北海道大学 1984年 文系 第3問 解説

方針・初手
3辺の長さを適切に文字で置くことが第一歩である。等差数列をなす3つの数は、中央の数を $a$、公差を $d$ として $a-d, a, a+d$ と置くと扱いやすい。三角形の成立条件と、最大辺が $70$ より小さいという条件から、これら2つの文字に関する不等式を立てて、条件を満たす整数の組の個数を数え上げる。
解法1
三角形の3辺の長さを、中央の長さを $a$、公差を $d$ とし、短い順に $a-d, a, a+d$ と置く。
ただし、$a, d$ は整数であり、辺の長さは正であるため $a-d > 0$ である。
また、合同な三角形は区別しないため、公差は $d \ge 0$ として一般性を失わない。
辺の長さが等差数列をなす三角形が存在するための条件(三角形の成立条件)は、最も短い2辺の和が、最も長い辺よりも大きいことであるから、
$$ (a-d) + a > a+d $$
これを整理すると、
$$ a > 2d $$
となる。(このとき、$d \ge 0$ であるから $a-d > d \ge 0$ となり、すべての辺の長さが正であるという条件も自然に満たされる。)
次に、すべての辺の長さが $70$ より小さいという条件から、最大辺について、
$$ a+d < 70 $$
辺の長さは整数であるため、これは次のように言い換えられる。
$$ a+d \le 69 $$
以上より、求める三角形の個数は、次の2つの不等式を満たす整数の組 $(a, d)$ (ただし $d \ge 0$)の個数に等しい。
$$ 2d < a \le 69 - d $$
このような整数 $a$ が存在するためには、
$$ 2d < 69 - d $$
$$ 3d < 69 $$
$$ d < 23 $$
$d$ は $0$ 以上の整数であるから、$d$ の取りうる値は $0, 1, 2, \dots, 22$ である。
ある $d$ に対して、条件を満たす整数 $a$ の個数は、
$$ (69 - d) - (2d + 1) + 1 = 69 - 3d $$
個である。
したがって、求める総数は $d=0, 1, \dots, 22$ について $69-3d$ の和をとればよい。
$$ \sum_{d=0}^{22} (69 - 3d) = 69 + 66 + 63 + \dots + 3 $$
これは、初項 $3$、末項 $69$、項数 $23$ の等差数列の和であるから、
$$ \frac{23 (3 + 69)}{2} = \frac{23 \times 72}{2} = 828 $$
ゆえに、条件を満たす三角形は $828$ 個ある。
解説
等差数列をなす3つの数を $a-d, a, a+d$ とおく典型的な処理と、三角形の成立条件を組み合わせる基本的な整数・場合の数の問題である。「合同な三角形は区別しない」という条件は、$d \ge 0$ と大小関係を固定することで処理できる。不等式から変数のとりうる範囲を絞り込み、一方の変数を固定して数え上げるという定石を確実に実行したい。
答え
$828$ 個
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