北海道大学 1972年 理系 第1問 解説

方針・初手
集合の包含関係の証明問題である。 (1) は、$N$ の任意の要素 $(x, y)$ が $M$ の条件式 $13x - 227y = 1$ を満たすことを、直接代入して計算することで示す。
(2) は、1次不定方程式の典型的な解法に従い、2つの解を条件式に代入した式を辺々引くことで、$13(x_0 - x_1) = 227(y_0 - y_1)$ を導き、互いに素であることを用いる。
(3) は、$M$ の任意の要素が $N$ の形に表せることを示す。(1) で $N$ に属することが分かっている具体的な解(例えば $k=0$ のときの $x=35, y=2$)を用いて、(2) の結果を適用し、媒介変数が一致することを示す。
解法1
(1)
$(x, y) \in N$ とすると、ある整数 $k$ を用いて $x = 227k + 35$, $y = 13k + 2$ と表せる。
これを $13x - 227y$ に代入すると、
$$ \begin{aligned} 13(227k + 35) - 227(13k + 2) &= 13 \cdot 227k + 13 \cdot 35 - 227 \cdot 13k - 227 \cdot 2 \\ &= 455 - 454 \\ &= 1 \end{aligned} $$
となる。
$x, y$ は整数であり、$13x - 227y = 1$ を満たすので、$(x, y) \in M$ である。
したがって、$N \subseteq M$ が成り立つ。
(2)
$(x_0, y_0) \in M$ および $(x_1, y_1) \in M$ であるから、
$$ 13x_0 - 227y_0 = 1 $$
$$ 13x_1 - 227y_1 = 1 $$
がともに成り立つ。
これら2式の辺々を引くと、
$$ 13(x_0 - x_1) - 227(y_0 - y_1) = 0 $$
すなわち、
$$ 13(x_0 - x_1) = 227(y_0 - y_1) $$
となる。
$13$ と $227$ は互いに素であるから、$x_0 - x_1$ は $227$ の倍数であり、$y_0 - y_1$ は $13$ の倍数である。
(3)
$(x, y) \in M$ とする。
(1) より、$(35, 2) \in N$ は $(35, 2) \in M$ を満たす。
$(x_0, y_0) = (x, y)$、$(x_1, y_1) = (35, 2)$ として (2) の結果を適用すると、$x - 35$ は $227$ の倍数、$y - 2$ は $13$ の倍数である。
よって、ある整数 $k, l$ を用いて、
$$ x - 35 = 227k $$
$$ y - 2 = 13l $$
と表せる。すなわち、
$$ x = 227k + 35 $$
$$ y = 13l + 2 $$
である。
$(x, y) \in M$ であるから、これらを $13x - 227y = 1$ に代入すると、
$$ \begin{aligned} 13(227k + 35) - 227(13l + 2) &= 1 \\ 13 \cdot 227k + 455 - 227 \cdot 13l - 454 &= 1 \\ 13 \cdot 227 (k - l) + 1 &= 1 \\ 13 \cdot 227 (k - l) &= 0 \end{aligned} $$
$13 \cdot 227 \neq 0$ であるから、
$$ k - l = 0 $$
すなわち $l = k$ を得る。
したがって、$x = 227k + 35$, $y = 13k + 2$ ($k$ は整数) と表せるので、$(x, y) \in N$ である。
以上より、$M \subseteq N$ が成り立つ。
解説
1次不定方程式 $ax + by = c$ の整数解の集合と、パラメータを用いて表された集合が一致すること($M = N$)を、部分集合の包含関係 $N \subseteq M$ かつ $M \subseteq N$ を通して段階的に証明させる問題である。
(1) はパラメータ表示されたものが全て解になっていることの確認に過ぎない。(2) は不定方程式の一般解を求める際の定石である。(3) では、単に $x, y$ をそれぞれの倍数と置くだけではパラメータが一致する($k=l$)ことまで言えないため、一度異なる文字で置いてから元の方程式に代入して文字が一致することを示す丁寧な論証が求められている。
答え
(1) $N$ の要素を $M$ の条件式に代入して成立することを示した。
(2) $(x_0, y_0), (x_1, y_1)$ が満たす関係式の差分から $13(x_0 - x_1) = 227(y_0 - y_1)$ を導き、$13$ と $227$ が互いに素であることを用いて示した。
(3) $(x, y) \in M$ と $(35, 2) \in M$ に対して (2) を適用し、表される2つのパラメータが一致することを示し、$M$ の要素が $N$ の条件を満たすことを示した。
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