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九州大学 1977年 理系 第6問 解説

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九州大学 1977年 理系 第6問 解説

方針・初手

共通集合 $A \cap B = \{a_1, a_4\}$ であることから、$a_1$ と $a_4$ がともに集合 $A$ と集合 $B$ に属していることに着目する。集合 $B$ の要素はすべて平方数であるため、$a_1, a_4$ も平方数であることがわかる。

また、有限集合の要素の個数に関する公式と同様に、集合の要素の総和についても $\sum_{x \in A \cup B} x = \sum_{x \in A} x + \sum_{x \in B} x - \sum_{x \in A \cap B} x$ が成り立つことを利用して方程式を立てる。

解法1

(1)

$A \cap B = \{a_1, a_4\}$ であるから、$a_1 \in B$ かつ $a_4 \in B$ である。

集合 $B$ の要素はすべて正整数 $a_k$ の平方数であるから、$a_1, a_4$ も正の平方数である。さらに条件より $a_1 < a_4$ かつ $a_1 + a_4 = 10$ を満たす。

和が $10$ となる正の平方数の組は $(1, 9)$ のみである。

したがって、$a_1 < a_4$ より、$a_1 = 1, a_4 = 9$ である。

(2)

有限集合 $X$ について、その要素の総和を $S(X)$ と表すことにすると、一般に次が成り立つ。

$$S(A \cup B) = S(A) + S(B) - S(A \cap B)$$

問題の条件より、$S(A \cup B) = 224$ であり、各集合の要素の和は次のように表せる。

$$S(A) = a_1 + a_2 + a_3 + a_4 + a_5$$

$$S(B) = {a_1}^2 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + {a_4}^2 + {a_5}^2$$

$$S(A \cap B) = a_1 + a_4 = 10$$

したがって、これらを代入すると以下の式が得られる。

$$224 = (a_1 + a_2 + a_3 + a_4 + a_5) + ({a_1}^2 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + {a_4}^2 + {a_5}^2) - 10$$

(1) より $a_1 = 1, a_4 = 9$ であるから、${a_1}^2 = 1, {a_4}^2 = 81$ となる。これを代入して整理する。

$$224 = (1 + a_2 + a_3 + 9 + a_5) + (1 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + 81 + {a_5}^2) - 10$$

$$224 = a_2 + a_3 + a_5 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + {a_5}^2 + 82$$

$$a_2 + a_3 + a_5 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + {a_5}^2 = 142$$

(3)

$a_5 = 11$ と仮定すると、$a_5 + {a_5}^2 = 11 + 121 = 132$ となる。これを (2) の結果に代入する。

$$a_2 + a_3 + {a_2}^2 + {a_3}^2 + 132 = 142$$

$$a_2(a_2 + 1) + a_3(a_3 + 1) = 10$$

ここで、$a_1 < a_2 < a_3 < a_4$ すなわち $1 < a_2 < a_3 < 9$ を満たす正整数であるため、$a_2 \ge 2, a_3 \ge 3$ である。したがって、次が成り立つ。

$$a_2(a_2 + 1) + a_3(a_3 + 1) \ge 2 \cdot 3 + 3 \cdot 4 = 18$$

これは和が $10$ になることと矛盾する。よって、$a_5$ は 11 にならない。

次に、$a_5$ の値を求める。(2) の式を次のように変形する。

$$a_5(a_5 + 1) = 142 - \{a_2(a_2 + 1) + a_3(a_3 + 1)\}$$

$a_2 \ge 2, a_3 \ge 3$ より $a_2(a_2 + 1) + a_3(a_3 + 1) \ge 18$ であるから、次のように評価できる。

$$a_5(a_5 + 1) \le 142 - 18 = 124$$

$a_5$ は $a_4 = 9$ より大きい正整数であるため、$a_5 \ge 10$ である。もし $a_5 \ge 11$ とすると $a_5(a_5 + 1) \ge 11 \cdot 12 = 132$ となり、上の不等式を満たさない。

したがって、$a_5 = 10$ である。

(4)

(3) の結果より $a_5 = 10$ であり、$a_5(a_5 + 1) = 110$ となる。これを (2) で変形した式に代入する。

$$a_2(a_2 + 1) + a_3(a_3 + 1) = 142 - 110 = 32$$

$1 < a_2 < a_3 < 9$ であるから、考えられる $x(x+1)$ の値は以下のようになる。

これらの中から和が $32$ になる異なる2つの組み合わせを選ぶと、$12 + 20 = 32$ のみである。よって、$a_2 = 3, a_3 = 4$ である。

このとき、$A = \{1, 3, 4, 9, 10\}$、$B = \{1, 9, 16, 81, 100\}$ となり、$A \cap B = \{1, 9\}$ を満たすため適する。

以上より、集合 $A$ は $\{1, 3, 4, 9, 10\}$ である。

解説

共通集合 $A \cap B$ の要素が、もとの集合の定義からどのような性質(ここでは平方数であること)を持つかを読み解くことが最初のポイントとなる。

また、(2) で要素の和に関する式を立てる際、要素の個数に関する包含排斥の原理 $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ と同様の関係が要素の和についても成り立つことを活用する。

(3) および (4) は実質的に不定方程式を解く問題であるが、$1 < a_2 < a_3 < 9 < a_5$ という不等式条件を用いてとり得る値を絞り込むことで、少ない手数で解を確定させることができる。$x(x+1)$ が単調増加することを利用した不等式評価が有効である。

答え

(1) $a_1 = 1, a_4 = 9$

(2) $142$

(3) $a_5$ は 11 にならない。$a_5 = 10$

(4) $A = \{1, 3, 4, 9, 10\}$

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