積分法611問を分類しています。関連して出やすい分類は、数学2/微分法383問、テーマ/面積・体積361問、数学2/図形と式231問、テーマ/最大・最小216問、テーマ/接線・法線151問、テーマ/定積分計算114問です。
不定積分と定積分の基本
積分計算では、微分して元に戻る関数を探します。$F'(x)=f(x)$ のとき、
$$\int f(x)\,dx=F(x)+C$$
であり、
$$\int_a^b f(x)\,dx=F(b)-F(a)$$
です。多項式では、$n \ne -1$ のとき
$$\int x^n\,dx=\frac{x^{n+1}}{n+1}+C$$
を項別に使います。
定積分では、原始関数に代入するだけでなく、上端と下端の順序を間違えないことが重要です。$\int_a^b f(x)\,dx=-\int_b^a f(x)\,dx$ です。
面積公式
区間 $a \le x \le b$ で、上のグラフが $y=f(x)$、下のグラフが $y=g(x)$ のとき、囲まれた面積は
$$\int_a^b \{f(x)-g(x)\}\,dx$$
です。面積では、どちらが上かを先に決めます。グラフの上下が途中で入れ替わる場合は、その点で区間を分けます。
絶対値つき面積
面積は負になりません。したがって、$y=f(x)$ と $x$ 軸で囲まれる面積は
$$\int_a^b |f(x)|\,dx$$
です。実際の計算では、$f(x)=0$ となる点で区間を分け、符号を確認してから絶対値を外します。
絶対値を付けたまま機械的に積分しようとすると処理が不安定になります。先に符号変化を調べる方が安全です。
2曲線で囲まれた面積
2曲線 $y=f(x)$, $y=g(x)$ で囲まれた面積では、最初に交点を求めます。交点の $x$ 座標を $\alpha<\beta$ とすると、基本形は
$$\int_\alpha^\beta |f(x)-g(x)|\,dx$$
です。
特に $f(x)-g(x)=a(x-\alpha)(x-\beta)$ のような二次式になる場合、面積は
$$\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3$$
で計算できます。ただし、この公式は2曲線の差が二次式で、交点が $\alpha,\beta$ のときに使うものです。条件が合わない場面に無理に当てはめないでください。
接線・放物線との融合
放物線と接線、または放物線と直線で囲まれる面積は、微分法と積分法をつなぐ典型問題です。
- 接線条件は、差の式が接点で重解を持つこととして見られる
- 面積計算では、接点ともう一つの交点を積分区間にする
- 放物線同士や直線との位置関係は、差の式の符号で確認する
接線を求める段階で終わらず、その後に上下関係と積分区間を確定するところまでが一連の処理です。
積分法で失点しやすい点
- 面積なのに、上の関数から下の関数を引いていない
- 交点を求めずに積分区間を決めている
- 絶対値つき面積で符号が変わる点を分けていない
- 定積分で上端と下端の代入順を間違える
- 接線や放物線との融合問題で、接点と交点を混同する
積分法では、計算量よりも、面積として何を積分するかを設定する段階が重要です。
この公式集と一緒に見る問題
- 京都大学 2025年 文系 第4問: 数学2/微分法、数学2/図形と式、テーマ/接線・法線
- 大阪大学 2025年 文系 第3問: 数学2/微分法、数学1/二次関数
- 東京大学 2025年 文系 第4問: 数学2/図形と式、テーマ/場合分け
- 東北大学 2025年 文系 第4問: 数学2/図形と式
- 名古屋大学 2025年 文系 第1問: 数学1/二次関数、数学2/図形と式
関連する分野・テーマ
積分法の対策では、公式暗記よりも、交点、上下関係、符号変化、積分区間を先に確定する習慣を作ってください。
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