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大阪大学 2012年 理系 第2問 解説

数学A/整数問題数学1/命題と集合テーマ/整数の証明テーマ/場合分け
大阪大学 2012年 理系 第2問 解説

方針・初手

$n$ の正の約数のうち、$1$ と $n$ 以外のものを「真の約数」と呼ぶことにする。 条件(i)より $n$ は合成数であるため、真の約数は少なくとも1つ存在する。($n=1$ は(i)を満たすが、以降の設問の条件より $n \geqq 2$ となるため除外できる) $n$ の真の約数の集合において、最小のものを $a$、最大のものを $b$ とおく。 $a$ は $n$ の最小の素因数であり、最大元 $b$ は $b = \frac{n}{a}$ で表される。 条件(ii)より、最大の真の約数と最小の真の約数の差についても $b - a \leqq 2$ が成り立つことに着目し、$n$ のとりうる値を絞り込む。

解法1

$n$ は合成数であるため、真の約数が存在する。 真の約数のうち最小のものを $a$、最大のものを $b$ とする。 約数の性質より、$a$ は $n$ の最小の素因数であり、$b = \frac{n}{a}$ が成り立つ。 条件(ii)より、任意の真の約数 $l, m$ について $|l - m| \leqq 2$ であるから、特に最大値 $b$ と最小値 $a$ についても

$$ b - a \leqq 2 $$

すなわち

$$ \frac{n}{a} - a \leqq 2 \iff n \leqq a(a + 2) $$

が成り立つ。

(1)

$n$ が偶数のとき、最小の素因数 $a$ は $2$ である。 不等式に $a = 2$ を代入すると、

$$ n \leqq 2(2 + 2) = 8 $$

$n$ は偶数であるから、$n = 2, 4, 6, 8$ が候補となる。

よって、求める $n$ は $4, 6, 8$ である。

(2)

$n$ は合成数であり、$7$ の倍数であるから、$n$ の最小の素因数 $a$ は $a \leqq 7$ である。

よって、求める $n$ は $35, 49$ である。

(3)

条件(ii)より $b - a \geqq 0$ かつ $b - a \leqq 2$ であるから、差は $0, 1, 2$ のいずれかである。

(I)

$b - a = 0$ のとき

$b = a$ より、$n = a^2$ である。 $a$ は $n$ の最小の素因数であるから、$a$ 自身が素数である。 このとき、真の約数は $a$ のみとなり、条件(ii)を満たす。 $n \leqq 1000$ より $a^2 \leqq 1000$ を満たす素数 $a$ を探せばよい。$a \leqq 31$ の素数が該当するため、 $a = 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31$ であり、これらを2乗したものが $n$ となる。

(II)

$b - a = 1$ のとき

$b = a + 1$ より、$n = a(a+1)$ である。 $a$ は $n$ の最小の素因数であるから、$n$ の真の約数である $a+1$ が持つ素因数も $a$ 以上でなければならない。 しかし $a$ と $a+1$ は互いに素であるため、$a+1$ の素因数は $a$ より真に大きい。 すなわち $a+1$ の最小の素因数は $a+1$ 以上となり、$a+1$ 自身が素数でなければならない。 $a, a+1$ がともに素数となるのは $a=2, a+1=3$ のみである。 このとき $n=6$ であり、(1)で確認したように条件を満たす。

(III)

$b - a = 2$ のとき

$b = a + 2$ より、$n = a(a+2)$ である。 $a=2$ のとき、$b=4$ で $n=8$ となり、条件を満たす。 $a$ が奇素数のとき、$a$ と $a+2$ は互いに素である。 (II)と同様に考えると、$a+2$ の素因数は最小の素因数 $a$ よりも真に大きくなければならないため、$a+2$ 自身が素数である。 すなわち $a, a+2$ は双子素数である。 このとき、$n=a(a+2)$ の真の約数は素数 $a, a+2$ のみとなるため、差は $2$ であり条件を満たす。 $n \leqq 1000$ より $a(a+2) \leqq 1000$、すなわち $a \leqq 30$ を満たす双子素数 $(a, a+2)$ を探せばよい。 $(3, 5), (5, 7), (11, 13), (17, 19), (29, 31)$ が該当し、これらの積が $n$ となる。

以上 (I), (II), (III) より得られた $n$ が求めるすべてである。

解説

約数に関する整数問題の典型的な手法である「最小の素因数」と「最大の真の約数」のペアに着目する方針が非常に有効である。 真の約数の最大値と最小値の差が $2$ 以下であるという条件から、$n$ が $a^2$, $a(a+1)$, $a(a+2)$ のいずれかの形に限られることを見抜くのが鍵となる。 また、連続する整数や差が $2$ の奇数が互いに素である性質を用いることで、それらが素数(または双子素数)でなければならないという論理の展開も、整数問題における重要な定石である。

答え

(1)

$4, 6, 8$

(2)

$35, 49$

(3)

$4, 6, 8, 9, 15, 25, 35, 49, 121, 143, 169, 289, 323, 361, 529, 841, 899, 961$

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